『終わりなき旅をしよう!』
にこやかにそう宣言し、彼女は旅立っていった。
本当にあちこちを旅しているようで、
旅先から近況を報告してくれたり、
たまに帰ってきてはお土産をくれたり。
そんな彼女が眩しくて、少しだけ羨ましくて。
今度の旅は一緒に連れていってくれる?と、
思わず尋ねてしまった。
彼女は満面の笑みでこれを快諾。
いたずらっぽく笑って、
『これは二人だけの秘密だよ』と、
きっと彼女しか知らないであろう、
彼女のお気に入りの場所へ連れていってくれた。
一緒に旅をしたこと、
彼女と秘密を共有したこと。
それが嬉しくてたまらなかった。
そうして、彼女は僕に尋ねる。
あの日と同じ、にこやかな顔で、
『君も一緒に、終わりなき旅に出るかい?』
僕も彼女に笑顔を返す。
そうして、迷いなく彼女の手を取った。
5/31/2024, 2:33:27 AM