ヨルガオ(短編小説)

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9/18/2023, 3:15:39 PM

君たちはきっと

夜景って聞いたら都会をイメージすると思う。

不思議だよね。

夜景って、夜の景色って意味なのに

田舎の夜景が想像できないんだもの。

まあ、都会の方が華やかではあるのか。

でもさ、田舎もいいと思う。

街灯が何処にもなくて

代わりに空に浮かぶ星や月が

自分達を照らしてくれる。

人工的な光じゃなくて天然的な光。

そう考えたら

田舎の方が華やかな気がしてこない?


ー夜景ー

9/17/2023, 4:35:09 PM

「違う。これじゃない」

「間違えないように、潰さないと」

グシャ…グシャ…っと

花を何度も踏みつける。

「どこに咲いてるの。私の花」

広大な花畑を見渡しながら

違う花をいくつも踏みつける。

「…あ」

その花の周りには

綺麗に咲いた花なんて無かった。

「……あれ」

周りの変化に耐えきれなくなったのか

はたまた自分で潰してしまったのか

探していた、たった一輪の花は

色褪せ、枯れていた。


ー花畑ー



もし、花畑が地球だったら。

花が人間で

探していたのが運命の相手だったら。

踏みつける事が、暴言を言う事だったら。

……なんてね。

9/16/2023, 12:47:14 PM

「………あ、雨…」

本当に、空なんて嫌い。

なんで、泣く寸前で雨なんか降るのよ。

空は私に泣いて欲しくないの?

そんなことを考えてたら

自然と涙が引っ込んだ。

「バッカみたい…。なに空に抵抗してんだよ」

無理やり笑って見せた。

ふと、死んだ君の顔が浮かんだから。

「やっぱり…見えてるのかなぁ」

私はずっっと高い空を見上げた。

「…大丈夫。頑張るから」

そう呟いたら

空も、心も、少し晴れたような気がした。


ー空が泣くー

9/15/2023, 3:34:28 PM

すきな人が出来た
 
               そうなん?おめでと
   
ききたい?

                   いや…別に

でも、ちょっと不安

すきな気持ちが無くなりそう

                    なにそれ

              好きなんじゃないの?

……やっぱりなんでもない

忘れて。

                 は?どゆこと?

その後、俺は後悔した。

頑張って告白してくれたのに、

気が付かなかった俺が悪かった。

あんな対応…。

そりゃ好きな気持ちは無くなるよなぁ……。

俺も好きなのに。なに勝手に拗ねてんだよ。


ー君からのLINEー

9/14/2023, 3:36:05 PM

「どんな事があっても、君を助ける」

今の妻にプロポーズした時の言葉だ。

たとえ、自分の命がどうなろうとも助ける。

そう、誓ったんだ。

……なのに。

……なのに、なんで今、君は

「来ないで」って言うんだ。

俺は決めたんだ。

君が望んでなくても。

「今助けるから!!!」

燃え盛る炎の中にいる、

瓦礫に埋もれた妻に伝えた。

どんな事があっても、命に変えて助けるって

言っただろ?


ー命が燃え尽きるまでー

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