柊戯

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君のその笑顔が凍えないように。

願いをかける。

行きつけのカフェに向かうとドア越しから懐かしいコーヒーの香りがした。

「、、懐かしいな」

踵を返して彼女とよく通った歩道橋を渡る。

立ったまま、下を除くとそこら中に散らばっている足跡たち。

「雪和、、」

数え切れないほど記憶に刻まれた沢山の彼女。

それをたどって追いかければ追いかけるほど寒い。

「はぁ、去年も、巻いたマフラーなんだけどな」

それなのに温もりが足りないのは何故だろう。

「眩しいな、、明かりも、人も」

街を照らすイルミネーションがキラキラと輝いている。

7/9/2023, 4:35:35 AM