Noma

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9/27/2025, 8:03:42 AM

「コーヒーが冷めないうちに」

猫舌の彼女

フー、フーと

立つ湯気を飛ばす

饒舌な彼女も

この瞬間だけは静かになる

それを狙って

コーヒーのように熱い想いを

告げる僕は

滑舌悪く

笑う彼女は

もう一度言ってと

可愛く舌を出す

9/25/2025, 12:33:52 PM

「パラレルワールドって何?」
学校の図書室で勉強中に、向かいに座っている凛子が聞いてきた。
「…」
私は無視して黙々と数学の問題を解く。
「寄生虫に支配された世界のこと?」
「それパラサイトワールド」
しまった、つい反応してしまった。
そう思いつつ、何もなかったかのように再びノートに目を移す。
「じゃあ、ずっと雨が降ってる世界のこと?」
「それパラソルワールド」
「一人だけの世界のこと?」
「それパーソナルワールド…って勉強の邪魔しないでよ!」
「ノリノリだったくせに」
ニヤニヤと紗奈は意地悪く笑う。
「で、結局どういう意味なの?」
はぁ…とため息が出る。
「今の無駄な会話がなかったら、私はその分勉強できて、いい大学に行って!かっこいい彼氏ができて!!幸せになるかもしれない!!……その世界線のことだよ」
「へー…でも今の会話がなくても、世界線は何も変わらないと思うよ」
おい。と怒ろうとしたが、「でも…」と凛子は続ける。
「今あたしが紗奈に好きだと告げたら、どういう世界線になると思う?」
………………………………………………………………………………………
長い熟考もとい麻痺の末、私はゆっくりと言葉を紡いだ。

そして私たちの世界は分岐した。

9/24/2025, 10:56:44 PM

蛇足教授の「時計の針が重なって」概論

時計の針には2種類ある
短針と長針だ
正確には秒針もあるが、今は省いておく

短針が一周するのにかかる時間は12時間
長針が一周するのにかかる時間は1時間
つまり長針の方が12倍速く一周する

ではここで問題
0時00分からスタートし、12時00分になるまでに、短針と長針は何回重なるか?(※0時00分の時は数えない)

最初に重なるのが1時05分、次に重なるのが2時10分、その次に…と順番に数えるとして、最後に重なるのが12時00分だから12回!

と考えている生徒は小学生からやり直すように…というのは冗談で

この考え方は、バズってる曲しか聞かない人、野球はO谷しか知らない人と同じだ
…これは冗談じゃないぞ

話を戻して、先程の考え方だと11回目は11時55分ということになるが、
それだと最後の12回目はその5分後ということになってしまう
これは矛盾している
よって、問題の答えは非常に簡単だ
初めに言ったように、短針が1周するまでに長針は12周している。
よって、12-1=11回
以上だ

不思議?感覚と違う?
そう思う生徒は短針に目を向けた方がいい

どんなに遅くても、動いているのだから

9/23/2025, 12:01:05 PM

全日本テニス選手権地区予選決勝
「くっ…っだぁ!!」
俺はとんでもない怪物を相手にしていた。
身体は小さいくせに、とんでもなく球速が速い。
すばしっこいから、俺が打った球にすぐに追いつかれる。
さらに頭も良く、こちらの動きを読んで的確に逆をついてくる。
「ぜぇ…ぜえ…んらぁ!」
必死に球を返し続ける。
高校三年生の俺は、これが最後の大会だった。
この地区の参加者が少ないせいか、次の県大会に進めるのは優勝者だけだ。
俺は全国大会に出場できなかったら、プロを諦めると決めていた。
だからこの試合は絶対に負けられなかった。
ッパーン!!!
そんな俺の思いなんか関係ないと言わんばかりに、対戦相手である高校一年の森井 想は、さらにギアを上げて俺にトドメを刺してくる。
試合開始から1時間10分、想からのサーブ。
少し長めの玉突きの後、決意を固めた目でこちらを睨む。
ビュン!という空気を切り裂く音が聞こえたと思ったら、すでにボールはサービスコートをワンバウンドしていた。
予想と真逆のワイド方向、一歩も足が動かなかった。
サービスエース…ゲームセット…
ゲームカウント1-6、2-6 完全な敗北だ。
俺の夢が終わった。
試合後の握手の時、恐る恐るこちらを見ながら想が話しかけてきた。
「兄さん、最後、我に返って迷っちゃった、ごめん」
「…いや、一思いに決めてくれてよかったよ。おめでとう、想」
弟のはにかむような笑みを見て、俺は自分が泣いていることに気づいた。

それから3年後、俺は今、最高のテニスプレイヤーを目の前にしている。
「コーチとして、僕と一緒に世界一目指さない?」
弟のこの言葉にどれだけ救われたか。
コーチ席から誰よりも大きい声で、今日も俺は想を応援している。

9/22/2025, 11:02:37 AM

英語の授業
生徒ごとの意訳

先生
「How’s the weather?
(天気はどうですか?)」

真面目な生徒
「It’s cloudy.(曇りです)」

頭空っぽな生徒
「It’s cloudy!(イッツクラウディ!)」

日本の英語レベルを見下している生徒
「It’s cloudy…
(曇ってんの見てわかんない?)」

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