ヨルガオ(短編小説)

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僕の家は、とても裕福とは言えなかった。

毎日生きるのに必死で

母が夜遅くまで働いてくれる。

そのおかげで、学校に通えている。

突然、母がこんなことを言い出した。

「ごめんね…もう疲れたの」

急にどうしたんだろうか。

仕事のし過ぎで、顔がやつれている母。

僕の為に、ずっと働いてくれていたんだ。

『大丈夫だよ、お母さん』

『今までありがとう。ここからは僕が頑張るよ』

母の代わりに僕が働いて、家を守ろう。

そう決めた。

次の日、母は死んだ。

事故か事件か、自殺かは分からなかったけど

疲れたのは、人生だったのかも知れない。


ー裏返しー

8/22/2023, 1:46:18 PM