夢見がちな眠り姫

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7/18/2024, 11:46:51 AM

私だけ

失恋ソングも聴き飽きた。好きな人に好きな人がいると知ってから早一週間。テスト前にも関わらず、君が頭から離れない。叶わない恋だと分かっているのに、諦められないのは、思わせぶりな君のせいなんだから。そう思うだけなら私の勝手でしょう。どうせ意識するのは私だけ。私だけが勝手に想ってるだけなんだから。

7/16/2024, 3:08:34 PM

空を見上げて心に浮かんだこと

真っ暗な夜空に月が浮かぶ。人より月が大きく見えることが乱視のメリットとでも言おうか。それほど美しい満月であった。実際満月ではない。少しかけている上弦の月だった。だが、乱視によって月は丸く大きく見えた。

8/10/2023, 2:48:12 PM

終点


やってしまった。寝過ごした。

ガタンゴトンと、心地よいリズムで流れる揺れ。電車で眠たくなる人が多いのは、母親の腹の中にいた時の鼓動を感じさせるからだという。まぁ、電車で寝るのは、平和ぼけしている日本人くらいだろう。

とか澄ました顔で思ってた僕も、平和ぼけしていたらしい。すっかり終点だ。仕方がない、歩いて帰るしか無い。幸運にも、終点からまあ近い距離に友人の家がある。そこで泊まらせてもらおう。
ため息をつきながら、駅をあとにする。今日が、華の金曜日でよかった。じゃなきゃ、ストレスで潰れているところだ。

なにもないところだ。信号機や、標識、自営業の床屋の看板。なにもないから、懐かしく思える。これをエモいと言うのだろうか。こんな夜もいいな。

流石に終点はこりごりだけどな。

8/8/2023, 10:12:15 AM

 最初から決まっていた


 恋をしてしまった。こうなることは、誰も予想しなかっただろう。俺でさえも。

 恋を「してしまった」。そう、恋してはいけないものに恋心を抱いてしまったのだ。おかしいと思われるかもしれない。自分でもそう思う。俺は、小説の登場人物に心を奪われてしまった。
 不思議なキャラクター性をもち、主人公を惑わせる、男子中学生。男子にしては長い黒髪を束ねる、そのときの小説の描写にときめいた。恋に落ちたんだ。
 彼には、小説の中でしか会えない。俺に語りかけることもない。何度読んでも、彼は同じ運命をたどる。それでも、恋をし続ける俺はまぬけなのかもしれない。彼に会うためだけに、今日も読書に没頭する。

 彼は、同じ運命をたどる。彼は死んでしまう。小説は、そういうエンディングを迎えるからだ。何度か読んでも、彼は死んでしまうんだ。

 小説を読む前から決まっていた。恋をする前から決まっていた。最初から、彼は死ぬんだって。

8/7/2023, 9:06:14 AM

太陽


きっと生きられないよ。太陽がなければ。

「まるで、太陽のような人。」よく言われる。なんでも、人並み以上にできるし、リーダー的存在でもある私。友達も多いし、容姿もそこまで悪くない。自分でもポジティブだと思う。
単純にその言葉が嬉しかった。だから、太陽に似合う人になりたい、そのために沢山努力もしてきた。私は太陽だから。

でも、あいつは真逆の性格だったな。陰キャってタイプでも無ければ、特に目立つこともない。ごく普通って感じだ。でも太陽は、私は、そんな人にも光を与えるんだ。みんなに分け隔てなく接したし、みんなが欲しいもの、言葉、行動をしてあげた。太陽ってそんなもんでしょ。明るくて、優しい。
でも、疲れた。本当に疲れたんだ。太陽でいることに。今更、辞めれないのにね。私は、誰にも相談できなかった。そんな気持ちに気づいてくれる人もいなかった。君を除いて。

「辞めれば良いんじゃない?その猫かぶり。僕から言わせてもらえば、普通に気持ち悪いし。」

すっごい悪口言われた気もしたけど、私にとっては、救いの言葉だった。嬉しかった。君は太陽なんかに、ちっとも似てないと思ってたけど、本当は君の方が太陽なのかもしれない。

「生きるのに、重要なものはなに? 」と聞かれたら、なんて答えるだろう。空気、水、愛する人、推し、お金。答えは人の数だけ。でも、忘れていた。太陽だ。太陽が消えた瞬間、地球は凍ってしまう。どんな炎でも、愛でもそれは溶かせない。

あなたはそんな人。私の太陽だ。

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