#泣かないよ
大好きな貴方は、
何処の馬の骨とも分からない人と
一緒になってしまいました。
純白に身を包んだ貴方は、
あまりにも綺麗で、
まるで、天使みたいで。
泣かないよ。
だって今日は、
貴方の晴れ舞台でしょう。
心が軋んでも、
笑顔で貴方を祝福します。
――こんな独りよがりな気持ちなんて、
早くなくなってしまえばいいのに。
#怖がり
小さい頃、
暗闇や幽霊が怖いって
お前はよく、縋るみたいに
隣に潜り込んできた。
震えているくせに、
服の袖だけは絶対に離さなくて。
あの頃は思ってたんだ。
怖がりなのは
お前の方だって。
でも今は違う。
お前が隣から
少しずつ離れていくことの方が、
ずっと怖い。
幽霊なんかより、
ずっと。
……なあ。
本当の怖がりは、
お前じゃなかったのかもしれない。
#星が溢れる
貴方は、私の流れ星。
私の願いを叶えてくれた、ただ一つの光。
鈍く光るその星を先頭に、
まるで流れ星のような軌道を描いて、
美しい星々が次々と溢れ出した。
けれど貴方は、不意に震え、
その場に座り込んでしまった。
きっと、そのあまりの美しさに
圧倒されてしまったのだろう。
貴方の澄んだ瞳から、
静かに天の川が流れ落ちる。
咎さえも包み込むような
深く、黒い空に、
いま、星がひとつ増えた。
――その小さな誕生に、祝福を。
#ずっと隣で
貴方の笑む顔も、怒る顔も、涙に濡るる顔さえも
その悉くを、我がものとしてしまいたいと願う心が、
胸の奥に静かに根を下ろしております。
いっそ貴方を小さき鳥籠の内へ閉じ込め、
誰の目にも触れさせず、
この手の届く所にのみ置いておけたならば、と。
けれども、思うのです。
貴方があれほどまでに美しく輝いて見えるのは、
何ものにも縛られぬ自由のもとに在るが故なのでしょう。
されば、せめて
その麗しき御姿を、
末永く隣にて眺めていられますようにと、
ただそれのみを、静かに願っております。
#答えは、まだ
心に問いかけても、返事は沈黙のまま
けれど、その沈黙が次の一歩を導いている