『クリスマスの過ごしかた』
みんなはクリスマスをどう過ごしているのだろうか
俺は特に予定もなく夜遅くまで仕事をいれているよ
恋人も居なければ親しい友人もさほどいない
仕事終わりにケーキとチキン買って一人で食べてる
ビールもしっかりと買ってるよ
でも寂しさは埋めれない
紛らわすために俺はBARへといつも出掛けているのさ
クラシックやジャズが流れているオーセンティックバー
とても心が落ち着く
注文する飲み物はもう決まってる
以下の通りだ
1杯目 ジントニック
2杯目 ギムレット
3杯目 バーボンをストレートで
4杯目 ゴッドファーザー(バーボンベース)
いつもこの流れになる
たまに1杯目から3杯目の飲む種類は変えることはある
4杯目に至っては変えることはない
シメのお酒でもある
それを飲み終えるとチェックして店を出る
あとは、帰路につくだけさ
これが俺のクリスマスの過ごしかたさ
END-名も無き小説家-
『イブの夜』
月明かりに照らされた夜道を一人歩く
街は21時を過ぎても賑わいをみせてる
今日は12月24日、クリスマス・イブである
帰宅中に立ち寄ったコンビニでケーキとチキンを買った
もちろん二人分を買った
マンションに着き俺は「ただいま」と言った
無論、返ってくる返事はない
それもそのはずだ
妻は病にかかり去年の冬、天国へと旅立ったのだから
俺は、先ほど買ってきた物をテーブルに並べた
毎年こうしてイブの夜を一人で過ごしている
妻の家族からは「新しい家庭を持ってもいいんだよ」と言われているが、そんな気もおきない
裏切るようで切り替えることが中々難しい
今の俺には到底できない
そう言えばあいつは昔から切り替えが早かったな
それにウジウジするような性格でもなかった
情けないかもしれない
もう少し君のそばにいさせてほしいと俺は願う
感傷に浸っていると視界がボヤケてきた
ブラックアウトしそうだ
すると声が聴こえた気がした
「メリー・クリスマス」
時計の針は0時ちょうど
イブの夜は終わりクリスマスの日付へと替わる
END-名も無き小説家-
『プレゼント』
プレゼントを貰ったのはいつ以来だろうか
仕事に明け暮れ、友人とは距離をおき、恋人の一人も作らずに毎日の日々を過ごしている俺にとっては今更貰っても嬉しくもなんとも思わない
唯一、会社の上司が大学時代に仲がよかった人だけだ
そんな上司からプレゼントを渡された
才色兼備でクールでスタイル抜群彼女は男性社員や女性社員から慕われていおり全社員憧れの人でもある
学生時代もめちゃくちゃモテてたなと思いつつプレゼントを受け取った
さっそく袋をあけてみると中にはサンタクロースのコスチューム一式が入っていた
何でサンタクロースのコスチュームなのだろうか
俺は一瞬戸惑った
どうやらコレを着て娘さんにクリスマスプレゼントを渡してほしいそうだ
そう言えば彼女は結婚はしていないが娘がいる噂を聞いたことがある
何でも最近になってから孤児院から引き取ったとか
毎年クリスマスプレゼントをバレない様に渡そうとしているがサンタクロースじゃない事がバレてるらしい
何はともあれ俺はその依頼を受けた
今日は仕事が早く終りこれから上司とクリスマスプレゼントを買いに行くことになった
誰かと一緒に街に出かけるのは学生時代以来でしかも異性となれば少し緊張する
そう思っていたら行きなり腕くまれて満面の笑みで出発と言い街へ出かけていく
流石にこれはと思い伝えると「好きな人以外にやるわけないじゃんバカ」とのこと
今頃、俺の顔は真っ赤であろう
もどかしい空気の中、俺達はプレゼント選びに没頭する
そこで俺は目を覚ました
久しぶりに長い夢をみた
俺は、上司であった彼女にプロポーズされ結婚をした
今は娘2人とクリスマスケーキを買いに行っている
寝坊した
そうそう、あの後プレゼントは無事渡せたんだよ
娘には危うくバレそうになったが何とか持ちこたえた
あの後、色々とあったがそれはまた気が向いたら語るよ
では、よいクリスマスを
END-名も無き小説家-