大空
晴れた日の朝、木々が眩しく揺れた。
雲ひとつない空を見るとあの冬を思い出す。
熱を失してゆく躰。
この世界を離れて飛び立つ姿。
今も忘れずにいる。
私の奥深くに、ずっといる。
晴れ渡る空は美しいのに、悲しい。
この手放せない思いが、今も心を震わす。
ずっと、ずっと。
今も私はあなたに夢中だ。
とりとめもない話
私はなぜ生きてるんだろう。
なぜ、こんなにも生にしがみついて生きているんだろう。
物心ついた時からそう思っていた。
何かを守ったりすることが生きる意味だと思った時期もあるけど、物質的なものは全て壊れて、新しいものが生まれていく様を見つめていた。
悦びに満ち溢れたり、絶望をしたり、それを繰り返し生きている。
今日も生きる意味を探してるけれど、それを探すことが生きる意味なんだろうか。
泣きながら、笑いながら、何かを感じることそのものこそが、生きる意味なんだろうか。
そんなとりとめもない話を誰かにすることはきっと無い。
けれど、せめてここに書き記すくらいは許されてもいいだろう。
雪を待つ
降り積もる雪と一緒に舞う君。
君の髪とまつ毛に雪が積もって、いつもより眩しく見えた。
互いにふっと笑いながら、手を取った。
降り積もる雪は、この大切な愛すらそっと匿ってくれているようだ。
雪を溶かすほどの熱を胸に秘めたまま、二人は雪に包まれながら遊んでいた。
私たちは、溶け合い交わっては、春にそっと流されてゆく。
そしてまた冬を待つ。
いつまで繰り返せるだろうか。
降り積もる雪のように、心に募ってゆく。
(先日のお題の投稿を忘れたため、投稿します。)
ー何でもないフリー
私の片想いは、今日、突然終わりを迎えた。
この頃、ゲームを一緒にやりながら通話をしている彼。
恋のことや、旅行や飼い猫のことなど、色々話すが、確信をついた話をしない仲だった。
彼を知り始めたばかりなのに、何故か心惹かれる気持ちが止まらない。
そして今日、突然告げられた。
「実は俺、嫁が居るんだよね。」
いつも彼は、猫が恋人だなんて言ってるから、どうせふざけてるだけだと思った。
猫が恋人って…。前に言ってたのに。
そして、
私はもう既に、貴方に恋をしてしまったのに。
その後何を話したかは覚えてない。
私はただ、何でもないフリをしながら、笑ってた。
冴えない頭で、『また遊ぼう』、と言って通話を切った。
電話を切った途端、滝のように涙が溢れた。
ああ、
私の恋、終わっちゃった…。
こんなに大切に温めていた想いも、こうして突然終わりを迎えるんだ。
『恋』ってこんなに痛かったっけ。
だけど、それでも好きになれたことに意味があるのだろうか。
せめて、あの瞬間、彼の前で泣かなかった健気な自分を褒めよう。
結局、どれだけ涙を流しても、明日が来ることがわかっている。
この『失恋』は、私をステップアップさせてくれるんだろうか。
そして、私は私の中に誓いを立てた。
決して、彼を私の傷として扱わないことが、私の心の強さの象徴になるだろう。
だから、今は何でもないフリをして強く生きていく。
君を愛させてくれて、心からありがとう。
どうか、私の知らないところで幸せで居て。
光と闇の狭間で
彼が歩く道は、眩しいほどの光が当たっている。
光が強いほど、影は遠くへと伸びていく。
光と影が交わるところに、いつも彼は立っている。
いつだって、隣り合わせの光の世界と闇の世界に行ける。
そんな希望や危うさを抱えて人は生きていると思う。
彼には、思わず笑みが溢れてしまうほど幸せな日があり、
地獄の淵を掴んで溺れそうな夜があるのだろうか。
彼はその両方を、平然とした顔で背負っているような気がする。
光と闇のコントラストが深いほど、魅了されていく。