「…ん……あれ」
カーテンが風で揺れている。
「いつの間に…寝てたんだろ」
ふと、時計を見る。
午前5時前だった。
「……ん?」
「見間違いだよ…な?」
何度確認しても午前5時前。
「まず…」
明日の朝…いや、今日の朝か。
数学のテストあるから、徹夜しようと決めたのに。
いつの間にか寝ていたんだが?
まだ大問3しか解けてないんだが?
呆然と立ち尽くす僕の耳に
新聞がポストに入る音が響いた。
ー夜明け前ー
『〇〇っているやん?』
「〇〇くんがどしたん?」
『あいつさ』
『お前と話してる時めっちゃ楽しそうなんだよね』
「そうなん?」
『え、お前的にどうなん?』
「うーん…まぁ、クラスでは一番可能性あるのは〇〇くんかな」
『お!!おめでとう〜』
「おいおい」
ほんまに、そんな事言わんといてや。
期待するやん。意識するやん。
〇〇くんは、そんな気無いんだろうけどさ。
自分から告る人感じの人じゃないし。
きっと結ばれないんだろうけど。
出来る限り、頑張ってみようかな。
やっぱり、好きなんだ。
ー本気の恋ー
(ノンフィクション)
カレンダーは好きだ。
ばつ印をつけていくたびに
待ちどうしい日が近づいていくのを実感するから。
あと7日、あと6日…って。
そうしてついに前日になった時、
私は一番ドキドキする。
…………。
カレンダーは嫌いだ。
その月が終わるまで
あの嫌だった日を見て、思い返してしまうから。
あと7日、あと6日…って。
そうしてついに月が終わる前日になった時、
私は一番ワクワクしてしまう。
ーカレンダーー
「今日で…終わっちゃうの…かな?」
『……そんなこと、言わないで』
「なんか…もう、身体に力が…入らないんだ」
「もう、無理だって…自分でも分かる」
『………』
「こんな…俺の側にいて、くれて」
「ありがとう」
『……こちっこそ』
『沢山の思い出をありがとう』
「…照れるなぁ……」
「………愛してるよ」
『……私も』
ピーーーーーーーーー。
午前0時
日付が変わったその瞬間。
私の前から貴方はいなくなった。
ー喪失感ー
世界に君はたった1人だけ
…だってさ。
こんな言葉を君たちは信じているのか。
君たちがいなくたって
世界は何不自由なく回っていく。
結局、そういうもんだよ。
たった1人とか、所詮言葉だけ。
なんの価値も希少度も見出せない。
ただ、君たちが死んだ後の処理が面倒くさくて
死なないように、生きているように
それっぽい言葉を並べているだけって
僕は思うね。
ー世界で一つだけー