目覚めるたびに記憶が消えて
思い出が少しずつ失くなっていく
けれど美しい夜明けの空を見ると
不思議と昔のことを思い出すことができた
今はもう隣にいない貴方
どうしていないのかはもう思い出せないけれど
貴方はとても暖かくて優しい人だった
この目が闇に包まれなければ
まだ沢山のことを思い出せたかもしれない
きっといつかに見たあの日と同じ空の下で
貴方と過ごした日々の記憶を
私の心に留めておけたかもしれないのに
この町の空には何年かに一度星が降る
その日には初恋が叶うなんて噂が広まって
人々から初恋の日と呼ばれるようになった
私はそんな話、いつもなら信じていなかった
でも、恋をしてしまったから
それが叶わない恋だと、わかっていたから
ありもしない奇跡に縋りたくなってしまったの
誰に嗤われてもよかったよ
この日までは、きっと想いが届くはずだなんて
ありもしない奇跡を信じることができたから
だけどひとりになるとダメだった
ただの幻想的な現象に夢を見て
どうして叶えてくれなかったの、なんて
夜空を流れる石ころに泣き縋ってしまうんだもの
ねぇ、女神様
貴女、本当は存在しないんでしょう?
こんなに毎日教会に通って
何年も祈りを捧げているのに
報われたことなんか一度もなかった
それとも貴女に祈り続ける私を
愚か者だと嗤っていたの?
馬鹿な人間が無意味に願っていると
見下して楽しんでいたの?
ずっとずっと泣いて苦しんでいたのに
今日も空は憎いくらいの快晴で
全てが私を嘲笑っているみたい
星空を見てると思い出す
もう随分と前のこと
あの日、夜の花園で貴女が教えてくれた
昔、人々は星空の下で誓いを立てていた
ティアラはその星空を模したものなのだと
貴女は、なんだかロマンチックねと笑って
その日の星空に誓ってくれたんだ
命尽きるまで、一生私を愛してくれると
私もまた、命尽きるまで貴女の隣にいると誓った
約束だと笑い合ったことを今でも鮮明に覚えている
あの日から毎晩、星空を見るのが楽しみだったよ
確かに貴女は誓いを守ってくれた
けれど、私の誓いは守らせてくれなかったね
あの日と同じ輝きを見ているはずなのに
私の隣にはもう貴女はいないんだ
誰もがハッピーエンドを望んでいたはずなのに