『さあ、やれ!。この世界が救われるのなら!。』刃物を首筋に当てられながら云う。
すると刃物は引っ込み、手首に結ばれていた縄は、ほどけた。
流石にこうなるとまでは、想像出来なかった。其の為、手を見つめて五分くらい見つめてしました。
『・・・・!。そうだ、速く此処から逃げなければ!。』其所からオレは急いで離れた。
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にしても此処は本当に暗い。
人もいない。
何もない。
そう、何もない。
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『英雄の被害妄想』
『アア、何時になったら、出れるのかしら。』真っ暗な部屋で一人呟く。
ここは鳥籠。愚かな人が、嘆く場所。せめても、素敵な殿方が迎えに来たらいいのに。
その時、大きな音がした。『ンン?!。まさか殿方がお迎えに?。』そう言っても、事実は違うものである。
其処には、私より、小さな女のコがいたの。
『こんなくっさい処によく居れるわね。イヤイヤ、そんな事よりも誰か一人、持ってかないと。』と、地味に暴言を吐きながら来たのだ。
あのコは、私に指を指し、私を持っていった。
『な、何?』と言うと彼女はこう言った。『一緒に逃げましょ?。』
でも、私はこういってやったわ。『嫌、嫌よ。だってこんな汚いドレスで街に出たら笑われちゃうわ。』
『あなたも女なのねェ。ふーん、良いわ。三十分だけ待ってやるわよ?。』
・・・・腹が立ったから二時間時間、選んでやったわ。
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『鳥ノ我ガ儘恩知ラズ』
『俺ら、友達だろ?。』そう、お前は笑顔で言う。
違う、違うんだ。辞めろ、辞めてくれ。
お前は死んだ、そうだろう。辞めてくれ。もう、追い討ちをかけないでくれ。
首に冷や汗が垂れる。怖い、怖いんだ。
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意識が覚めた。なんだ、夢じゃないか。
『ア!。やっと起きたか。お前、途中、何でか知らんが気絶したんだぞ?。』
お前は、憎たらしいが、本当に苦しくなるような、大好きな笑顔で言う。
『それより聞いてくれよ。あの人にさ、喋れたんだ。スゴくね?。』
お前は、そう言った。もう、こんな悪夢はごめんだ。
そう言いオレは、返答を返した。
『アア、そうだな。それは、大収穫だ!。』涙が少し、ほんの少し、溢れ落ちた。
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『友情と云う呪いにすがり付くも』
『ねえ、此れ。此のままなのは、残りわずかだよ。』そう、目の前の奴が言った。
五月蝿い、五月蝿い。そういう気持ちを顔に表した。
『あはっ、あはははははは!。そうかい、そうかい。君は変な奴だね。』と目の前の奴は腹を抱えて笑いやがった。
『何の用だ?。笑いに来たのか。このオレを。』と不貞腐れたように花壇を見た。
すると奴は、首をふりながら言った。『アー、ウウン。違うよ。見えたから警告しに来ただけ。』
すると此方を見て、笑った。『警告?。この華を?。』とオレが云うと奴は悲しそうに笑った。
『ウウン、君を。哀しさで現実から逃げている、愚かで哀しい鳥にね。』
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『華開けば涙流し』
『信じない、信じないぞ。』そう、自分に言い聞かせた。
そもそも、あの人が死ぬなんて想像外なのだ。
自分は力不足だったのだ。
真実が心臓を掻ききる前に、自分は泣く事しかできない。
愚かな鳥への目向けは、誰がやってくれるのだろう。
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笑顔、怒り顔、泣き顔、困り顔。
貴方の事なら何でもご存知ですよ。
だけど、なぜ泣くのかは、本当に、本当にわからない。
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『さようなら、時計の云うとうり』