アイン

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7/29/2023, 10:54:05 PM

今日、久しぶりに嵐が来た。結構風も強く、学校も休みになった。
「はぁ.....うるさい....」
さっきからビュービューガタガタガタガタ音が鳴り止まないのだ。ゲームやYouTubeをしていても何も聞こえない。
「休みでもこんな何も出来ないんじゃ意味ないだろ......」
そう独り言を呟いていると、スマホに着信画面が写った。
「ん?誰だこんな時に....」
名前を見てみると、非通知、となっている。別に出なくてもいいんだが、それじゃあつまらない。どうせなら出てやろうと思い、俺は通話を繋いだ。
「.....もしもし?」
『もしもし.....』
向こうからは女の声が聞こえる。声からして、学生だろうか。
......しばらく、沈黙が続く。
「あ、あの、貴方は......」
『......』
答えない。いや、本当になんなんだ。
「も、もしかして番号間違ってませんか?僕達、どこかで会いましたっけ?」
『......はい。会ってますよ。』
え?会ってたの?どこで?っていうか俺はこんなやつ記憶に無いし、忘れてるってことは結構前なんじゃ......
「す、すみません。失礼します。」
少し不気味に感じ、俺はさっさと切り上げようとした。だが、向こうから声が聞こえる。
『....覚えてないんだね。私は.....』
ガタン!急に風が強くなる。そして彼女の声もそれで聞こえなくなる。
『.....で』
「な、なんて?」
聞こえないので、俺は聞き返す。
『.....死ねばいいのに。』
それを最後に、電話は切れる。
「......は?」

数年経った今でも、この出来事は忘れられない。あの時から嵐が来る度、俺の親族がどんどん死んでいったからだ。両親も死に、そして今日。
.....また、嵐が来た。

7/29/2023, 4:52:07 AM

8月31日。夏休み最終日に、地域にある比較的大きい神社で祭りが開催される。そこには出店が出てきたり、この地域独特の踊りを踊る。老若男女、誰もがこの楽しい祭りを楽しみにしている。私だってその1人だ。
そして、夏祭り当日。私は家の用事で少し遅れて祭りに参加した。今年もいつも通り人で賑わっていた。もう踊りも開催されているようで、子供や若者、他にお年寄りのおじいさんおばあさんも踊っていた。見てる人達もニコニコしていて、誰もが楽しげだった。その風景を見ていた私もいても立っても居られなくなり、すぐに踊りの輪に入った。うろ覚えで下手な踊りでさえ、誰も気にせず踊る。そんな雰囲気が私は大好きだった。

少しして、私は少し疲れ、出店で何か買おうとした。りんご飴、射的、焼きそば、金魚すくい、イカ焼き。美味しそうな物と楽しそうな物がズラッと並んでいる。私はりんご飴を買い、コンクリートの上に腰を下ろした。甘くて大きいりんご飴は、この祭りの中で1番人気だ。私はそれを頬張っていると、1人の男の子の声が耳に入る。
「あぁー!!お金がー!!!」
そういいながら男の子は本殿の横にある、森に繋がっている薄暗い道に入ろうとする。どうやら、お金がその道に転がっていってしまったようだ。そこを見ていた私は、その男の子に声をかける。
「ちょ、ちょっと待って!そこの僕!」
男の子は振り返る。その目には涙を浮かべていた。
「な、何....?お姉ちゃん、僕早く行かなきゃ....」
「僕、さっきお金落としてたでしょ?でも、こんな真っ暗のとこって怖くない?」
「そ、そりゃ怖いけど.....でも、それじゃお金が.....」
「それじゃ、お姉ちゃんが代わりに探してきてあげるよ。こんなとこ、行かせたくないしね。」
おそらく幼稚園児頃の年である子に、こんな所行かせるのは可哀想だと思った私は、男の子にこう声をかけた。
「え.....い、いいの.....?」
「うん、いいよ。だから僕は待ってて。すぐに探して戻ってくるからさ!」
「あ、ありがとう!お姉ちゃんいい人だね!」
「ふふ、ありがとう。じゃ、待っててね。」
「うん!」
よし。じゃあ早く見つけてあの子に渡してあげよう。そして、私は隅々まで探した。けど、中々見つからず、遂に行き止まりまで来てしまった。だが、そこには小さな祠とおそらく男の子のものであろう五百円玉がおちていた。
やっと見つけた。そう思い、私はその五百円玉を拾い、この不気味な森から出ていこうとした。が、しかし、その時に石につまづき、祠に手がつく。すぐに体制を戻し、私はすぐにその森から逃げた。.....手が触れた瞬間、何故か寒気がして、不気味に感じたからだ。そうして、私は元の場所へ戻った。
.....だが、そこはさっきまでと全く違った。あの時の騒がしさも、人も、勿論あの男の子もいなかったのだ。.....だが、その代わりに、1人の男が立っていた。それも奇妙な姿をしており、狐耳、しっぽ、真っ赤な目、真っ白な髪色。この世の者ではないみたいだ。
(え.....誰?っていうか、みんなは....?)
戸惑っていると、男がこちらを振り向き口を開く。
「.....迷い子?珍しい。あぁ、今日は縁日だったか。」
迷い子?私が?状況が読めずにいると....
「.....可哀想に。善行を行ったというのに、俺みたいなのに出会うなんて。」
「え.....?」
「まぁ、いいか。」
男は微笑み、次にこう言う。
「ようこそ。こっちの世界へ。」

5/3/2023, 1:38:14 PM

ありがとう。この一言を言えれば、どんなに楽だったか。変なプライドがその言葉を言うのを邪魔した。お母さん、お父さん、弟、全員に感謝の気持ちを伝えられ無かった。学校で虐められてる私はこのことを家族に教えたくなかった。感謝の気持ちを言えば、今までの事を全部喋っちゃうかもしれないから。言えるわけが無かった。
私「...。」

「...ごめんね。みんな。私、最後まで 伝えられ無かった。」


「ありがとう。バイバイ。」
今日、私は飛び降ります。

5/2/2023, 12:10:19 PM

優しくしないで。こんな私に。

男「あっ!優馬!一緒に行こうぜ!」

優しくしないで。優しくされたら胸の中に虚しさが残っちゃうから。劣等感とか、罪悪感とか、苦しい気持ちでいっぱいになるから。

...それなのに、やめてくれない君と、優しく接してくれることを求めてる僕がいる。

あぁ、こんなの、1つも希望なんか見えるわけがないのに。

ほんとに、馬鹿だな。

5/1/2023, 12:41:12 PM

彩「ねぇねぇ、色ってなんのためにあると思う?」

愛「は?何いきなり。急にそんなこと聞いてきてキモイんだけど。」

彩「毒舌!!た、ただ気になっただけだよ。色ってさ、色々用途があるじゃん?それは人間にも例えられるしさ。」

愛「...まぁ、そうだね。感情表現に使うこともあれば、それこそあんたが言った人間にも例えられることもある。で、それがどうしたの。」

彩「いやー、ちょっと気になってさ。カラフルなのって、いいイメージがあるじゃん?人間で例えたら才色兼備ーとか、色んな面があるーとかさ。けどそれになろうとして色をぐちゃぐちゃ全部混ぜたら、汚い色になっちゃうじゃん?」

彩「だからさ、人間が成りたいものって結局は努力じゃ手に入れられないものなんじゃないかなって。」

愛「いやひねくれすぎでしょ。」

彩「えー、だってそんなもんでしょ。どこの誰が1%の才能とか99%の努力って言ったか知らんけどさ。めざめして工夫して失敗したら、今までの努力も水の泡、それどころかもう戻せなくなるでしょ。」

彩「...だから、持って生まれたカラフルなんか目指さなくていいんだよ。」

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