『1年間を振り返る』
この1年は後悔の1年、失敗の連続の1年
辛いことのほうが多かった
闇雲にはしってた1年でもあった
でも来年に向けて種は蒔いた
芽吹くまで後少し
悪い年越しの次は良い年と信じよう
今年もお疲れ様でした
END-名も無き小説家-
『みかん』
寒い日が続く
ぼくはコタツに入りながらテレビをみていた
すると自宅にチャイムが鳴り響いた
コタツから出たくはなかったけど
仕方なく重い腰を上げて玄関へ向かった
ぼくは自宅のドアを開ける
幼馴染が小さい段ボールを抱えて立っていた
「これ、うちの母さんが持っていけって」
その段ボールの中にはぎっしりとミカンが入っていた
「寒いから早く中に入れなさいよ」
そう言いながら彼女は家に入っていった
まだ返事もしていなんだけども…
「コタツ暖かい」
リビングへ戻ると彼女は既にコタツの虜になっていた
「暖かいお茶よろしくね」
そう言いつつ彼女はミカンを剥き始めた
ぼくは一言返事をし、お茶を沸かしはじめた
「おばさんたち、大晦日には帰ってくるのよね」
両親は海外へ出張中で家にはぼく一人でいる
たまにこうして幼馴染がやってくる
「大晦日には帰ってくるって今朝連絡があったよ」
「そう。なら何時も通り私の家で年越しパーティね」
毎年になると幼馴染の家でパーティをしている
両親と彼女の両親が同級生らしい
「はい、お茶どうぞ」
「ん。ありがとう」
ようやくミカンにありつけれる
ぼくはミカンを一つ手にとり剥きはじめた
甘くて美味しい
ふと横に視線を移すと彼女が頭をぼくの肩に乗せてくる
寝息を立てながら気持ちよさそうに寝ている
ぼくは気にせずそのままミカンを食べ続けた
END-名も無き小説家-
『冬休み』
今朝からやけに騒がしい
子どもたちの無邪気な声がする
カレンダーの日付は12月21日
長いようで短い
子どもたちにとって
嬉しいひとときだろう
そう思いながら
ベランダで煙草に火をつける
息をゆっくりとはく
オレも勝手に冬休みにして
温泉にでも癒やされにいこうかな
なにせ自営業だからな
急いで煙草の火を消し
店に臨時休業の貼り紙をはった
旅支度を整え
荷物を抱えて駅へと向かう
まずは有馬温泉からいくとしますか
俺はウキウキしながら電車に飛び乗った
END-名も無き小説家-
『手ぶくろ』
季節は冬になり
日を追うごとに寒さが増してくる
風は冷たく
僕はジャケットのポケットに手をいれる
そろそろ手ぶくろをしないと
そう思いながら僕は早足で家に帰る
ばあちゃんに編んでもらった
手ぶくろをタンスから引き出した
成長するたびに新しい手ぶくろを編んでくれたよな
ばあちゃんは僕が大学を卒業してすぐ病で亡くなった
今でも手ぶくろは大事に使っている
とても大切に
さて買い出しに出かけようか
今日は一段と冷え込むし鍋だな
僕は手ぶくろして家を出た
赤く染まる夕暮れ時の空を見上げた
ありがとうな婆ちゃん
END-名も無き小説家-
『変わらないものはない』
変わらないものを
僕は探している
君と出会ったあの日のように
いつも歩き慣れた道は
変わることもなく続いてる
君は変わらずに居てくれるだろうか
僕はまた君に会いたい
そう思うと自然と体は走りだしていた
変わらいものなんて存在しないさ
景色も人も時間も
めまぐるしく変わってるんだよ
探しものを見つけに行こう
また会えると信じて
END-名も無き小説家-