お題「赤い糸」
「先輩っ!!」
走りながらこちらへ向かってくる彼女。
「どうしたの?」
「引越すって本当ですか!?」
息を切らし焦っている。
「情報早いな、、」
困ったように頬をかきながらそう言うと彼女眉を下げ泣きそうになっていた。
「ごめんね、本当なんだ」
「私、先輩と離れたくないです!」
「、、僕も出来れば咲良ちゃんと離れたくないんだけどね、、」
優しく頭を撫でて彼女を落ち着かせる。
「ひっく、、う、うぅ、、」
「ごめんね、」
「要命せんぱぁい、、っ」
「大丈夫、僕らは離れてても一緒だよ」
泣きついてくる彼女を宥め軽く口付けをした。
「僕のこと覚えててくれる?」
「もぢろんでず、、!」
そう言って泣くのを我慢している彼女。
それさえ愛おしく思いながら再度頭を撫でる。
「それじゃあ、行くね?」
「はぃ、、」
「必ず迎えに来るから待っててね?」
「っ、、はい!!」
ーそれから2年後ー
「さーくら!」
「わっ!?」
「ちょ、ちーちゃん!びっくりしたじゃん」
「ごめんごめんw」
小さな公園で2人の少女がじゃれあっている。
その2人を見つめる1人の青年。
そして彼は1人の少女の元へ歩き出した。
「咲良ちゃん」
「、、!!」
「久しぶりだね」
「要命、せんぱ、い、」
少女は目を見開き驚く。
「迎えに、来たよ」
「っ!先輩!!」
少女は青年に抱きついた。
そして2人の手には見えない赤い糸が結ばれている。
「ただいま」
「おかえりなさい」
2人は微笑み合い口付けをした。
END
6/30/2023, 2:31:21 PM