谷折ジュゴン

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9/15/2024, 1:03:43 AM

「命が燃え尽きるまで」

明るく激しく燃え上がることもなく

ずっとくすぶったままでいいかもしれない。

ふとした時の赤々としたきらめき。

そのぬくもりを感じることができたら

それだけで十分だ。

9/10/2024, 2:14:26 PM

「喪失感」

ある日、ある時、突然に心が凍る。

大きく分厚く濁った氷の中には

絶対零度の感情が詰まっている。

氷が全て澄んだ涙になるまで

長い長い時間がかかるだろう。

その時間は空白のような感じがする。

だけど、少しずつ氷が溶けて

まわりが見えるようになったら

涙を悲しみを昇華してしまおう。

8/26/2024, 2:46:41 PM

「私の日記帳」

日記に憧れて買ったはいいが書くことがない。

○月○日 今日は日記帳を買った。うれしい。

○月△日 今日も日記を書いた。明日も書く。

○日□日
今日まで日記を書けた。
なんだか面倒になってきた。

○月○○日 もう日記をやめることにする。

私の日記帳はこんな調子である。
だから、買うだけ無駄なのだ。

8/26/2024, 9:58:28 AM

「向かい合わせ」

正面から人に見られると

試されているような気がする。

体が石のようになって

言葉が喉にひっかかる。

言いたいことはいっぱいあるのに、やるせないな。

8/23/2024, 12:09:07 PM

創作「海へ」

お盆の昼下がり。海へ散歩に向かうと海月が沢山、海面を漂っていた。海月は幻想的な生き物である。 だからつい、想像したくなってしまうのだ。

静かな夜の海で生を受けた海月は、穏やかな波をゆりかごに、蝶よ花よと育まれる。そして、うつろいゆく空模様に翻弄されることもなく、広く厳しい海原をのらりくらりと揺蕩う。

それから、真っ白な砂浜に打ち上げられて、 裏返しになった体を波に洗われながら、ここまで生きられた誇らしさをそっと噛みしめる。最期には、さよならを言う前に影も形もなく消えゆく。

時にはつまらないことでも真剣に考えるのも悪くない。ゆったりと漂う海月たちを眺めていると、そう思えた。それが、ありがたいと思ったのだった。

明日、もし晴れたらまた海に来よう。わずかに秋の空気を含んだ潮風をあとにして、のんびりと帰路に就いた。

(終)

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