ヨルガオ(短編小説)

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「私さ、明日この町、出ていくんだ」

『…ふーん』

「何よ、そのそっけない感じ!」

「心配するとか寂しいとか言えないの??」

『…いや、、』

「サイテー」

……懐かしいな。この砂浜。

昔、君とここで喧嘩したよね。

忘れもしない。君が町にいる最後の日だった。

あの時の僕は、君に会えるのが最後だって…

認めたくなくて、信じたくなくて。

嫌だって言いたかったけど、

言葉が詰まって言えなかった。

『好きだぁー!!!!!!!!!』

思いっきり叫んだ。

届かなくてもいい。聴こえなくてもいい。

何十年経っても、君を想ってるって

この波に乗せて、言いたいんだ。


ー海へー

8/23/2023, 1:25:43 PM