その日は朝から小雨模様
黙々と植林の中を進んだ
君と何度登っただろう
僕はまだこんなところにいる
暗い暗い森の中を
ただただ水は流れていく
君がくれた温もりさえも
もう忘れてしまったよ
その時空から陽が射してきたんだ
気まぐれな一瞬の優しさが
まるで笑顔をくれたように
感じて少しだけほっとする
空から下りたカーテンが
とても綺麗だったのは
多分空が灰色に
包まれていたからだろうね
そうだった僕が君を愛した頃
見上げればいつも灰色だった
けれど君に助けられて
僕は幸せだったと思うよ
君の涙の理由を僕は知らない
多分聞いても理解出来ない
君だって僕に言っても仕方ないと
何一つ言ってくれないから
どこまでも死ぬまで歩いていく
砂漠の砂を踏みしめて
炎のような日が沈む
風の音だけが響いていた
君は俯いて泣いていた
友達が心配そうに見つめている
こんなにも君のことを思っているのに
僕は君のことを何も知らない
どこまでも死ぬまで歩いていく
孤独の砂を踏みしめて
炎のような日が沈む
風の音だけが響いていた
僕には何が欠けているのか
他の人と生まれつき違うのか
全ての人は向こう側で
僕はどうしてここにいるのか
ハートが踊る
素敵なメロディー
軽やかな僕ならいいのにね
君の指先
細く白い腕
白いワンピース綺麗
僕はタップを踏むんだ
眼鏡が飛んでも
拾ってる暇ない
君をつかまえるまで
流れるように
風に身を任せて
リズミカルな木琴のように
跳ねるのさミュージカル
ハートが踊る
素敵なメロディー
ココロコロコロ
ドングリコロリンコ
夜中の一時から朝の六時
ベッドに倒れ込んで寝息を立てよう
君のことを考えながら
眠る夜は心地良いから
まるで波が寄せるように
私の心に静かに寄せる
君の微笑み優しい声に
過去の二人を思い出すから
あの日ケンカしたことも
そしてサヨナラしたことも
遠い遠い記憶の隅に
しまい込んで今はもう
束の間の休息を
一緒に夢の中で過ごす
明日の朝が来るまでずっと
揺られながらただ浮かんでいる
私の体は少しずつガタが来ている
肩をやって手術して
リハビリ途中で足を痛めた
肩をやる前までは
なんでも思い切り力を込めて
引っ張れたし踏ん張れた
自分の頭は信じられなかったが
自分の体は信じていた
ところが今はあまり強くひねると
ネジがバカになるこの椅子の足のように
引っ張りすぎるとポロリと外れるんじゃないかと思う
それと同時になんだか少し大事に扱ってやろうと
思うようになった
人生はどうやら限りがある
思っていたより早くそれはやって来るかもしれない
女子大生が二人公園でトレーニングしている
とても強くて逞しい
溌剌とした笑顔を見ながら
頑張れと静かに呟いた