喪失感
心に隙間風が吹いた気がするのは何故だろうか
喪う 失う それは人が生きているから来る
必ず起こり得る終わり
人の心は硝子の器に入った水のようだから
だから失う怖さ 喪う嘆き 一雫の雨
例えそれがどんな些細な出来事
何気ないことであったとしても
喪失感があるから人は人であるということを
忘れないのであれば、それは鏡に映る自分の姿を
そして心を認識できるのではないだろうか
嘆きも痛みも苦しもないのであれば
【映らないでもがく自分を】喪失するのだから
世界に一つだけ
己の存在というのがまず、世界に一つだけということを意外と人はわからない
それ故に己が
たった一つの宝石にもなり
たった一つの剣にもなり
たった一つの書にもなり
という
それぞれが己という最高に一つだけの
ただ、それ故に
他の誰かを必要以上に傷をつけてはいけない
『世界に一つのものを持つ 己』を喪うのだから
突然の別れ
永遠に続くというのは誰しもが描くものだと
日々を送る中でふと思うことがある
毎日の挨拶 仕事 食事 休息
簡単なルーチンと言えるものも
そういうものとは別に生き甲斐にしているもの
毎日想う人(架空のでも) 恋 愛する物
そういうものも
やはりずっと続くと気づかずに思うのでは
いや、忘れないようで忘れてしまうのではないかなと
過る
そういうのは【死】のように
本当に突然の別れを告げるかのように来るのだから
だからこそ、痛い、辛い、悲しい記憶を忘れるのもとても重要だけど
その【別れ】の時がいつ来ても良いように
毎日全力で私は生きている
[帰還するために]
モンシロチョウ
春麗らかな日々を送ると見かけるのは虫の仲間たち
私は特に虫は嫌いでもなく特別に好きでもないのだけど
花を見ると虫を見る その虫を鳥が食す
その鳥は狐や狸に狩られる
という自然と営み、生存競争も同時に見る
でも本当に不思議な世界 いつもある世界なのに
視線を変えるだけで何かが変わる
前世はモンシロチョウと言われても
それならば青虫の時代があって
そこから蛹になり
モンシロチョウとして羽化した
最後に番に会えたのかわからないけれど
それはきっと【他の生き物の役に立てることができた】
のだと、自分は誉をもらったと思える
それはだれも信じなくてもよい
【大歓声】
忘れられない、いつまでも
自分の中で極めたものがひとつだけあった
たくさんやってきた中で、学び、遊び、運動し
多様な世界を見てその一点で
最上位と言える極めたものが
反対にはほぼ同じものがいた
ただし、行動も近いのに異なっていた
堕落、ひとつの世界しか見ないという中で
最上位「になった」と嘯いた
私の極めたモノは自分の記憶としても記録としても
ダビングから焼き直して何度でも見られる
その時のその時代のことすら気温すら正確に
一つの極みが 忘れられないいつまでも
に繋がった
その天命名刀透明の如く