名無していう名前の名無し🍐

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夜の海。

俺は夜の海が好きだ。

夜は暗いし誰もこない。

海は冷たくて心地よい。

だけど皆、夜の海を嫌う。

何故?

こんなにも心地いいのに…。

耳に流れてくる波の音。

遠くから聞こえる人々の声。

嗚呼、確か皆が夜の海を嫌う理由は

「危ない」からだっけ?

夜だったら地の底が見えないから危ないとか…。

色々あったなぁ。

今日も1人で夜の海にぷかぷか浮かぶ。

あ、空が光ってるよ。きらきらと。

空がいい感じにグラデーションされて、綺麗だ。

今日も心地いいなぁ。



END


考察?したい人は下にバッとスクロールしてくださいね












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解説

「俺」はハッキリいって死体です。

夕方の海に友人と遊びに来た「俺」は泳いでいるうちに

溺れて流されてしまいました。

だけど、死んだはずなのに亡霊として海の上でぷかぷか

浮いていました。記憶がなく所謂海の地縛霊的存在。

記憶が無い故死んでいるということも気付いていません

「遠くから聞こえる声」は意味が2パターンあって

1つは海上保安官等が探している声です。

2つは友人達が必死に「俺」を探している声です。

「色々あったなぁ」が過去形なのは無意識のうちに

死んでいると自覚しているという意味で書きました。

「あ、空が光っているよ。きらきらと。」は海上保安官

の船の光等です。決して星ではありません。

そんな綺麗なもの今の日本にはあまり見えませんからね。

「空がいい感じにグラデーションされて、綺麗だ。」は

亡霊でありつつも死ぬ寸前の記憶が少しあるのか

その時見た空を覚えているみたいで視界がぼやけて

いるという意味で書きました。

「今日も心地いいなぁ。」はずっと発見されていない

という意味で書きました。

実をいうと最初はギリギリ生きているという設定に

しようかなと思っていたんですが、最終的に

死体という設定でいつもより短い文章で書かせて

頂きました。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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8/15/2024, 4:30:15 PM