夜の海。
俺は夜の海が好きだ。
夜は暗いし誰もこない。
海は冷たくて心地よい。
だけど皆、夜の海を嫌う。
何故?
こんなにも心地いいのに…。
耳に流れてくる波の音。
遠くから聞こえる人々の声。
嗚呼、確か皆が夜の海を嫌う理由は
「危ない」からだっけ?
夜だったら地の底が見えないから危ないとか…。
色々あったなぁ。
今日も1人で夜の海にぷかぷか浮かぶ。
あ、空が光ってるよ。きらきらと。
空がいい感じにグラデーションされて、綺麗だ。
今日も心地いいなぁ。
END
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────────────────────────────────────
解説
「俺」はハッキリいって死体です。
夕方の海に友人と遊びに来た「俺」は泳いでいるうちに
溺れて流されてしまいました。
だけど、死んだはずなのに亡霊として海の上でぷかぷか
浮いていました。記憶がなく所謂海の地縛霊的存在。
記憶が無い故死んでいるということも気付いていません
「遠くから聞こえる声」は意味が2パターンあって
1つは海上保安官等が探している声です。
2つは友人達が必死に「俺」を探している声です。
「色々あったなぁ」が過去形なのは無意識のうちに
死んでいると自覚しているという意味で書きました。
「あ、空が光っているよ。きらきらと。」は海上保安官
の船の光等です。決して星ではありません。
そんな綺麗なもの今の日本にはあまり見えませんからね。
「空がいい感じにグラデーションされて、綺麗だ。」は
亡霊でありつつも死ぬ寸前の記憶が少しあるのか
その時見た空を覚えているみたいで視界がぼやけて
いるという意味で書きました。
「今日も心地いいなぁ。」はずっと発見されていない
という意味で書きました。
実をいうと最初はギリギリ生きているという設定に
しようかなと思っていたんですが、最終的に
死体という設定でいつもより短い文章で書かせて
頂きました。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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心の健康。
┌─────────────────────┐
│心の健康状態がとても悪いです │
│ 直ちに落ち着いてください。 │
└─────────────────────┘
「えーあいになにがわかるんだよ。」
少年が1人静かな閉じ込められた部屋で呟く。
「あーあ…死ねなかったかぁ。苦しいだけなら死にたかった。ねぇ、もう起きていいよ。」
今度は煙たい部屋に1人が1つに呟く。
「もう辛いよ…誰も助けてくれない…たかがロボットに
何がわかるのよ…。うそつき」
また今度は静かな教室で濡れた少女が呟く。
「涼しいなぁ」
またまた今度は1歩歩いたら地獄から解放される少女が
呟く。
「えっ……ここ、どこ?」
またまたまた今度は記憶を失った少女が1人病室で呟く。
この世界では全てAIに管理されてるとも過言では無い。
例えばスーパーマーケット等は全てAIが作動している。
ボタン1つ押せば商品が出てき、義務化されている左腕に
付けないといけないスマートウォッチで勝手に決済
される。という仕組み。
勿論農業だって全てAIが管理していて
紙幣と硬貨等という概念はもう大昔の出来事という世界
になってしまった。
ちなみにスマートウォッチは付けていないと罰金どころ
では無い。スマートウォッチを取り外した時点で爆殺
される。後、死亡理由はスマートウォッチに表示される
例えば爆殺だとすると左腕のスマートウォッチに
「爆殺」と表記される。
これらは世界皆共通していることだ。
逆に共通していないのは言語のみになっている。
だが、全てAIに管理されていないのは言語ともう1つある
それは、死亡時だ。
外したら死亡?それは外したらの話だろう?
死亡時というのは簡単にいうと「自殺」だ。
他殺は0と言ってもいいほど有り得ない話だ。
トラックで交通事故で死亡?
AIが直前にトラックの機能を停止させるから無理だ。
飲料に毒物混入で毒殺?
1口飲む前に左腕のAIが察知し腕に死なない程度の
電流を流し飲むのを阻止する。
だけど、1つ2つと現在進行形で解放される道は
いくつかまだある。だが、将来AIは学習しその道も封鎖
されるだろう。が、それは将来の話だからまだ行けるんだ。
それでここまで高性能AIが1つだけ解決出来ない病がある
それは「鬱病」等だ。
心が荒れていたらそれをAIが察知しスマートウォッチに
こう表記される。
「心の健康状態がとても悪いです。直ちに落ち着いてください。」
と。とても笑える。所詮はAIだなと感じる。
所詮はAIだからか知らないが現段階で結構な道がある。
一生解決されないのは「爆殺」だったり。
その理由は外されたくないかららしい。
え?そんなんだったら街中でテロを起こせる?
あー…確かに。考えたこと無かったや。
へー…テロ……ねぇ。有難う教えてくれて。
ふぅん…。──────。
さて、話を戻すと「爆殺」の他にさっき言った「自殺」だ。
高所から飛び降り自殺…薬の過剰摂取で自殺…等々ある
後病の他に解決出来ていない事件がある。
それは「監禁」だ。食料や身の回りの事をすれば
AIにはその判断が出来ないみたいだ。
さて、段々と分かってきたかな?この世界について。
また分からないことがあったらなんでも聞いてね。
え?なんでこんなに教えてくれるのか?
……それはぁ、君に一々説明するのが面倒臭いからだよ
それで質問は以上かな?なら、僕はそろそ「先生〜──はんが呼んでいます!」
……そろそろ行くね。また何かあったら"ナースコール"
で教えてね。直ぐに誰かが駆けつけてくれるから。
え?僕に来て欲しい?…ふふっ嬉しいこと
言ってくれるね。それは自分の運を信じて待っててね。
じゃあ、行ってくるよ。
バタン。
───────────
「あの先生なんでも教えてくれたなぁ…」
少女が1人"病室"で呟く。
どうやら私は"記憶喪失"になってしまったようだ。
現状況把握しているのは私が16歳の少女で
初めての高等学校に向かう途中前代未聞の事件に
あったらしい。その事件というのは「傷害事件」だ。
私はその行き道にバットで後頭部を殴られたらしい。
命があったのはたまたまの幸運らしく、
私でも少し驚いた。
本当に何も覚えていないのだ。この"世界"については。
私はこの"世界のルール"は知らないがその先生が
言っていた"大昔の世界のルール"は覚えているのだ。
そういうと私は所謂前世という記憶を思い出したのであろう。
だから人一倍にこの世界のルールに驚いている。
前世の記憶を思い出したと言っても病室で何も出来ない。
ただ暇つぶしとしてテレビ等を閲覧するしか娯楽は
無いのだ。でも一応私は前世で成人済みなので
閲覧するテレビ番組はニュース系が多い。
結構色々なニュースを頭に情報が入るのが少し楽しい。
だけどやっぱり思うことがある。
前世ではニュースで沢山の事故等事件が放送されて
いたが、今は面白く楽しいニュースしか流れてこない。
それはやはり、先生の言っていた"AI"が関係している
のだろう。
私の記憶喪失が発覚してから大分経ち、先生に
"全くと言っていい程"先生に"会っていない"。
あー…今日も暇だなぁ。
__昨日各地で"爆弾テロ"がありました。
事件を起こした容疑者は皆"自分自身"が爆弾となり
テロを起こした模様です。
主犯格は「プローシュレン教」の教祖である
──氏が前教徒を連れ、各地で爆殺テロを
引き起こした。とのことです。
世界各地での爆発テロにより復旧作業は少し時間が
かかってしまうそうです。
「ふぅん…。使えそうだな。」
END
解説
──氏は私を担当してくれた医師のことでテロを起こせる
という私の意見で教会を立ち上げました。
案外先生の考えに同意するものが多く世界各地で
テロを起こしました。
プローシュレンはロシア語で「過去」という意味です。
世界の過去のAIが良かった人達がテロを起こしました。
私の前世の設定は本当に何も思いつかなくて渋々
現実味の無い話になってしまいました。その件については
本当にすみません。思いついたらまた別の言葉に
変えるかもしれません。
案外AIの設定は俺好みになり良かったです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
また見てくださると幸いです!それではまた別の
テーマでお会いしましょう!!
君の奏でる音楽。
君の奏でる音楽が何時も気持ち悪かった。
そういうのも僕は絶対音感だと思う。
だから、君の奏でる音は何時も気持ち悪い。
普通の人から聴けば美しく虜にして綺麗なピアノだと
思うが僕は違った。
君の1番前の席で、特等席で顔を歪める。
君は演奏後少し悲しそうにするよね。多分僕のせいだ。
でもしょうがない。気持ち悪いものは気持ち悪いんだから
だけどある日君は僕に聴いてきたよね。
「どこか改善点はあるかな!」って。
何時もピアノを弾いているから声は聞かない。
正直言って彼女が僕に声をかけたその声がまるで天使の
ようだった。天使のようにふわふわとしていて
あの、気味の悪いピアノを弾いている人物だとは
思えないほどに。そんな驚いて固まってる僕を
見据えたのか彼女は
「何時も目の前で嫌な顔されて不愉快なの!
私はみんなに楽しんでもらいたい!だから私を特訓して!!」
思わず二度も驚いてしまった。
なんて、可愛らしい天使なんだろう。
僕がこんな悪態を働いたのに彼女は不愉快に思うだけで
それを逆手に取り意見を聞く。凄い人だと思った。
だけどそれは直ぐに地獄に変わった。
放課後、男女が音楽室に二人いる。
__何も起こらない筈が無く
なんて、そんな夢みたいなものは無い。
地獄というのはやはり彼女のピアノの演奏だ。
音楽室に二人というのもあっていつもよりハッキリと
聴こえるその演奏。爪で黒板をきっかくよりも酷い
その音色。彼女は演奏を終え、顔を顰めていた僕に
質問した。
「どこが嫌だった?」
「全部。」
僕は即答した。だって、あまりにも酷かったから。
彼女はショックを受けているようだ。
しょうがない。ひとつ助言してやろう。
「あのねぇ…音楽にも色々あるんだよ。」
「例えば?」
「例えば…こっちの方がわかりやすいか…」
「例えば、何か誤りを犯してしまった人がいるとしよう」
「うんうん!」
「そして、謝罪として土下座を申し込んだ。」
「うん。」
「誤りを犯した人は『すみませんでしたー。』と言い」
「土下座をした。」
「…うん。」
「その次の日に別の誤りを犯した人が来た。」
「そしてまたもや土下座を申し込んだ。」
「その誤りを犯した人は誠心誠意で土下座をした。」
「うん。」
「どっちの方が心が晴れた?」
「…2番目」
「だろう?形だけでも気持ちが伝わらなきゃ
意味が無いんだよ。」
「そっか…つまり言いたいことは気持ちが
篭ってないって言いたいの!?」
「そういうこと。なぁんだ。理解しているじゃないか」
「私は気持ちを込めて演奏してるけど!?」
「それが伝わらなきゃ意味が無いんだよ」と伝えると
彼女は頬が膨れ上がり拗ねているようだ。
でもしょうがないじゃないか。気持ちが
伝わらないんだから。正直言うと君の気持ちは自慢とか
そんな腹黒い類だ。
「どう?私の演奏心地いいでしょ?」
「貴方には演奏できないくらい凄いのよ」
みたいな自慢。「みんなを喜ばせたい」みたいな気持ち
とは程遠い。だから最初は疑った。そこまでして
自分を満たしたいか?って。だけど違った。
分かってしまった。嫌、分からざる得なかった。
_彼女は本能の気持ちに気付いんでいないんだ。
さっきの助言で確信に変わった。
自覚して演奏してたんじゃない。
無意識のうちに本心をさらけ出しているんだ。
まぁ、そんな気持ちが分かる僕も気持ち悪いけどな。
それからというのも彼女との放課後レッスンは続いた。
だけどある日を境に僕の目の前が真っ黒になった。
夏の猛暑に突入した時の出来事だ。
この気温には慣れなくてクラスメイト達も嘆いている。
夏を感じて平和だなぁと感じていてもどこが胸騒ぎを
起こす。不自然というか、何かが引っかかる感じだ。
教室のチャイムが鳴った時、更に胸騒ぎをした。
それは
__あの彼女が来ていない。
というものだ。彼女ひとりくらい来ていなくても
彼女に出会う前は「ただの風邪だろ」程度だったのに
彼女が来ないとここまで心配になる。
そして新たにまた自分の気持ちが確信した。
「僕は彼女が好きだ。」という気持ちだ。
だけどそんな彼女が来ていない。
僕の耳の中か教室に響く、蝉の音。
こんな時に服にベタつく汗。
先生はどこが不安げに告げた。
「──さんは…お亡くなりになられました。」
その先生の一言でクラスはどっと空気が変わる。
まぁ、そんなに愛されていた彼女だ。
亡くなったと言われたら落ち着いて居られないだろう。
まぁ、僕はその中の1人だが。
クラスの誰かが
「な、なんで──さんは亡くなったんですか!」と
感情むき出しで質問する。正直いって有難い質問だった。
だけど先生は違うようだ。少し言いずらそうに答えた。
「…親からの虐待でお亡くなりになられました。」
僕の中でだんだんと確信していくストーリー。
嗚呼、君の奏でる音楽はとても残酷だったよ。
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解説
クラスの中で中心的だった「彼女」はピアノが得意で
誰もが虜になる音色が気に入られていた。
だけど絶対音感だと思う「僕」はその音が嫌いであった
理由は簡単で、「僕」は絶対音感の類には入らず
その絶対音感よりもレベルが各違いで、演奏の気持ちを
分かるようで、「彼女」は親に虐待されていてその不満を
ピアノの演奏で本能がさらけ出していた。
という簡単なストーリーでした。
ちょこっとこだわったポイントとしては途中で「僕」が
『君』から『彼女』へ言い換える時があるんですが
それは「僕」が「君」に異性として見ているという変化を
表したなんとも分かりずらい表現でした。
天使みたいと思ったのはただ単に一目惚れです。
ほら、良く恋は盲目って言うじゃないですか。
それです。最後は「彼女」が亡くなったことで絶望し
好きな子が居なくなったと言うことで最終的には
「君」に変わっていますね。俺は何時もなら大人しめ?
というか全然大人しくもないんですがストーリーの
主人公の年齢によって文面を変えていまして、
その高校生のギャグというかノリみたいな部分も少し
入れて書いてみました。途中眠気が襲ってきましたが
何とかストーリーを終わらせることに出来ました。
なんだかんだ言って40分近く書いていたので是非
今後とも読んでくださると嬉しいです。
ここまで読んでくれて本当にありがとうございました!
────────────────────────────────────
*最後まで読まないとストーリーが分からないかもです
*ぴんく表現あり
*同性愛表現あり
麦わら帽子。
今日私は韓国出身の彼に麦わら帽子をプレゼントした。
韓国出身の彼ならば"意味"を知ってるだろう。
麦わら帽子をプレゼントした時、彼物凄い動揺してたの
でも、その後なんにもなかったかのように
「ありがとう」なんてさ、言っちゃって。
私もビックリしちゃったのよ?なんで?ってなったもの
あれ?私、ずっと彼のこと好きだったんだよ。
何時も言ってたじゃん。え?それは「like」の方?
違うよ。私はずっと"貴方"が好きだよ。
何時も何時も貴方と一緒に歩いた廊下。
何時も心地よかった。何時も楽しかった。
でもさ、ここまでしてくれるってことは期待して
良かったでしょ?なのになんで私が貴方に告白したらさ
断るの?なんで?いいじゃん、別にみんなにバレても
可愛いじゃん。私貴方の為に全部尽くしたんだよ?
ね、いいでしょ?
麦わら帽子。
今日俺は日本の"高等学校"の何時も仲良くしている
"女子生徒"から麦わら帽子をプレゼントされた。
俺の出身国の韓国ではプレゼントの
意味は「抱いて欲しい」というもので、少し動揺して
しまったが、彼女がそんな意味があるなんて
知らないだろうと思い話さなかった。
だからお礼をしっかり伝えた。
「ありがとう」
そしたら彼女は酷く目を見開き驚いたようだった。
でも、直ぐにコロッと表情は変わり一緒に彼女の教室に
戻った。その日は何も無かった。
何も無かったと思ってた。
勿論俺も高等学校の"教師"だからか分からないが
帰るのは勿論毎日のように遅くなる。
今日も疲れきってとぼとぼ家に帰ろうと思った。
そう思ったんだ。誰もいない夜で信号待ちしてると
後ろから足音がした。別に俺と同じで仕事帰りかなと
思ってた。何も不思議じゃないだろう?
だから油断してたんだ。
真夜中の静かな街にひとつの打音がなった。
目が覚めたら真っ黒なモノトーンの部屋に居た。
俺は辺りを見渡した。暫く見ていると分かったことが
何点かあった。部屋は広くも狭くもないし"成人男性"が
余裕で住める広さで何不自由も無い生活が遅れそうな
スペースで"窓は無く"しかも"俺好み"の部屋だった。
だが、パソコンはあるものの電源は入らずなんとも
不思議な部屋だった。ベットなど別室にトイレも
シャワーもありクーラーまである。だが少し恐ろしい。
何が恐ろしいかと言うと"完璧に俺好み"であることと
"普通"に生活出来そうな部屋だからだ。
これ以上の情報は得られなかった。
暫くベットの上で座ってボーとしていると
突然開かずの扉が開いた。
そこには何時も高等学校で
仲良くしている"女子生徒"が居た。
俺は勿論驚いた。でもその後直ぐに彼女に対して恐怖を
覚える。それは彼女の頬に明らかに赤い液体が付いて
いるからだ。彼女は何時も学校で見せてくれる笑顔では
無くて直ぐに分かった。
「嗚呼、この子が俺を殴ったヤツなんだな」って。
この後彼女は俺にマシンガントークをしてきた。
思いもしなかった。俺のことが好きだなんて。
何時も「だいすき」とは言われるが勿論俺は教師で
彼女は生徒。未成年で俺が手を出したりしたら
間違いなく俺はこの街で生きてけないだろう。
そう思ってたから彼女は俺にちょっかいをかけて
いるだけだと思ってた。ずっと「like」と伝えてると
思ってた。でも「Love」の方だった。
そう告げられた時には彼女は俺をベットに押し倒した。
成人男性の俺を呆気なくベットに押し倒すということは
俺は相当ショックだったんだろう。頭が真っ白で何も
動かなかったんだろう。股がった彼女はこう告げた。
「ね、いいでしょ?」と。
俺は勿論何の話かも分からなかった。だけど直ぐに
分かる事だった。彼女は顔を赤くしてそして、
"俺のシャツ"に手を下した。
俺は勿論驚いた。ここに人でも入ってきたり彼女が
警察や親に告げたら間違いなく捕まったり人生が
詰んだりするのは俺だからだった。だけど彼女は
この反応が「照れ隠し」と言っていて意味が何一つ
分からなかった。彼女はまた告げた。
「ここは誰もこないよ」
「ここは私とアナタだけの愛の巣」
意味がわからない。なぜ俺がこのような目に遭わないと
いけないんだ。俺は恥ずかしながら彼女の前で
泣いてしまった。ボロボロ大粒の涙を流して。
彼女は驚いたようだった。
だけど、直ぐに「可愛いね。アナタ。」
…泣き落としは効かないようだ。
少し冷静になって彼女に質問した。
彼女の手で俺のシャツを脱がしている理由を
「これは何をやっている?」と質問した。
そしたら恐ろしい答えが返ってきた。
「何って、"既成事実"」
またもや頭が真っ白になった。
この女子生徒は何を言っている?俺なんかに体を
預けるんじゃない。と言いたいとこだが、実際問題
体を預けてるのは俺の方かもしれない。
少ししたら彼女は服を脱がし終えたようだ。
*
ハッキリ言って俺は女に興味は無い。
俺は"男"の方が好きだ。しかも下の立場。
上はやった事あるが下の方が好きだから下で生きてきた
だから上をやるなんて久々で少し怖かった。
なんて考えていると彼女はぱっと気付いたように
「そっか、アナタってゲイだったね」
俺は驚いた。そんなこと生徒に言わないし同業者にも
勿論言わない。その情報源はどこだ?俺が焦っていると
彼女は「マッチングアプリに書いてあったよね。」と
当然のように言った。俺は「は?」ともなった。
マッチングアプリのアカウントなんて生徒にも
絶対言わないしどう特定したのか分からなかった。
ここまで俺の事を"見ていた"のか?
すると彼女はベットから降り部屋から出ていった。
このまま扉を開けて逃げればいいと思うが彼女は
用意周到のようだ。俺の手足をベットの四方に
ホテルにあるような手錠を付けてから出ていった。
彼女の用意周到さは勿論学校でも知っていたがここで
発揮しないで欲しかった。暫く諦めて待っていると
彼女は何やら男の俺でも引くような「玩具」を沢山
抱えて要らないいい笑顔で「満足さしてあげるね」と
言ってきた。満足したいのは君の方だろうと
口が裂けても伝えなかった。
*
彼女の手に出した透明な少しトロッとした液体を俺の
下腹部の下にかけてきた。少し冷たくてビクッとしたが
この反応でもご満悦のようだ。気持ち悪い。
お気に入りの生徒がこんなんだっただなんて少し
恐ろしかった。なんて考えているうちに俺は十分に
仕上がっていた。彼女はその反応に喜びながら俺の目に
黒い布を被せた。俺の視界には何も映らない。
ただ真っ黒な世界が映るだけ。人は目を瞑るとその他の
5感覚の情報が直ぐに伝わる。
言いたいことは触覚と聴覚が直ぐに脳に伝わるという
事だ。
男の俺が女に声を出すなんて俺のプライドが
許さなかったから必死に声を我慢する。
だけど彼女は手を辞めずに刺激する。
所々声が漏れる。我慢の限界の時に彼女は手を辞める。
俺は間抜けに「……え?」と声を出してしまう。
これだけでも大分の羞恥だがもうさらけ出しているから
何も関係ないだろう。
彼女は一体何をしているのだろうか。
「私この後用事があるから満足さして上げれないかも」
「だから、私の代わりにこの"玩具"で満足してね」
俺は一気に血の気が引いた。
用事?いつまでだ?分からない。
彼女の表情が分からない。恐ろしい。
俺は下腹部の下に違和感を覚えた。これは入ってる。
「やばい。これは本気だ」と。
彼女は全てを付け終えたようで
「…今からスイッチを押すね…?」
俺は全力で首を横に振った。必死に。
だけどあの悪魔は止まらなかった。
ひとつの部屋に甘い桃色の声が響いた。
俺でも驚いた。こんな声が出るだなんて。
俺が驚いているのに驚いているのか知らないが
彼女は歓喜極まりないようだ。
「〜〜!?なにそれ可愛い〜!!」
そんな反応するな。早く部屋から出て行ってくれ。
早く用事を済ませて帰ってこい。早く。
暫くしたら彼女は出ていったのか分からないが
扉の音がなった。その瞬間に俺は我慢していた声を
漏らした。甘い音が響く。
何時間?何分?経ったか分からないがまだ帰ってこない
俺の蜜はもう出ない。もう出ないと思っていてもずっと
でる。げんかい、とっぱしているれべるだ。
扉の音がなった。彼女がかえってきたのかな!
「ぉ、おかっ…ぇり!♡」
「んふ…。ただいま。アナタ。」
麦わら帽子。
ベットの上では明らかに服のサイズがあってない
シャツを着用している成人男性がベットの上で
死んだように眠っている。
もう1人の明らかに未成年の女性がベットと対角線上に
ある壁側に向かった。椅子を持っていき何か
"黒いカメラ"を壁から取り出した。
カメラの情報を確認すると彼女の口は恐ろしい程口角が
上がっていた。
テレビには1人のキャスターが事件を説明している。
__ーー県ーー市ーー区のーー高校の
ーーーー教師が先日から行方不明ということで
事件性ありとのことで警察が捜索中です。
心当たりがありましたら警察にご連絡くださいとのこと
です。……次のコーナーは
上手くいかなくたっていい。
上手くいかなくたってええ。俺だってそうだもの。
上手くいかなくて、何時も叶わない妄想ばかりする。
「俺もアイツみたいに賢くなれるかな」
「俺もアイツみたいに速くなれるかな」
「俺もアイツみたいになれるかな」
努力しても全て土砂崩れのように下から崩れる。
普通はというか世間はそこで諦めたら終わりとか
言うけど、しょうがないじゃん。目の前で
絶望という名の絶壁にぶちあたたって首に手をかけたり
手首に鋭いものを当てたり。
でも臆病だし、ヘタレだし勇気もないから
できないんだよね。ほんと、嫌になる。
こんな俺が君みたいに上手くいかない人に言うのも
なんだけど、上手くいかなくても人生楽しんだら勝ちだ
本当にこの通りなんだよ。人生楽しんだ者勝ち。
死んだ瞬間アウト、ゲームオーバー。
老衰ならば勝利、グットゲーム。君もそんなゲームに
参加しない?まぁ、誰が参加しようと関係ないけど。
ここの注意事項はしょーもない死はアウトだ。
例えば、足を滑らし駅の階段で頭を打ち死亡とかね。
ヤク漬けは別に面白いからいいよ。溺死もいい。
轢死もいい。自分で自分を傷付けたっていい。
途中破棄も別にいいよ。だからギリギリまで
楽しもうね。出来る簡単なゲームでしょう?
できないなんて言わないよね。こんな簡単だもの。
さて、話がそれかけたけど、上手くいかない事も
どんな試練もあると思う。実際俺にもあったし。
だから、辛い時はよく、身内に話せとか言われるかも
しれないけど、俺みたいに全くの知らん赤の他人に
匿名で「助けて」とか相談するのも手の内かもね。
これは強要じゃない。提案だから。
この世を謳歌してね。それではまた、会えたら。