その人との別れは突然ではなかった。
薄々分かっていた。
なのに、私は口に出せなかった。
今も出せずにいる。
出そうとすると喉がキュッと締まり、涙が溢れてしまう。
けど、心の中では何回も、何回も、言ってるんだよ、
本当に、本当に、ありがとう。
そばに居てくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
私のことを愛してくれてありがとう。
失ってからあなたの存在の大きさに気づいた私は本当に馬鹿者です。
そして、何度も何度もおとずれる別れに背を向けてしまう私は愚か者です。
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私の場合人ではなく愛犬、愛猫がパッと思い浮かびました。
別れが訪れることを知っていて、その度に辛い思いをすることを知っていても、その辛さを埋めるにはやっぱり命ある者なのですよね。
自分の手のひらくらいの大きさの小鳥
小さい子供がフゥと飛ばすシャボン玉
木々の隙間を通る風の音
頬を優しく撫でる風
ほんの小さな力なのに、
それは本当に温かく、時には冷たく、私たちを包み込む。
今、私の体はありえないくらいに軽く、誰も私の存在に気づかない。
あれほど望んだことなのに、いざ叶うと何かぽっかりと穴が空いた気分だ。
それに、どこからか聞こえてくるすすり泣く声が
私の頭の中に木霊する。
今更、“ ごめん ”と言っても、その声は届かない。
私の声は風に溶け込み、誰にも届くことなく散っていく。
私の涙は伝うことなく消えていく
まるで、シャボン玉が弾けるように。
その日、彼女は刹那のように過ぎ去った。
昨日までは私の隣で笑ってたのに。
数分前まで私の指に触れていたのに。
彼女は頭から血を流し
不協和音が響いている交差点。
“ごめんね”
彼女の声がうっすらと聞こえた。
少し微笑んでいたが、たちまち体に力が入らなくなった。
心肺蘇生を行っても、人工呼吸を行っても、彼女心臓の音は呼吸の音は聞こえてこなかった。
僕の生きる意味とはなんなのだろう。
そもそも、なぜ人間は生まれてきたのだろう。
何千年、何万年ものとてつもない時間をかけて僕達は生まれてきた。
少しづつ、少しづつ。
単細胞の時から刻まれた、40億年ほどある“記憶”の遺伝子。
奇跡の積み重ね、偶然が必然となり、我々は今も尚この地を歩いている。
人はみな記憶こそは無いが魂の循環が起こっているのかもしれない。
この宇宙、星、世界で考えた時、僕の悩みなど本当にちっぽけな存在だ。
宇宙から見れば世界恐慌なんてきっと歯痒いもクソもないだろう。
きっと、僕たちは本当の生きる意味は見つけられないだろう。
だが、神様のいたずらでも、この奇跡を憎んでも、僕達は存在している。
アリが道際にできた水溜まりの広さを知らないように、僕達は宇宙の広さを知らない。
苦しく、辛く、死にたいと思った時も、本当に世界が滅亡してしまった時も、神様のいたずらなんだ、と思っておこう。
きっと、僕たちのこの存在も神様のいたずらから産まれた不完全な存在なのだから。
僕は昨日弟を殺しました。
20センチくらいある包丁で何度も何度も刺した。
弟は暴れていたので何度も殴り大人しくさせた。
弟は毎日変なことを呟き、発狂し、暴れ、僕は何度も骨をおり、僕の大好きな家族を傷つけます。
そして、弟は最近、僕が大事に育てていたカブトムシを殺しました。
それが許せなくて、許せなくて、殺しました。
お父さんもお母さんも喜んでくれると思って、2人の結婚記念日に殺しました。
なのに、どうして、そんな顔をするの?
なんで、僕の頬をぶったの?
ねぇ、なんでよ。
なんで?
僕は、あんな弟より劣っていたってことなの?
なんで、2人とも泣くの?
なんで、喜んでくれないの?
なんで、僕に謝るの?弟に謝るの?
あぁ、僕の大事な家族をこんなことにした弟は、やっぱり許せない。