ヨルガオ(短編小説)

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9/3/2023, 3:11:18 PM

「あんたなんか、大っ嫌い」

幼馴染と喧嘩した。

半泣きの君に僕は一言。

『そんなの、思ってないくせに』

何年君の隣にいると思ってるんだ。

どんなことでもわかるに決まってる。

嘘をつくときの癖も。

だからわかる。

本当は喧嘩なんかしたくない。

こんな事言いたくないって。

バレバレなんだよ。ほんと。

俺の前ぐらい…素でいろよ。


ー些細なことでもー

9/2/2023, 5:07:59 PM

「君は僕にとっての太陽だ」

なんて、馬鹿馬鹿しい言葉。

私なら、

「僕の灯火になってくれ」って言うね。

太陽なんて、自分で光ってるつーの。

君がいないと僕は生きていけないってのが灯火だ。

もっと相手に必要性を示さないと。

私じゃなくてもいいって思われるよ?

…少なくとも私は…。

ううん。なんでもない。

ほら、さっさと告白してこいよ。

あんた(と私)の気持ちが変わる前にさ。


ー心の灯火ー

9/2/2023, 3:58:45 AM

知っている。

本当は全部。

貴方の「大好き」も「愛してる」も

全部偽りだということを。

最近、彼はスマホを常に持ち歩いていた。

察した。

LINEだ。女だ。

パスワードは知ってる。

開けばいいのに…見て確かめたらいいのに…。

開きたくない。見たくない。

彼との関係を終わらせたくない。

浮気する最低な彼だけど、

私を愛していた時期はあったと思うから。


ー開けないLINEー

8/31/2023, 2:27:57 PM

「なんでこんな事も出来ないかな」

「貴方は私の理想であってほしいのに」

『ごめ…ごめんなさい…』

『こ、今度は完璧にこなすから…』

「………」

「……何か…変な勘違いしてるんじゃないかな」

『……へ…?』

ガシッ

『うっっ…!』

「貴方は何で何もかも完璧にこなすのかな」

『…え』

「…いい?」

「私の理想は不完全な貴方なの」

「全部出来たら困るのよね」

「貴方はただ、私の為に」

「不完全な貴方を完璧に演じればいいだけ」

「こんな事も出来ないなんて」

「育て方を間違ったわ」


ー不完全な僕ー

8/30/2023, 3:21:42 PM

「なんかお前、匂い違くね?」

『あ、わかる?彼女が最近くれたんだよ』

『このローズの香水』

「へー、いい彼女じゃん。それ高いやつだろ?」

『そうそう。ほんとありがたいわ』

………。

《え、あいつそんなこと言ってたの?》

「…そうだけど……どした?」

あいつの彼女の〇〇。

〇〇とは幼馴染でこうしてよく話している。

《……いや…》

《確かに…前、誕生日の時香水あげたけどさ…》

「…けど?」

《………私があげたのって》

《ローズじゃなくてラベンダーの香水なんだよね》


ー香水ー

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