お題「終わりにしよう」
「もうさ、終わりにしよう?」
突然告げられた別れの言葉。
嫌だ、何も聞きたくない、、。
そう思い目を伏せる。
「ど、して、私何かした、?」
「違うんだ、このままだと僕が持たない」
「え、?」
それほど追い詰めていたのか。
私が彼を苦しませているんだ。
「分かった、貴方が決めたのなら、、」
意をけして心の準備をした。
「うん、だからさ、俺と結婚してください」
「、、へ?」
完全に別れを切り出されるものだと勘違いをし呆然とする。
「このまま恋人の関係じゃ僕が持たないから結婚して夫婦になろうって、ダメかな?」
「ッもちろん!」
満面の笑みで返事をし安心したのと同時に涙が出てきた。
「恋人関係はもう終わりにして僕と夫婦になってくれますか?」
「はい!」
泣き笑いをしていると彼はあわあわと慌てながら涙を拭う。
これからは夫婦として、嫁として彼を支えていこう。
お題「優越感、劣等感」
僕は誰かに必要とされたい。
出来のいい兄と聞き分けのいい弟の間に生まれた平凡な僕。
両親は何時も兄と弟を可愛がった。
まるで僕は存在しないかのように扱う。
そんな毎日が続く度心を支配するものがあった。
それは劣等感。
誰かに必要とされたい、愛されたい、満たされたい。
段々そんな事を考えるようになっていった。
どうして比べられなければいけないのか。
両親に愛されたくて僕を見て欲しくて毎日頑張っているのに。
テストも常に上位、運動も人3倍努力した。
それでも僕を見てくれることはなかった。
ただ、頑張ったね、偉いね、その一言が欲しいだけなのに。
ただ、愛されたくて褒められたくて頑張って無理して壊れても潰れても期待に応えたくて。
必死に頑張ってきた。
僕はもう諦めたんだ。
結局何をしても認めて貰えない、僕自身を見て貰えないなら何をしても意味が無い。
そう、諦めた時だった。
1人の女の子が僕を見つけてくれた。
救ってくれた、僕を褒めてくれた。
嬉しかったんだ、僕は誰かに必要とされていると。
その子は僕の恋人になり、奥さんになった。
その子だけが僕を認めてくれた。
子供も生まれて幸せに暮らせている。
そしてずっと鎖で繋がれていた劣等感に支配はされた心はいつの間にか優越感でいっぱいだった。
彼女に感謝している。
ずっと、これからも僕の隣で笑っていて欲しい。
今日もそう願い彼女と生きていく。
君のその笑顔が凍えないように。
願いをかける。
行きつけのカフェに向かうとドア越しから懐かしいコーヒーの香りがした。
「、、懐かしいな」
踵を返して彼女とよく通った歩道橋を渡る。
立ったまま、下を除くとそこら中に散らばっている足跡たち。
「雪和、、」
数え切れないほど記憶に刻まれた沢山の彼女。
それをたどって追いかければ追いかけるほど寒い。
「はぁ、去年も、巻いたマフラーなんだけどな」
それなのに温もりが足りないのは何故だろう。
「眩しいな、、明かりも、人も」
街を照らすイルミネーションがキラキラと輝いている。
お題「赤い糸」
「先輩っ!!」
走りながらこちらへ向かってくる彼女。
「どうしたの?」
「引越すって本当ですか!?」
息を切らし焦っている。
「情報早いな、、」
困ったように頬をかきながらそう言うと彼女眉を下げ泣きそうになっていた。
「ごめんね、本当なんだ」
「私、先輩と離れたくないです!」
「、、僕も出来れば咲良ちゃんと離れたくないんだけどね、、」
優しく頭を撫でて彼女を落ち着かせる。
「ひっく、、う、うぅ、、」
「ごめんね、」
「要命せんぱぁい、、っ」
「大丈夫、僕らは離れてても一緒だよ」
泣きついてくる彼女を宥め軽く口付けをした。
「僕のこと覚えててくれる?」
「もぢろんでず、、!」
そう言って泣くのを我慢している彼女。
それさえ愛おしく思いながら再度頭を撫でる。
「それじゃあ、行くね?」
「はぃ、、」
「必ず迎えに来るから待っててね?」
「っ、、はい!!」
ーそれから2年後ー
「さーくら!」
「わっ!?」
「ちょ、ちーちゃん!びっくりしたじゃん」
「ごめんごめんw」
小さな公園で2人の少女がじゃれあっている。
その2人を見つめる1人の青年。
そして彼は1人の少女の元へ歩き出した。
「咲良ちゃん」
「、、!!」
「久しぶりだね」
「要命、せんぱ、い、」
少女は目を見開き驚く。
「迎えに、来たよ」
「っ!先輩!!」
少女は青年に抱きついた。
そして2人の手には見えない赤い糸が結ばれている。
「ただいま」
「おかえりなさい」
2人は微笑み合い口付けをした。
END
お題「入道雲」
空に広がる入道雲。
明日は雨か、なんて思いつつも信号を渡りきる。
それから少し歩いた頃後ろに気配を感じた。
それは次第に近づいてきて、思わず「背負い投げ」と言いながら投げ飛ばしてしまった。
「い、っ」
「え」
なんとそこに居たのはまさかのI○koさん。
あ、本物に「背負い投げ〜」で投げてしまった。
「ごっごめんなさい!!」
「貴方、、ファスナー開いてるわよぉ」
「( ˙꒳˙ )ファ」
それからあの方は帰って行った。
いやはっず!!
※ご本人様は一切ご関係ありません