谷折ジュゴン

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「航海」 ※「わぁ!」

冬晴れの大海原を行く船の羅針盤は、常に僕らの夢へと向いている。風のいたずらで起こる大波、突然の大嵐。僕らを包む森羅万象の一つ一つが、新たな進路を広げてくれる。

時に、仲間に嫉妬し、敵が現れ、憂鬱という名の先が見えない手のひらの宇宙をさまようこともある。どうか、その時は星のかけらの光を頼りに、無音の暗闇を抜け出して。願わくばあの夢のつづきを思う、君の姿を見せて欲しい。 それが無理ならば、今は瞳を閉じて動く力が戻るまでゆっくり休んで。

しかし、君は長い旅路の束の間の休憩に焦り、港に止まった船を見ては自分を責め、悩むだろう。何度も明日へ向かって歩く、でもまだその時ではない。向かい風に君は転び、迷子の羅針盤はぐるぐると狂う。やがて日の出が訪れる。海面は凪いでいる。

わぁ! 追い風だ、今こそ帆を上げろ!

これまで流した透明な涙をそっと拭い、
力を込めて舵輪を握る。
後は、古今東西どこへ舵をきるのかは君の自由だ。
手にした未来への鍵に合う宝箱を探すのも良い。
幸せとは何か追い求めるのも悪くない。

僕の言葉が、君へ届くかどうかわからない。だけど、僕はまだ見ぬ景色を目指す航海の仲間として、ただひとりの君へ終わらない物語を紡ぐよ。

1/26/2025, 11:18:02 PM