ふと、夜明け前に携帯電話のアプリを起動してみた。
何度もやりとりしているかと思った人ではなく
少し前に、でも何故か会ったことがあるような
暁でもなく琥珀色の記憶。そして、その子は
私の後ろをよくついてきて、たいへん大人しく
でも可愛いのに内気で、何かに怯えているかのように
私の手を握っていたような気がする。
自分はお姉さんだから。
人違いかもしれないけど、とても良い子だから
その二人の手を繋ぎ、帰り道を歩いて
帰路についた。
泡沫の記憶かもしれないけど、
私は病弱でもう少しで…と思ったけど、
その二人はきっと緑の会話の話を持ち帰り
私のことを慕う気がしたと思ったから。
心配だけどここは刻が流れるのが本当に遅い。
無事に帰ってきてもらえれば、偽りでも
私は貴方たちのことを夢の中でも見守っているよ
と、告げる。
テーマ 夜明け前のLINE
誰かを想うというのは意外と難しいと感じる私がいる。
一人だけと思っていても、他の人がいたらと
揺れる心。それとは別に自分も他の人に誘われると
とやはり揺れる。雨水が落ちた、池のように。
ただ、それでもその想いは本当であり
あの人も同じで在るならば
命が燃え尽きるまで、貴方を慕い
いつか、と星にも願う。
最近の私のやっていること。
それは、住んでいるマンションのベランダに夜、飲み物を持ってゆっくりだらだら過ごすことだ。
少し都会から離れていて不便な場所だけれども、近くの林から聞こえてくる虫の声などに耳をすませたり、夜中に星空を見ると私が特別な人間な気持ちになれるから。
そして、さらに
「あ、出てきた!」
「キミの分もあるよ、一緒に飲もうね」
そう、このベランダには私にしか視えない
特別な同居人がいるのは 秘密なのだ
「申し訳ございません、私は主に支える身でありますし、貴女様とは釣り合う身分ではございません。どうか他の方をお選びくださいませ」
いつの記憶かわからない。しかし、どうやら自分の口から出た発言のようだ。ある方と縁談の話が来たらしいが、年下ということもあり幼子に見え、そして高貴な身分だったので断ったらしい。
でも、その方は、彼女は貴女が!どうしても貴女が!とずっと言ってそして
「私のものに、どうしてもなってくれないのね?くださらないのね?貴女は
なら…!」
と、身包みを剥がされた上に拘束されそして
眼の前には龍がいた
私は 湖に 浅瀬だけど
溺れた その人(龍) に
捕まって
遠い日の 記憶
またかと思った。
たった一つのミス、失敗で責められる咎められる自分。
どうしてなんだろう。他の人は30、いや、20でも
すごいと褒められるのに。
私は100を出しても、一つ間違えればお前はダメだと
言われる。120を、それすら駄目なら180すらと
頑張り続けた。でも
「ここが駄目、だからお前は(貴女は あんたは)役に立たないんだ」
と否定され続けた。
心がぐにゃりと曲がり、手のひらから硝子のコップが落ちしてしまったように砕け散った。
奈落の底、地獄の果、灯火がない無限の闇。
今度こそ終わりにしよう。誰も助けないで!
もう引き止めないで!触らないで!
みんな!みんな!大嫌い!
私は一人ぼっちで覚めない夢の中が
一番幸せなんだから!と
孤独が好きなの!束縛されるのも!
みんな嫌!
でも、駄目だったんだ。
呪いが剞まれても、悪夢に誘われても、
貴女が大好きだから。と
愛してくれる人たちが私を引き上げてくれた。
人生という長い旅に絶望しては堕ちる。
しかし、必ずその度に奇跡は起り
運命は変わる。
憎まれっ子世に憚るだと思ったけど違うみたい。
私はまだ、この旅を駆けなければいけない。
脚があるから。