#沈む夕日
沈みゆく夕日を背に、貴方は振り返ることもなく遠ざかっていく。
その背中が、どうしようもなく綺麗で、残酷で、目を逸らせない。
手を伸ばせば届く距離だったはずなのに、指先は空を掻くだけで。
掴みたい、引き止めたい、ここにいてほしい――
そんな願いばかりが胸の奥で渦巻いて、けれど同時に、それをしてはいけない理由も知っている。
貴方に触れてしまえば、きっと何かが壊れてしまう。
今の関係も、この静かな距離も、全部。
だから、ただ立ち尽くして見送ることしかできない。
明日になれば、何事もなかったように朝日は昇って、また貴方に会える。
同じ言葉を交わして、同じ距離で笑い合って。
それでもこの夜だけは、どうしても誤魔化せない。
静かで、息が詰まるほど美しいこの時間の中で、
貴方のことばかりを考えてしまう自分が、嫌になるほど愛おしくて、苦しい。
届かないと分かっているのに、
それでもまだ、手を伸ばしてしまいそうになるのです。
4/8/2026, 12:16:44 AM