ヨルガオ(短編小説)

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9/23/2023, 3:57:07 PM

夜1時。

親に黙って、家の外に出た。

外は思っていたより明るくて

数十秒に一台、車が通るだけだった。

「あ、懐かしいな。ここ」

ふと、昔遊んだ公園が見えた。

「変わってないな〜。ジャングルジム」

俺の方が背高い〜とか言って遊んだっけ。

今じゃ上の所まですぐに手が届く。

なんか…胸糞悪いな。

上へ上へただただ向かって行くだけの遊具。

俺が今登ってるジャングルジムは

こんな上の方に簡単に手が届くものなんかじゃ、無いんだろうな。

「……って、考えすぎか」


ージャングルジムー

9/23/2023, 3:12:15 AM

「何してるの、こんな所で」

『……何って、飛び降りようとしてるんだけど』

「ふーん、そっか」

『……止めないのか』

「止めて欲しいんだ」

『っ………てか、お前誰だよ』

『何処から話してんだ、姿ぐらい見せろよ』

「えー、やーだね」

「勇気の無い人には見えないのよ」

『……勇気があれば良いんだな』

視界が揺らぐ中、

女の子が笑顔で笑っていた。


ー声が聞こえるー


解説

勇気があれば見える子

ここから飛び降りれば、勇気があると証明できる

死にかけの男の子の目に映ったのは

笑っている女の子

この女の子は以前、ここから飛び降りて亡くなった

彼女は向こう側の世界から声をかけていた

9/21/2023, 3:31:16 PM

9月20日、信じられないことが起こった。

私と彼と友達と放課後に

勉強を先生に教わりに行く予定だった。

でも友達が家の用事で帰った。

彼と2人で職員室に入って

ソファーに座った。

隣に彼がいる。一緒に座ってる。

爆発しそうだった。

先生に教わる時、正直彼しか頭になかった。

「〇〇(彼)って、〇〇さん(私)とは普通に話せるんやね」

先生が言う。

『え?どう言う意味ですか?』

私はすかさず聞く。

「いや、〇〇(彼)、女子が苦手やけんね」

…まじかよ。

彼の女友達の中でも、私って結構良い方なのか??

変に気持ちが昂った。


ー秋恋ー

9/20/2023, 1:36:11 PM

体育の時間。

今日は先生が不在の授業。

そうなれば、やっぱりみんなまとまりがない。

バレーをやると決めたけど

みんな各々遊ぶ。

「バレーするから男子と女子それぞれ4チームに分かれてー」

友達がみんなに声をかける。

やっぱり、流石だな。

少しずつだが、みんな動き始めた。

『でしゃばり』

そう陰口を言う女子や男子がちらほらいる。

誰かがまとめなきゃいけないのに。

率先してやってくれているのに。

じゃあお前がやればいいやん

とでも言えばよかった。

私にはそんな勇気は無いから

凄いなって思うことしか出来ない。


ー大事にしたいー

9/19/2023, 3:27:34 PM

「綺麗だね」

『…そうだね』

屋上から、君は空を見つめる。

そんな君を、僕は見つめる。

「…あ」

風で帽子が飛ばされる。

ぐっ…と君は前屈みに手を伸ばす。

ガクンッ

『え』

次の瞬間、君が視界から消えた。

血の気がスッと引いていくのがわかった。

ほんと、嫌なぐらいに。

その場から動く事ができなかった。

ただただ、時が止まって欲しいと

強く願う事しかできなかった。


ー時間よ止まれー

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