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10/14/2024, 12:17:26 PM


本日のテーマ『高く高く』
そのテーマとは真逆のベクトルにある地位で『低く低く』生きている俺。
そもそも生き方のような抽象的な崇高さを話す以前の問題で、俺は物理的に高いところが苦手だった。
高い場所から下界を見下ろすと、頭がボーっとしてきて、吸い込まれるように自分から飛び降りたくなってしまう、という謎の病気を患っているからだ。この話を友人にした時は、「お前、憑りつかれてるんじゃね……」と若干、引かれたくらいである。
「それに、太陽を見るとクシャミが出んだよね……」
「ふうん」
そっちの話は、同意も否定もなく、なにごともなかったかのように流されたが。
それはさておき、友人が俺に言った『憑りつかれている』……
なにに? おそらく悪いモノだろう。悪魔とか悪霊とか、そういう感じの一般的にいって好ましくないものだと思われる。
良からぬ魔物たちが俺の思考を操り、冥界へと誘うかの如く、無意識のうちに高所から飛び降りさせようとしているから気をつけろよ、と友人は短い言葉でドンビキしながら忠告してくれていたのだ。
心配性の俺としては、一刻も早くどうにかしなければならない問題であった。しかし、そういった類の目に見えないエネルギー体と戦う力など俺にはない。最悪の場合、悪魔や悪霊にやられてしまった後に、エーテル体となった俺が、あん時はよくもやってくれたなと一対一で悪魔や悪霊に戦いを挑むことはできるかもしれないが、たぶんそれでもあっさりと負けるだろう。
やはり自分の手に負えないことは専門家に頼むべきである。エアコンが壊れたらエアコン業者さんに頼むように……
悪魔や悪霊に憑りつかれているかもしれない、となって、この国で頼れるのはお寺や神社だ。お坊さんや神主さんにお祓いを頼むのが定石であろう。
だけど、お祓いの料金は高そうだし、それになんだか、「高いところにいると飛び降りたくなって、思わせぶりな友人が言うには悪霊に憑りつかれているみたいなんですけど……」と真顔で説明するのは恥ずかしかった。
それに無理してお祓いを受けたとしても、おごそかな空気の中、神主さんが祓いの祝詞を唱えているのを正座して聞いている自分という状況を俯瞰で見ると、その奇異なる雰囲気に耐えられなくて、俺は噴き出した挙句、爆笑してしまう。そうなると神主さんに「な、なんだコイツ……」と思われてしまう。想像したら、恥ずかしさと気まずさで死ねる…
神主さんやお坊さんに頼るのは、やめておいたほうがよさそうだ。

……とにかく。
俺の人生の目標は『高く高く』、戦闘機みたいに刹那的にぶっ飛ばしながら高空飛行をすることではなく、『低く低く』、低空飛行しつつ、85歳くらいまで燃費よく長距離飛行することである。
その目標を達成するためにも、万が一にでも、謎の持病のせいで若くして高台から飛び降りてしまうような失態があってはならない。それが悪魔や悪霊のせいであるなら、平和主義者の俺としては不本意ではあるが、腹を括ってそいつらと戦うしかない。

「うわあ、なんだ、くそ、スズメバチだらけだ! これも悪霊の仕業か!?」
グーグルマップで検索した、自分の住んでいる場所から一番近い場所にある神社にやってきて、鳥居をくぐった俺はスズメバチに襲われて慄いていた。
金銭面と精神的な不安から、お祓いを受けることを諦めた俺は、とりあえず近所の神社の神様に救いを求めることにしたのだ。
スズメバチの猛襲を数ヶ月しか通ってないキックボクシングジムで習ったスウェーバックで避けつつ歩を進め、神社の祭殿に到達する。
とりあえず、近くにあった手水舎で手を洗う。神様に会う前は身を清めるのが礼儀なのだ。昔、初詣の際に両親がやっていたのを思い出し、いちおう、口の中もゆすぐ。詳しくは知らないので作法は俺流だが、神様は寛大なのでたぶん許してくださるだろう。
そして、いよいよお参りだ。
財布の小銭ポケットから、なけなしの500円玉を取り出し、それを賽銭箱に投げ入れ、正式名称は知らないけど、とにかくガラガラを鳴らして祭殿に向かって一礼し、柏手をパンパンしてから再びお辞儀する。
「あれ、お辞儀って何回すればいいんだっけ……」
わからないのでお願いする前にオマケ感覚でさらに三回した。神様、無礼であったらお許しくださいと最初の願いを心の中で呟きながら目を閉じ合掌し……
(どうか、俺の家族が健康でありますように……)
お参りするときのクセで、本来の目的を忘れているかのようなお願いをしてしまった。
慌てて開眼すると、賽銭箱に100円玉を投げ入れて、パンパンと拍手を慣らし、再び目を閉じ
(金持ちになりたいっす……大金持ちじゃなくていいんで、それなりの……)
またしても、本来の目的とは別の、しかも煩悩にまみれたお願いをしてしまった。
「じゃなくて……てか、一度にこんな頼んでいいものなのか……?」
セルフツッコミを入れつつ思った。神社と神様をファーストフード店みたいに扱う俺は、凄いバチアタリなんじゃないだろうかと。
まぁ、ここまできたら、やぶれかぶれだ。
また100円玉を賽銭箱に入れて、今度はちゃんとお願いする。
(頑張るんで、見守っててください。余裕があれば俺の大切な人たちも……)
遥か彼方にいるかもしれない高尚な存在に、フワッとした思いを願う。
なにはともあれ、『高く高く』ついた参拝であった。

10/13/2024, 11:04:43 AM


『子供のように』生きたい。
具体的に言うと、お金に縛られることなく生きたい。
税金や預金残高や水道光熱費、家賃、食費に怯えることなく生きたい。
例えるとするなら、そう、子供の頃の夏休みの朝、なんの不安もなく、しかし面倒臭いなぁと思いながらラジオ体操会場の広場に向かい、誰だか分からないおばさんにラジオ体操カードにスタンプを押してもらって、帰ってきて朝ごはんを食べていたあの頃のように。
大人になって思う。
なぜ、生きるだけでお金がかかるのだ……罰金か何かなのか? 俺がなんの罪を犯したというのだ……
俺はただ、ラジオ体操をして、セミの抜け殻を集めて、婆ちゃんの作ってくれたソウメンを食べて、友達とプールに行きたいだけなのに……

子供の頃、恐竜が好きだった。
母さん曰く、子供の頃の俺は恐竜図鑑に載っている恐竜の名前を全て暗記していて、「これは何?」と訊ねると、一字一句間違うことなく正式名称を答えられたそうだ。
そんな俺の子供の頃の夢は、もちろん恐竜博士だった。正式にいうと古生物学者……だろうか……?
……が、今では恐竜の名前は、ほとんどわからない。ティラノサウルスとトリケラトプス、かろうじてプテラノドンが見分けられるくらいだ。
(くそ……あの頃、もっと真剣に勉強していれば……!)
職場のから揚げ屋でカラアゲをパック詰めしながら、たまにそう思う。
しかし、それは大きな間違いだ。俺の勝手な想像かもしれないが、おそらく、専門職に就ける人達はブレることなく、それだけを一途に好きな人たちだと思う。
小さい頃、好きだったものを見限り、テレビゲームやアニメや漫画に逃げた俺とは根本的に違うのだ。
だがテレビゲームやアニメや漫画が悪いかというと、そうではない。人生の教訓として、教えて貰ったことは沢山ある。たとえば、それらの媒体において共通して、いきがっているヤツは大体ひどい目に遭う。また、弱いモノいじめをしているヤツも悲惨なことになる。おそろしいことだ。だから俺はやらない。
また、俺の好きな漫画の主人公がこのように独白する。
『愚か者は、いつも過去を悔やむのだ』
「俺のことじゃねえか!!」
キレ散らかしそうになったが、かろうじて堪える。

……まぁ、なんだ。なんの話だったか。
そう、俺は、ただ、子供のように生きたいのだ。
しかし現在の俺は立派な大人だ。大人になった俺を誰も甘やかしてはくれないし、失礼な態度を見過ごしてくれたりもしない。大人なのだから当たり前である。
それを許してくれる人を見つけるというのも、いい歳して、それはただの他者に対する甘えでしかない。
同い年の皆と同じラインに立つのだ。大人にならなければならない。そこがスタートラインだ。
けど、大人になるってどういうことなのだろうか。
当然、最低限の礼儀や立ち居振る舞いは身に着けているが、それは大人の皮をかぶっているだけだ。思いっきりふざけろ!と拳銃を突き付けられて命令されれば、今すぐにでも小学五年生に戻れる。
子供、大人、子供、大人、子供……
考えてもわからない。ただ一つわかるのは、
俺は、恐竜図鑑を暗記してる俺を見て喜ぶ母さんの笑顔が嬉しかっただけで、実は俺自身はそれほど恐竜博士になりたくなかったのではないかということだけだ。

10/13/2024, 9:15:04 AM


高校生の時、『りっくん』という友達がいた。
身長170センチほどの痩せ型、塩顔のイケメンで、将棋部かテニス部に入ってそうな感じなのに、なぜか柔道部に入っていて、クラスではいつも気怠そうにしていて、学校もサボりがちで、だからといってヤンキーというわけでもなく、正義感が強くて、陽キャがイジメてる子の机を教室の外に出してクスクス笑ってると、無言で立ち上がってその机を教室の中に戻すことができるような不思議なヤツだった。
イジメられてる子を助けて、陽キャから「かっこいい~」と、からかわれても、「だせーことすんなよ」とボソっと返すのがかっこよかった。
記憶が正しければ、りっくんに話しかけたのは俺からだ。
「俺も空手やってたんだ」みたいな感じで。
りっくんは柔道部なのに、なにが『も』なのかは不明だが、とにかく、それをきっかけに仲良くなったのを覚えている。
りっくんは不思議なヤツで、見た目はそれなりに良くて、陰キャがつけないヘアーワックスをつけてバシっと髪をキメてたし、なんかダルそうな感じもヤンキーぽかったし、学校の校則で禁止されているにも関わらず関係ねぇよってロックな感じで原チャで通ってきてたけど、ヤンキーじゃなくて、陽キャグループにも入ってなくて、俺みたいな陰キャグループにも入ってなくて、かと言って一匹オオカミ!って感じで尖ってるワケでもなくて、休み時間はいつも寝たフリしてるような人だった。なのに、二人きりで話す時は芸人みたいに面白いヤツだった。
だから好きだった。変な意味じゃなくて、個性的でカッコいいなぁと思ったのだ。
なにより前述したように、陽キャ連中がイジメられてる子の机を教室の外に出してニヤニヤした時、俺だって「こいつら……!」と思ったけど、助けてからかわれたり、バカにされるのが怖くて、なにもできず見てみぬフリをして友達とどうでもいい会話をして気づいてないフリして、あえて知らんぷりしたのに、りっくんは動いた。
今になって思う。りっくん、彼は大人だった。
この歳になって思うのが、後になって後悔して、自分を嫌いになるくらいなら、やれることをやるべきなのだ。誰に嫌われようが恥をかこうが馬鹿にされようが、そんなものは過ぎ去ってみれば本当にどうでもいいことなのだから。

……で、本題。
今日のテーマ『放課後』
あれはたしか、文化祭だか体育祭だかが終わった後の放課後だったか。
陽キャ主催の、クラスの男子全員参加の腕相撲大会が開かれた。と、いうのも、その時の担任の先生が、なんか分からないけど皆頑張ったので、全員にお弁当を奢ってくれるという話になって、一人500円までで好きな弁当を選べということになったのだが、陽キャがそれだけじゃつまらないと言って、腕相撲をして優勝者はどれだけ高い弁当でも頼んでもいいことにしようというミニゲームが催されたのだ。
こういう時、やっぱり強いのはヤンキー連中だ。たぶん普段、喧嘩してるからだろう。
いっぽう、陽キャはあんまり強くない。なんなら恰幅のいい陰キャに一瞬でのされることもある。しょせんヤツらは勢いだけだ。いや、ベツに俺が陽キャを嫌ってるとかそういうわけではなく、真実として。
そして、俺も、それなりに強かった。なにせ中学までは伝統派空手を習っていて、こう見えて黒帯もとっているのだ。現にクラス19人の男子のうち、11位という高成績を納めた。
そんで散々、書き連ねてきた『りっくん』の成績は、ここまで書いたのだから当たり前というか一位だった。
陽キャも陰キャも女子も関係なく、皆が応援する中、勝ち残った『りっくん』とクラスのヤンキーの一騎打ち。あの時じゃないだろうか、文化祭や体育祭より、クラスが一丸となった感じがあったのは。
結果は『りっくん』の圧勝だったけど、ヤンキーも「つえーわ」とか言って笑ってたし、陽キャも陰キャも盛り上がってて、女子も楽しそうで、先生も笑ってて、そこにイジメやからかいなんか1ミリもなくて凄く良い雰囲気だった。

腕相撲大会が終わって、弁当を先生が買ってきてくれた、すっかり夜の学校の放課後。物凄い非日常感があった。
「楽しかったな」
一人だけ1000円近くする、すき焼き弁当みたいなのを喰いながらりっくんが言う。
普段そんな気配りなど絶対しないくせに、陽キャ連中がペットボトルのお茶を皆に配ってくれる。もちろん、ふだんイジメられてる子にも。女子が「お疲れ」と笑顔で声をかけてくれ、飴やお菓子をくれる。ヤンキーが「結構やるやん」と俺の肩を叩いて笑う。
「うん、楽しかった」
あの頃、300円いくかいかないかくらいだった高菜弁当をくらいながらりっくんに答える。
こんなふうにクラス全員、仲良い日がずっと続けばいいと素直に思った。皆、普段、かっこつけたり大きく見せようとしたり、子供ながらに駆け引きしたり、いろいろあるけど、一皮むけば子供で仲良くなれるのだ。
だけど楽しいのは今日だけだ。明日から、また日常が始まる。
陽キャは、やはり誰かをからかってイジメるだろうし、ヤンキーもフンって感じで冷たくなる。俺達もそちら側に関わろうとはしない。
楽しかったけど、無性に切なくなった。

……と、いうような昔話を、一昨年のお正月に帰省した時に久しぶりに会った『りっくん』に居酒屋で飲みながら話して聞かせた。
俺としては、あの時の『りっくん』の心情などを聞きたかったのだが……
「はは、あったなぁ、そんなこと」
そう言って笑うと、りっくんはスマホの画面を俺に見せた。
「これ、こないだうちの妻と子供とお義母さんで旅行に行ってきたんだけど、ゴーカート乗ってさ……」
俺の話はさらっと流され、幸せな画像を見せつけてきて、なにか、自分語りまで始まってしまった。
まったく、大人の放課後はつらいぜ……

10/10/2024, 4:16:24 PM


年をとると涙もろくなる。
現に俺も映画や漫画などを見ていると、ふとした拍子に涙が溢れ出て来る。
子供が奮闘しているシーンなんかは、なぜかは分からないが『ガンバレ!!』という気持ちと共に涙が零れてくる。結婚してないし、子供もいないが……
最近だと、ラッコの赤ちゃんが初めてお腹でブロックをカチカチやったシーンをテレビで見て泣いてしまった。俺の人生において、これから先も、いっさい関係ないだろうに……

……とにかく、もっと建設的な涙の理由を考えるべきだ。
本日のテーマ『涙の理由』
そこで本格的に頭を捻って考えてみる。
ここ最近、一番、本気で泣いたのっていつだろうと。
……ない。なかった。
そもそも俺は、昔から今まで本気で泣いたことってあるのだろうか。
学生時代の部活の試合で負けても「わり~まけちまったぁ~」ってゴクーみたいにヘラヘラしてた気がするし、車の教習所の仮免落ちた時も「なんでなん?」って真顔で呟いてた気がするし、貯金の残高が10万きった時も「ギリ生き延びられるか……」とたかをくくっていた。
敗北だらけの人生なのに、俺には本気で悔しがった経験がないのだ。
甲子園や格闘技の試合なんかで負けて泣いている人の感情が俺には分からない。
いや、言語化すればギリギリわかる。たぶん、こういうことだろう。これ以上ないくらい頑張って自分を追い込んで、それでも自分より上の連中がいて敵わなかった、あるいは本気の自分のベストコンディションを出し切れなかった、そういうのが悔しいのだろう。
だが、俺からしてみれば俺より強いやつは強い、しゃあないって感じだ。悔しくもなんともない。強かったぜ、後は勝手に頑張ってくれって感じである。涙は一滴たりとも溢れてこない。たぶん、俺がそこまで自分を追い込んでいない証拠だろう。部活の練習も、教習所の勉強も、たぶんそんなふうに適当だったのだ。しらずしらずのうちに自分に逃げ道を残していたのだと思う。負けても落ち込まないように……
書いてて情けなくなって涙まで出てきた。

だが、今からでも遅くはないはずだ。なにかを始めるのに遅いということはない。
そう、明日からでも始めるべきだ。本気で何かに取り組むのだ。『涙の理由』を見つけるために!!
だが、なにを頑張り、涙すればいいのだろう……
仕事、だろうか? 本気でカラアゲをパックに詰め込むのか? そして泣くのか? そんなの、ただのやばいやつだ。
もしくは、本気で酒を飲みながらユーチューブを見て泣いてみるか? そして、酔っぱらった頭で考えたウザいコメントをコメント欄に書き込むのか。それはそれでただの厄介な飲んだくれファンだ。別の意味で翌日、自分のコメントを見返して泣きたくなる。

「だめだ、俺には何もない……ううぅ…」
絶望し、ゴミだらけの狭い部屋の中で頭を抱えて唸る。
涙は出ない。が、心は泣いていた。

10/7/2024, 9:41:58 AM

本日のテーマ『過ぎた日を想う』

「後悔先に立たず」というコトワザがある。
後になってから、いくら悔やんでも過去のことは取り返しがつかないという意味だ。
俺には、その経験がいくつもある。
たとえば、専門学生時代と会社員時代……
あの頃、変な夢に妄信せず、仕事を辞めずに真面目に働いていれば今頃は年収も年相応であったはずだ。だが、俺は逃げた。
おかげさまで、今ではカラアゲをパック詰めする仕事をこなしてギリギリで生計を立てている。
たとえば、高校生時代……
好きだった人に「好きです」と伝えられるだけの勇気があれば、うまくいくとは思えないが、仮にうまくいっていれば、俺はその人だけを愛してその人を守る人生を選べたはずだ。こんな所でカラアゲをパック詰めせずに、町工場とかで働いて、貧しいながらも幸せに好きな人と暮らせていたかもしれない。
だが、そこからも、俺は逃げた。

そして、現在……
『過ぎた日を想う』……
立派な大人になった俺は、酒を覚えてしまった。
350mlほどのチューハイ缶を一気にグイっと飲み干せば、嫌なことの大半を忘却してしまえる。
過去の過ちも、ついさっき犯したばかりの失態も、その全てを。
そして、翌日、普段はROM専なのに、酒の勢いで調子にのって書き込みした好きなユーチューバーの動画のコメント欄に熱く語り散らしている自分の小っ恥ずかしいコメントを見つけ、二日酔いの頭で読み返しながら思う。
酒はやめようと……

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