NoName

Open App
6/13/2025, 12:42:26 PM

【君だけのメロディ】

君の、さらっとした髪が
そよぐ風に揺れながら
君は口ずさんでいる

それは
君のための、君だけの歌

少しくたびれた
Tシャツを着ながら
それを着こなすみたいに
自然に歌う

君は、時々
不安で怖くなる日があると言う

そんな気持ちさえ
包み込むように
そのままの君が
感情と魂を音にしている

君の歌は、君の人生だ

君の不安も、恐怖も
そのすべてが尊くて
君である印のようだ

僕には、君をすべて包むことは
難しいけれど

君の歌を、讃えたい

この歌は
君の人生であり
君の道である

どうか、
どんなメロディも
どんな感情も
そのまま、ありますように

6/7/2025, 10:31:43 AM

【夢見る少女のように】


時計が0時を指して
夢を見る

君と私で
夜明けまで踊ろう

現実が隔てた私は
ベッドに置いてきた

君と調和する
ミルクティーのように
やさしく溶け合って

いつからか
忘れてしまっていた
ふたつの童心が目を覚ます

君と私なら
踊り続けられる

リズムに合わせて
僕らは口ずさんだ

やがてこの時が終わることも
わかっていながら

永遠に回り続けていたいと
僕らは願っていた

6/6/2025, 11:15:20 AM

【さぁ行こう】


梲が上がらない
変わり映えのしない僕

通気口のない
密室のような日々

初夏の朧げの月が
僕に囁いている

君の声が聞こえなくなって
3ヶ月

寝静まった頃に
いつも君は踊ろうと言う

君をなくさないと
あの日誓ったのに

また君と踊りたい
冥土の土産も要らないだろう

今すぐ君に会いたい

今すぐ君に会いたい

だから 今夜
この世界の僕と別れを
君との再会を

6/2/2025, 7:16:23 PM

『傘の中の秘密』

雨粒が傘から滴り落ちる
アルコールを右手に
傘を左手に
真昼の緑道を歩いた

仕事を辞めた私は
昼間からお酒を
喉へと流し込んでいる

汗ばむ長袖と
首筋を伝う汗に
季節の移ろいを感じていた

生きる理由とか
生きがいとか
今はもう、わからない
わからないから、辞めた

まるで行き場を失ったみたいだった

空っぽの胃に
アルコールを注ぎ込む
それはきっと、自傷に近くて
思わず鼻で笑った

こんなふうに
感情に浸かっている
どうしようもない私を
雨が洗い流してくれる気がして

傘越しに空を見上げた

本当はきっと
世界はもっと広いのかもしれない

でも私は
濡れたビニール傘越しにしか
世界を見られない

それが私のすべてのように感じて
少し、切なくなった

もし、晴れたなら
今より遠くへ行けるだろうか

傘の中で
なぜか涙が溢れて
アルコールを持つ右手の袖で
そっと拭った

この感情は
私だけの秘密でいい

もし、願ってもいいのなら
次は、美しい場所へ行きたい

私は、
本当はもっと幸せになりたい

泣いて、笑って
感情のままに生きていたい

そんな思いが溢れ出して
涙が止まらなかった

どうか今だけは
好きなだけ、泣いていたい

雨音が静かに
私の泣き声を掻き消した

5/18/2025, 10:40:57 AM

【まって】


君からの連絡が途絶えた

私からも連絡はしなかった

いつか終わることはわかっていたし
君との終わりに怯えてた

もう怯えなくていいから
ホッとしてしまう

可笑しいな

なぜか私の胸には

愛おしい
会いたい
話したい

…可笑しいな

思ってたより
終わりを迎えるのが早かった

苦い、酸っぱい、苦しい

まだ、引き止めたい
心は君に向いてる

今更、「まって」
なんて図々しく
言える私なら
君に愛されていたのかな

Next