夢見がちな眠り姫

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太陽


きっと生きられないよ。太陽がなければ。

「まるで、太陽のような人。」よく言われる。なんでも、人並み以上にできるし、リーダー的存在でもある私。友達も多いし、容姿もそこまで悪くない。自分でもポジティブだと思う。
単純にその言葉が嬉しかった。だから、太陽に似合う人になりたい、そのために沢山努力もしてきた。私は太陽だから。

でも、あいつは真逆の性格だったな。陰キャってタイプでも無ければ、特に目立つこともない。ごく普通って感じだ。でも太陽は、私は、そんな人にも光を与えるんだ。みんなに分け隔てなく接したし、みんなが欲しいもの、言葉、行動をしてあげた。太陽ってそんなもんでしょ。明るくて、優しい。
でも、疲れた。本当に疲れたんだ。太陽でいることに。今更、辞めれないのにね。私は、誰にも相談できなかった。そんな気持ちに気づいてくれる人もいなかった。君を除いて。

「辞めれば良いんじゃない?その猫かぶり。僕から言わせてもらえば、普通に気持ち悪いし。」

すっごい悪口言われた気もしたけど、私にとっては、救いの言葉だった。嬉しかった。君は太陽なんかに、ちっとも似てないと思ってたけど、本当は君の方が太陽なのかもしれない。

「生きるのに、重要なものはなに? 」と聞かれたら、なんて答えるだろう。空気、水、愛する人、推し、お金。答えは人の数だけ。でも、忘れていた。太陽だ。太陽が消えた瞬間、地球は凍ってしまう。どんな炎でも、愛でもそれは溶かせない。

あなたはそんな人。私の太陽だ。

8/7/2023, 9:06:14 AM