雨谷リツキ

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6/19/2024, 2:44:05 AM

落ちる、落ちる、落ちていく。
どこまでも、どこまでも。

落ちた先に、何があるかはわからないけど。
落ちていく、どこまでも。

そろそろ落ちるのも終わりかなと思ったら、
不意に身体が軽くなって。
ふわりと、落下速度が穏やかになった。

ふわり、ふわり、落ちていく。
そろそろ底かな? 見えてきた。

落ちた先で、待っていたのは君だった。
君の腕の中に、すっぽり収まる。
ずっと待ってたんだよ、と君は笑う。

ああそうだ。
君に会いたくて、僕はここに飛び込んだんだった。
記憶だけ、先に抜け落ちていたみたい。

待たせてごめんね、もう離れないから。
そう言って、君をぎゅっと抱きしめた。

6/18/2024, 2:22:19 AM

未来は何色をしているのだろう。
空を見上げ、ぼんやりとそんなことを考える。

明るい色なのか、暗い色なのか。
その人の捉え方によっても違うのだろうけれど。

頭上で輝く太陽のように、
どこまでも続く空のように。

眩しくて、希望を感じられる色がいい。
そう思いながら、空の先へ手を伸ばした。

6/8/2024, 3:14:06 AM

世界の終わりに君と、
終わりに抗うのも悪くはないと思った。

何より君が、それを諦めていなかったから。
だったら僕も、それに手を貸すだけ。

君と一緒なら、
どんな終わりを迎えても、きっと納得できるから。

僕は最後まで、君の隣にいるよ。

6/6/2024, 12:24:23 AM

誰にも言えない秘密を、
君にだけ、
君になら、
教えてもいいと思った。

君に責任を負わせてしまうことになるけれど、
君ならきっと、
それを重荷には思わないだろうから。

ずるい真似をしていることはわかっている。
けれども、そうまでしてでも、
君を僕のもとに繋ぎ止めておきたいと思ったから。

それを知ったら、君は怒るかな。
それとも、変わらず僕を愛してくれるかな。

5/31/2024, 2:33:27 AM

『終わりなき旅をしよう!』
にこやかにそう宣言し、彼女は旅立っていった。

本当にあちこちを旅しているようで、
旅先から近況を報告してくれたり、
たまに帰ってきてはお土産をくれたり。

そんな彼女が眩しくて、少しだけ羨ましくて。
今度の旅は一緒に連れていってくれる?と、
思わず尋ねてしまった。

彼女は満面の笑みでこれを快諾。
いたずらっぽく笑って、
『これは二人だけの秘密だよ』と、
きっと彼女しか知らないであろう、
彼女のお気に入りの場所へ連れていってくれた。

一緒に旅をしたこと、
彼女と秘密を共有したこと。
それが嬉しくてたまらなかった。

そうして、彼女は僕に尋ねる。
あの日と同じ、にこやかな顔で、

『君も一緒に、終わりなき旅に出るかい?』

僕も彼女に笑顔を返す。
そうして、迷いなく彼女の手を取った。

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