ヨルガオ(短編小説)

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8/24/2023, 3:59:42 PM

「せんせ」

『………どした』

「ふふ、なんでもなーい」

『なんだよ』

『ほら、早く問題解け』

「はーい」

「………」

「私、好きだよ」

『……ん?テストがか?』

「違うよ、せんせーがだよー」

『そーかそーか。ありがとな』

「もー、そんなの思ってないでしょー」

結構…本気なんだけどな。

『…なんか言ったか?』

「なーんにも」


ーやるせない気持ちー

8/23/2023, 1:25:43 PM

「私さ、明日この町、出ていくんだ」

『…ふーん』

「何よ、そのそっけない感じ!」

「心配するとか寂しいとか言えないの??」

『…いや、、』

「サイテー」

……懐かしいな。この砂浜。

昔、君とここで喧嘩したよね。

忘れもしない。君が町にいる最後の日だった。

あの時の僕は、君に会えるのが最後だって…

認めたくなくて、信じたくなくて。

嫌だって言いたかったけど、

言葉が詰まって言えなかった。

『好きだぁー!!!!!!!!!』

思いっきり叫んだ。

届かなくてもいい。聴こえなくてもいい。

何十年経っても、君を想ってるって

この波に乗せて、言いたいんだ。


ー海へー

8/22/2023, 1:46:18 PM

僕の家は、とても裕福とは言えなかった。

毎日生きるのに必死で

母が夜遅くまで働いてくれる。

そのおかげで、学校に通えている。

突然、母がこんなことを言い出した。

「ごめんね…もう疲れたの」

急にどうしたんだろうか。

仕事のし過ぎで、顔がやつれている母。

僕の為に、ずっと働いてくれていたんだ。

『大丈夫だよ、お母さん』

『今までありがとう。ここからは僕が頑張るよ』

母の代わりに僕が働いて、家を守ろう。

そう決めた。

次の日、母は死んだ。

事故か事件か、自殺かは分からなかったけど

疲れたのは、人生だったのかも知れない。


ー裏返しー

8/21/2023, 1:33:10 PM

「俺さ、一回空飛んで見たいんだ」

『……なんで?』

「いや…なんかいいやん」

「人間には出来ないことをする感じ……」

『……空ぐらい人間だって飛べるよ』

「そうなん?それって何十年後とかの話?」

『いや……お前だって今からでも飛べるよ』

「まじかよ」

「どうやって飛ぶんだよ」

『…そこの窓開けて』

「……おう」

「で?その後はどうすr」

『……………』

『飛べただろ?よかったな』


ー鳥のようにー

8/20/2023, 3:22:37 PM

さよならって一番嫌いな言葉なんだよな。

一生の別れって感じがするからさ。

女の子ってさよならって言葉に敏感なんだって。

まあ、女の子に限らないと思うけど。

人間はまたねっていう言葉があるくせに

さよならって言いたくなるんだよな。

ほんと不思議な生き物だよ。

さよならって不快感を感じる…よな。

言われた側も……言った側も。

……きっとあいつも………。

……喧嘩別れしたんだ。

それで俺、「さよなら」って…。「じゃあな」だったかな……。

はは……どっちにしろ…最低だったな。俺。


ーさよならを言う前にー

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