「やっほー!」
「今日も来ちゃった!」
『毎日飽きないね』
『でも嬉しい。ありがとう!』
「いいってことよ」
「てか、このノート、もうページが無くなっちゃう」
『本当だ』
『新しいノートあげるね』
「ちょっと待って!」
『……』
《…手話、少し覚えたよ》
『!!!!!』
〈凄い!!私の為に?〉
《…そうだよ》
《これで、たくさんお話しできるよ》
〈ありがとう!!大好き!!〉
ー言葉はいらない、ただ・・・ー
「」『』の会話は筆談で。
《》〈〉の会話は手話で。
さっきはごめん
20:18
別にいいよ。気にしてな
いし 20:20
よかった
20:21
うそついたからさ
20:22
なかよくしても
らえないって…
20:22
大丈夫。心配すんな。
20:23
俺はずっとお前の親友
だからな。 20:24
ありがとう。
20:25
お前が親友でよかった。
20:25
お前今何処に居るんや
20:26
おい 20:26
返事しろ 20:26
📞キャンセル 20:26
📞キャンセル 20:27
今からお前ん家行くから
20:27
10分もかからん 20:27
それまでなんもすんなよ
20:28
ー突然の君の訪問。ー
「あの…大丈夫ですか?」
雨で少し濡れた、歩道で雨宿りをする美しい女性に
男性は声をかけざるを得なかった。
『…大丈夫です』
女性はそれだけを言うと、また前を向いて黙った。
悲しい声だった。
男は雨の中、走り出した。それは必死に。
何が男をこんなにも引き立たせるのだろうか。
近くのコンビニでビニール傘を買い、
女性の元へ戻った。
「あ、あの…………」
『…あ』
女性の視線と声は男に向けられなかった。
《全部僕が悪かった。許してくれ》
女性の目の前には、傘を持ったびしょ濡れの男性が。
『ありがとう』
そう言い、女性は男性の傘へ入って歩き出した。
呆然と立ち尽くす俺に背を向けて。
ー雨に佇むー
8月25日
今日はとても暑かった。文化祭の準備をした。来たのは私と先生だけ。
明日も準備する予定になった。
8月26日
今日も文化祭の準備をしに来たのは私と先生だけだった。LINEで皆んなに言ったんだけどな。
先生に話したら俺からも言っておくって。意外と優しいんだな。
8月27日
気持ちの整理がつかない。先生が好きだって言ってきて、体を触られた。気持ち悪い。そんな人だとは思ってなかったのに。結局誰も来なかったから、助けも呼べなかった。
どうしよう。怖い。助けて欲しい。誰にも言うなって脅された。誰にも言えない。
誰か、この日記をバレずに見つけて。
ー私の日記帳ー
「こ、こんにちは」
「き、きょ、うはよろしくお願いいたします…」
男のくせに、めっちゃ緊張してるじゃん。
「あ、あの」
「最近は、何かされていらっしゃるんでしゅか!」
「あ……」
噛んでるし。
「ご、ごめんなさい……」
顔、赤……。
初めてのお見合いってバレバレ。
まったく。
運命ってのは分からないもんだね。
心の中でめっちゃ文句言ってた相手が
今の旦那になるなんてね。
ー向かい合わせー