アイン

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今日、久しぶりに嵐が来た。結構風も強く、学校も休みになった。
「はぁ.....うるさい....」
さっきからビュービューガタガタガタガタ音が鳴り止まないのだ。ゲームやYouTubeをしていても何も聞こえない。
「休みでもこんな何も出来ないんじゃ意味ないだろ......」
そう独り言を呟いていると、スマホに着信画面が写った。
「ん?誰だこんな時に....」
名前を見てみると、非通知、となっている。別に出なくてもいいんだが、それじゃあつまらない。どうせなら出てやろうと思い、俺は通話を繋いだ。
「.....もしもし?」
『もしもし.....』
向こうからは女の声が聞こえる。声からして、学生だろうか。
......しばらく、沈黙が続く。
「あ、あの、貴方は......」
『......』
答えない。いや、本当になんなんだ。
「も、もしかして番号間違ってませんか?僕達、どこかで会いましたっけ?」
『......はい。会ってますよ。』
え?会ってたの?どこで?っていうか俺はこんなやつ記憶に無いし、忘れてるってことは結構前なんじゃ......
「す、すみません。失礼します。」
少し不気味に感じ、俺はさっさと切り上げようとした。だが、向こうから声が聞こえる。
『....覚えてないんだね。私は.....』
ガタン!急に風が強くなる。そして彼女の声もそれで聞こえなくなる。
『.....で』
「な、なんて?」
聞こえないので、俺は聞き返す。
『.....死ねばいいのに。』
それを最後に、電話は切れる。
「......は?」

数年経った今でも、この出来事は忘れられない。あの時から嵐が来る度、俺の親族がどんどん死んでいったからだ。両親も死に、そして今日。
.....また、嵐が来た。

7/29/2023, 10:54:05 PM