凍てつく星空はとても美しいが、わしには寒すぎる
わしはこの世の厄払いをするために、褌一枚で深夜の雪原で祈りを捧げておる
一晩中、日が昇るまで続けるのだ
……正直に言おう
祈りなんて捧げておらん
寒すぎてとっとと帰りたい
わしは老師と呼ばれ慕われているんだが、世は国際的に色々大変なことになっているので、立場上、なんとかせねば!と軽い気持ちで言ったのだ
実際なにか行動に移す気は全く無いのに
そしたら、さすがは老師様!とかみんなが盛り上がってしまって
では寒中の祈りをなされるのですね!と、わしがなんにも言っとらんのに勝手に話を進めおった
わしは慄いた
この老体でそんな真似をしたら死んでしまう
まさしく年寄りの冷や水
こやつらは一体なにをほざいておるのか
そんなのは自分でやれ
そう思ったのだが、期待の視線が重くてな
拒否できずに今に至る
それにしてもいつになったら日は昇るんだ
だいぶ長い間待っているんだが
わしは世界のためではなく自分のため、早く朝になってくれと祈った
なぜわしがこんな目に合わねばならん
わしにこんなことをさせた連中は今頃、ベッドの中でぬくぬくと夢を見ているのだろうな
憎たらしい!
ああ、だが澄み切った星空は綺麗だな
なんだか星がだんだんと近くなっておるような
体が軽いような
……いかんいかん、危うく昇天するところであったわ
もはやわしの肉体も精神も限界だ
祈りなぞ知ったことか!
恥も外聞も誇りも捨ててわしはもう帰るぞ!
家でシャワーを浴びて、コーンスープで体を芯から温めるのだ!
誰だ、寒中の祈りなどという狂った儀式を考えたやつは!
人を殺す気か!
一度こういうのやってみたかったんだよね
なかなか共感してくれて、なおかつ同じ趣味をもつ人と出会えなかったから、願望はあったけど、正直諦めかけてた
でも奇跡って起こるものなんだなあ
君と出会えてよかったよ
こんなに、今までにないくらい楽しく設定を考えられたのも、君のおかげ
ひとりじゃとても思いつかないことも、ふたりのアイディアがかけ合わさったら生まれてきたし
お互いいい刺激にもなったんじゃないかな
私が何気なく話した、同じ世界観で別々の話を誰かと書いてみたいっていうのを聞いて、じゃあやろうよって言ってくれた時、信じられなくて一瞬何を言ってるのか理解できなかったよ
だけど、何秒か経って言葉の意味を理解したあとは、嬉しさがこみ上げてきたんだ
本当に、ありがとね
ああ、うん
そうだよね
終盤のノリだけど、まだ世界観とかを大まかに作っただけだもんね
これからが本番だった
それぞれが設定に即した内容で、お互いの物語のすり合わせをしながら、矛盾やミスに気をつけて書いていく
大変だけど、きっとすごく楽しいんだろうな
君と紡ぐ物語
それがどんなものになるか
考えただけでテンションが上がっていく
完成を目指して、一緒に楽しく頑張っていこうね
ホゾノ語は失われた響き
話せる者も、今となってはごく少数だ
そう遠くない未来に、ネイティブ話者はいなくなることだろう
我々ホゾノ族がかつて使っていた言語には、現在使う言語では一言で言い表せない意味の単語がある
それは、「パツォヤーナ」
意味は、「利き手でない方の手」
現在使っている言語では他に、難しい方の手、馴れていない方の手、などと表現する
なお、利き手は「ヌソヤーナ」
ヤーナが手を意味するのだ
ホゾノ族の使う言葉が変わりつつあった時、我々の先祖は面倒くさい、不便だと思ったらしいが、そもそも、当時すでに利き手でない方の手を話題にする場面があまりなかったため、結局は別にいいかとなったらしい
かつてのホゾノ族にとって、利き手は神聖なものだった
そして利き手でない方は補佐としての役割である、とされた
ヌソはホゾノ族の神の名だ
パツォはその神を補佐する精霊の王の名
そして、左利きの人間は神に選ばれし者として大切にされたのだという
左利きは割合が少ないから、特別視されたのだろうな
ヌソは左利きと言われているのだが、それもそういったところから来ていると考えられる
利き手が信仰上重要だったからこそ、逆の手も単語があった
だが時が経ち、信仰も薄れ、利き手も重要性が下がった
だからパツォヤーナを使う機会も減っていたのだ
行わなくなった儀式も多く、残った儀式も今ではちょっとした祭りとして楽しむのみ
当時を知らないとはいえ、ホゾノ族として少し残念ではあるが、時代の流れというのはそういうものなのかもしれない
私も古い言葉は話せないしな
ただ、ホゾノ語を話す者がいなくとも、言語を何らかの形で後世に保存できたらと思う
そのためにも、話者や研究者と協力してホゾノ語の全てを記した文書を形にしたい
なんて気分のいい朝だろう
この季節にしては、寒くない目覚め
私はワクワクした気持ちで布団を出た
今日は休日
特に大きな予定は入れていない
家の中で気ままに過ごすつもりだ
けど、別にそれが楽しみなわけじゃない
いや、マイペースな一日は楽しみだ
楽しみではあるものの、それを超えるほど楽しみなことが朝にある
こんなこと、そうそうできない
でも今日はやる
とてつもなく贅沢なことをやる
今までやったことがないような、リッチ体験!
今日は紛うこと無き、祭りの日!
今日決行するぞと決めた日から、待ち遠しかった……!
その心理的に長い日々も終わり
そうです
そうなんです!
いよいよ始まってしまうんです!
こんな素晴らしいことがあっていいのか
いいに決まってる!
なぜなら頑張ったから!
大変なことを乗り越えたから!
頑張った人間にはご褒美が絶対に必要
それでまた頑張ろうと思える
そう、今日は霜降る朝
朝っぱらから!
A5ランク牛の、霜降り肉ステーキを食べるんだー!
ヒャッホー!
怒りの感情を持ったとて
それを即座に外へ解放してしまうのは、絶対に避けるべきだ
まずは深呼吸
体の深呼吸とともに、心の深呼吸も行う
そうすることで怒りの感情を落ち着かせ、冷静な判断ができるようになる
その場の勢いやノリで行動してしまうとあとで激しく後悔するし、自分自身を傷つける結果になるだろう
アンガーマネジメントとは、人からいつもの冷静さを奪い去る怒りの爆発を、様々な方法で鎮めるとても便利な手段なのだ
怒鳴り散らさずに済む
罵倒せずに済む
拳を振り上げずに済む
相手の掌で転がされずに済む
冷静さを取り戻すことで開かれる道があるはずだ
自分の中の燃えたぎる怒りを感じたのなら、心の深呼吸をしてやり過ごそう
間違っても、怒りの流れに飲み込まれてはいけない
自分を守りたいのなら、怒りから一旦離れよう
それが円滑に物事を進める秘訣のはずだ
……それはそうと、きのこ派を見下すようなたけのこ派は即座に怒りの鉄拳も許されるよね?
え?
たけのこ派も同じことを言ってたって?
よし、戦争だ