ヨルガオ(短編小説)

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「綺麗だね」

『…そうだね』

屋上から、君は空を見つめる。

そんな君を、僕は見つめる。

「…あ」

風で帽子が飛ばされる。

ぐっ…と君は前屈みに手を伸ばす。

ガクンッ

『え』

次の瞬間、君が視界から消えた。

血の気がスッと引いていくのがわかった。

ほんと、嫌なぐらいに。

その場から動く事ができなかった。

ただただ、時が止まって欲しいと

強く願う事しかできなかった。


ー時間よ止まれー

9/19/2023, 3:27:34 PM