私達は最初、楽園にいる。そこは悲しいことも嫌なことも何一つない。だが1つ。その楽園は裁判を行っている。その裁判の内容は────
天使 「では、今から貴方の罪について裁判を行います。貴方の罪状は、穢れなきこの楽園に血の雨を降らしたこと。このことについて、何か言う事はありますか?」
男 「はっ。なんだ、それは反省の言葉を言えってことか?俺はただこんな平和で退屈なこの場所に、すこーし刺激を加えただけさ。反省の言葉なんて出てくるはずがないね。むしろ感謝して欲しいぐらいだわ。」
天使 「...なるほど。貴方の意見はそれだけですね。こんなことする貴方なんかに反省の言葉を聞けるとは元から思っていませんでしたが...いいでしょう。では皆様!この者の思い、伝わったでしょうか!この者は約50人!しかも殺された物は全員模範的行動を心がけていたもの!そんな素晴らしい者達を殺したこの者は、情状酌量の余地などありません!よって、"人の子"になるということでよろしいでしょうか!」
"あぁ!そうしてくれ!こんな穢れたやつ、さっさと地上に落としてやってくれ!"
"私達もそう思うわ!こんな穢れたやつとずっと同じ空気を吸うなんて、そんななら私達を地上に落として欲しいくらいだわ!"
天使 「...満場一致ですね。では、それで決定しました。ほら、早くこの者を突き落としてください。」
男 「"人の子"...だと...ふざけるな!殺したやつも結局は生き返るだろ!?それの何がマイナスになるんだ!」
天使「...貴方は何も分かっていない。生き返るからいいんじゃないんだ。貴方みたいな穢れたやつがこの楽園にいることに皆反対しているんだ。大丈夫。穢れの塊の地上で死ねば、ここに戻ってこれるし穢れも落としてこれる。...まぁ、自殺をしなければ、ですけどね。ニコッ」
男 「そ、そんな...」
天使「さようなら。また、死んだ時会いましょう。」
私は今日、紙飛行機を飛ばした。自分の今の気持ち、今まで抱え込んで、隠して、爆発しそうになっていた気持ちを。誰にも相談が出来なかったこの思いを紙に書いて紙飛行機に折って、誰かに届くようにと思いを込めて。紙飛行機は屋上から投げたから見えなくなるまで飛んで行った。こんな汚い気持ちを誰かが拾って、それで知ってくれという身勝手な思いでだけでこれをした。この思いを、風に乗せて。