ひろちゃん

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9/25/2024, 1:15:44 PM

窓から見える景色
牢屋のような窓でした
外は屋根の連なりと
その向こうにゴルフの打ちっぱなしのネット
そして遠くには山々の緑
春夏秋冬何も変わらず
僕はぼんやりと煙草の煙を吐き出した

まだ未来があったけれど
何もかもわからなくて
自堕落な日々を
ただ繰り返す毎日
電車の音が時折聞こえた
何もかもが無気力な若い日々

自分という人間が何を愛し何を望むのか
自分という人間が何が出来て何が出来ないのか
自分を知るということが素直に生きるということが
どれほど大切なことか
そんな簡単なことを気付くことが無かったことで
貴重な時間を無駄に費やしました
それはまるで昔の白黒フィルムのように
形がはっきりせずざらざらとうごめく世界でした
そして人々とそんな不確かな世界で関わり合い
つまはじきにされて隅の方で隠れるように生きていたのでした
その頃の自分を思い出すとすごく寂しくて可哀想に感じます

今の自分はあいも変わらず貧乏で
地位も何も無いし何も持っていませんが
自分という人間を大切にして生きています
好きなことをして自分でかじを切り生きていくことは
幸せなことです

9/24/2024, 11:51:39 AM

今年も秋がやって来る
木々が色づきはじめている
僕は大きく息を吸い込む
この空の下で幸せをかみしめる

歩き始める
この一瞬を感じるままに
渡っていく野鳥の群れよ
静かに咲いた野菊の群落よ
そしてささやかな水の流れよ
それらがこの足を前へ進ませる
靴は泥にまみれても
また洗えばいいのだから

頂きの向こうに
見下ろす大きな湖があるという
そしてその向こうに対岸の山々が連なるという
今こそそれを確かめに行こう
生きるうえで本当の
喜びは人によって違う
だからもう他人と比べたりしない
この日のために1週間汗水流して働いた
この日のために誰かにあごでこきつかわれた
でももうそんなことはどうでもいい
今日はかけがえのない形のないものを探しに行こう

9/23/2024, 1:11:55 PM

働きに行った母を待つ
公園のジャングルジム
一人でも平気だったよ

寂しさを知らない
子どもだったけれど
お腹の虫は鳴いたよ

友達はいらなかった
夕暮れの下で
ただ登ったり降りたり
それだけで良かった

いつの間にか僕も月日を重ねて
大人になり寂しさを感じたりもしたけれど
今はもう元通りの一人にも慣れて
思うままに生きるそれだけでいい

9/22/2024, 12:26:50 PM

駅前のロータリーで友達を待っていると
宇宙から突然光が射してきました
見上げた雲にぽっかりと穴が開いて
あなたは静かに下りてきたんだね

僕があまりにも衝撃を受けたのは
あなたがあまりにも輝いていたから
長い髪を風になびかせながら
私を見つめてこう言ったんだ

あなたがもしも望むのならば
その苦しみを私と捨てに行きましょう
離れていたのになぜなのだろう
あなたの声は耳元で聞こえた

世界は突然姿を変えて
暗黒の中へ私を連れ出した
空間は歪み時計は壊れて
恐怖のなかで白い腕に掴まれ

遠くへ遠くへと走り出した
胸の鼓動がコントロール出来ない
煩くて気持ち悪くてどうしようもない
あの日あなたに連れられて
旅立ったのは覚えている

あれからどれほど経ったのだろう
私はどうしてここにいるのだろう
あれからどれほど忘れたのだろう
私はあのとき何を見たのだろう

耳元で今も声が聞こえる
ざわざわと呟く声が聞こえる
耳元で今も声が聞こえる
ざわざわと呟く声が聞こえる

9/21/2024, 1:56:56 PM

銀杏の木が色付いた
都会の秋の薄曇り
まだ若い僕は

胸ポケットの煙草に
火をつけながら
君に気づいた

派手な見た目は
僕に似合わない
だけど君は
僕を気に入って

今から家来る
君に連れられ
行ったマンション
ママに挨拶

少し交わして
君の部屋で
少しだけ飲んで
何かを探して君が猫のように

お尻をあげて
覗き込むのを見ていた
抱きしめられたら
何か変わった
そんな気がした
秋の恋でした

君が別れを告げたのは
その僅かに1週間後でした
付き合ってもいないのにね
恋をしていただけなのにね
君が消えた街並みを
僕は見ていた冬の夜でした

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