【たまには】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/4 AM 10:00
「お休みの日、ゲームばっかりだから
たまにはDVD鑑賞しようかな~と思って、
『鬼滅の刃』を持ってきてみたよ!」
「何回見直すのよ」
「何回見ても楽しいから仕方ないよね。
4月から第3期も始まるみたいだし、
おさらいしとこーかなって」
「まぁ、別にいいけど。
よっぽど気に入ってるのね」
「宵ちゃん。お兄ちゃんが妹のために
物凄く頑張るお話しが、わたしのツボに
ハマらない訳がないと思わない?」
「そんな主張をされてもね」
「他にも暁が何回も見直したくなる
作品ってあるのか?」
「うん、あるよー、真夜(よる)くん。
まだ2人には見せてなかったけど、
『ACCA13区監察課』は、
実はかなりお気に入り」
「どういうところが?」
「ニーノのジーンへの思いが
半端なく強過ぎるところ。
あとジーンの妹の
ロッタちゃんが超可愛い」
「……なるほど」
「(つまり、兄と妹が出てくるか、
思いが突き抜けてるキャラがいると
ハマるのね……)」
【大好きな君に】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/3 PM 0:20
「昨日の夜もあっという間に眠れたよ。
ありがとねー、天明(てんめい)くん」
「ん? お礼ならもう昨日聞いたぞ?」
「みんなから貰った安眠グッズが良過ぎて、
何度でもお礼言いたくなっちゃうんだよ~」
「はは、そんな風に思って貰えるものを
プレゼント出来たなら、良かったよ」
「……あ! ところで、天明くんの
お誕生日はいつなの?」
「俺か? 11月11日」
「おー。1並びで覚えやすい!
でも随分先だねぇ。
ちなみに、宵ちゃんと真夜(よる)くんは
7月7日だよ」
「2人の誕生日も、七夕で覚えやすいな」
「うん。今から誕プレ選ぶのが楽しみ」
「気が早いわね」
「宵ちゃんのツッコミも早いけどね!
……だって、プレゼントを選んでる
時間って、大好きな2人のことを
延々考えてる時間なんだよ。
こんな幸せなことはないでしょ?
ね、真夜くん」
「……そうだな。宵、オレも、大好きな
キミに何を贈ろうか、思いを巡らせて
いる時がとても幸せだよ」
「……っ、あのねぇ……!」
「あ、天明くんがめちゃめちゃ笑ってる」
「……いや、悪い。いつも通り仲が良くて、
聞いてて本当に和むんだよな」
「わたしの大好き攻めと真夜くんの
シスコン全開モードを見て和めるとは、
天明くんもすっかり馴染んだね~。
宵ちゃん、照れなくて大丈夫みたいだよ」
「照れてたのか?」
「うーん、でも3人だけでいる時は
照れたりしないもんねぇ。
どっちかっていうと、好きが強過ぎる
わたしや真夜くんが変に思われたり
しないか心配なのかも」
「変?」
「……ふふふ。天明くんはいい人だねぇ。
ね、宵ちゃんもそう思うでしょ?」
「……もういいわ……」
【ひなまつり】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/3 AM 8:00
「♪お内裏様とお雛様
二人並んですまし顔♪」
「……その歌、本当はおかしいらしい」
「え? そうなの? 真夜(よる)くん」
「『お内裏様』が男雛と女雛、
両方のことを示す言葉らしいから」
「え」
「『お雛様』も雛壇の人形全体のこと
らしいわよ」
「ええええ」
「まぁ、これだけ広く浸透してる歌を
今更間違ってるって言われてもって
感じではあるけどね」
「そうだよー! 今更言われても困るよ!
ずっとお内裏様が男雛でお雛様が女雛だと
思ってたよ!
っていうか、なんで真夜くんも宵ちゃんも
そんなこと知ってるの!」
「いや、割と毎年、ニュースとかクイズとか
雑学系の番組で取り上げられてる気が?」
「わたしは今初めて聞いたよ……」
「……ちなみに、今夜はちらし寿司作る
予定だけど。夕飯、うちで食べてく?」
「それはもう絶対にご馳走になりに行くよ」
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暁の誕生日話を書き終わらない内に
お題が【ひなまつり】になってしまい、
困ったあげく、昨日の話に無理矢理
追記しておきました(苦笑)
毎日書くって難しい。
【たった1つの希望】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/1 PM 4:20
「暁、ちょっとこっちに来て」
「うん? どうしたの、しぃちゃん」
「「誕生日おめでとう」」
「えっと、なんでこんな隅っこで
こっそりな感じなのか分からないけど、
ありがとう、しぃちゃん、とっしー」
「はい、プレゼント。良かったら使って」
「わぁ~、見ていい?」
「どうぞ」
「ありがとー。……ハンドクリームだ!
スミレの香りなの? 春らしくて素敵。
気分が上がりそう」
「おれからは、これ」
「……わ。可愛い~、お花のイラスト
描いてある。オシャレなデザインの
リップだね! 色もフローラルピンクで
とっても綺麗。ありがとう、とっしー」
「気に入った……のか?」
「モチロンだよ~!
2人とも、センス抜群だと思う!」
「(全く嫌がられてないっていうだけで、
十詩希(としき)にとっては
恋に進展するかもしれない、
たった1つの希望になるわよね……)」
3/1 PM 6:30
「それじゃ、改めて」
「誕生日おめでとう、暁」
「うん、ありがとう!
……なるほど、嵩張るってこういう
ことだったんだね」
今朝宣言されていた通り、
学校から帰ってくると、
宵ちゃんと真夜(よる)くんから
プレゼントを手渡された。
1つはわたしの身長と同じくらいの
抱き枕で、学校に持って行くのは
確かに無理がある。
「うわ~、ふかふかで肌触り気持ちいい~。
ものすごく良く眠れそう」
「まぁ、安眠して貰うために選んだから」
「えっ。真夜くん、その理由って……、
まさか2人とも、まだうなされたの
心配してるの!?」
「別にそれだけが理由じゃないわよ。
アンタはしょっちゅうゲームで夜更かし
してそうだから、それを改善させようと
思ったの。ほら、こっちも試してみなさい」
そう言って、宵ちゃんがもう1つの
プレゼント――アイマスクを装着させて
くれる。
「あ、これもふんわりした付け心地が
いい感じだね」
「振動モードと温熱モードが使えるわよ」
「……ヤバイくらい気持ちいいです……。
これ、絶対すぐ寝落ちするよ~」
「15分で自動オフされる機能があるから
寝落ちしても問題ないわ」
「……それは安心だね~……。もー……、
2人ともほんとに優しいんだから……」
3/1 PM 10:45
ベッドの上には、宵ちゃんと真夜くんから
貰ったプレゼントの抱き枕とアイマスクが
置いてある。
2人からの愛の形と思うと、嬉しくて、
胸がいっぱいになってしまう。
(そういえば……)
天明(てんめい)くんに貰ったプレゼントを
まだ見ていなかったことを思い出した。
(あ、お手紙がある。えーと……)
『真夜と宵に、今回のプレゼントの
テーマは安眠グッズって聞いたから、
俺も便乗させて貰ったよ』
(あはは、なるほど~。
だからピローミストなんだ)
スプレーするタイプだったので、
早速抱き枕にひと吹きしてみると、
ラベンダーの柔らかな香りが広がった。
(いい香りだよー、天明くん。
安眠効果、バッチリって感じ)
こんなにも、穏やかに眠りにつける、
とてもとても幸せな誕生日が。
今、幕を閉じようとしている。
【欲望】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/1 AM 7:50
「宵ちゃん、真夜(よる)くん、おはよー」
「おはよう。誕生日おめでとう」
「おめでとう、暁」
「わ~い、ありがとう、2人とも。嬉しい」
「プレゼントは帰りに渡すわ」
「学校に持っていくには嵩張るから」
「そうなんだ~。じゃあ楽しみにして
今日1日を乗り切るよ!」
3/1 AM 8:05
「あ、天明(てんめい)くんだ。
おはよー、天明くーん」
「よー、古結(こゆい)。おはよう。
真夜と宵も。おはよう」
「「おはよう」」
「それから――誕生日おめでとう、古結」
「わ! ありがとう~。天明くんにも
お祝いして貰えるなんて嬉しい」
「これ、プレゼントな」
「……えっ、誕プレまで!?」
「ああ、でも、中身が何なのかは、
帰ってから見た方がいいかもしれない」
「そうなの? ううう……なんだか
みんなに焦らしプレイされてる気分」
3/1 PM 3:30
「――で、これから部活に行く訳だけど、
結局、暁に渡すプレゼントは
用意したの? 十詩希(としき)」
「……一応は」
「これって、リップクリームよね。
……欲望ダダ漏れ過ぎじゃない?」
「は?」
「聞いたことない? 口紅とかリップを
プレゼントするのは『貴女にキスしたい』
って意味だって」
「――っ!? そ、んなつもりじゃ…っ、
いや100%下心ないって言ったら
嘘になるかもしんねーけど……っ!」
「まぁ、暁もそこまで深読みしないとは
思うけど。だからこそ、十詩希はこの位、
思い切ったことしていく方がいいのかもね」
「……何やったとしても婚姻届の
インパクトは越えらんねーだろ……」
「……それもそーね……」