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7/25/2025, 6:24:44 AM


本日のテーマ『もしも過去へと行けるなら』
そんなの決まっている。
過去にやらかした自分をブン殴ってわからせるために俺は過去へと戻る。
バカは殴らないと理解できないのだ。
と、いうことで早速、過去へと戻ろう。タイムマシンに乗って。

最初に俺が訪れたのは当時17歳であった高校生の俺の世界。
真面目であることや熱い思いを口に出していうのがダサいと思っていて、本当はとても元気なくせにいつも気だるげな雰囲気を出していた17歳の俺の様子を覗う。
0時を回った深夜、ヤツは実家の自室で思い悩んでいた。
その日は3月14日…ホワイトデーだった。
ホワイトデー、それは……
一般的にバレンタインデーにチョコレートなどをもらった男性がそのお返しとしてキャンディ、他にもマシュマロ、ホワイトチョコレートなどのプレゼントを女性へ贈る日とされている。
17歳の俺は小癪にもバレンタインデーに女子生徒からチョコレートを貰っていた。そして、生意気にもホワイトデーにそのお返しとしてデパートで少しお高いをクッキーを購入していた。
だが、バレンタインデーにチョコを貰った返礼として女子生徒にクッキーを渡すのを躊躇っているようだった。
なぜか……?なぜだろう……?
今の成熟した俺なら迷わずクッキーを渡す。「あの時はチョコありがとね~。いやあ、美味しかったよ。これ、お返し、ほい」ってなもんだ。
しかし精神的に未熟極まりない17歳の俺にはどうしてもそれができなかった。たぶん、恥ずかしいのだろう。女子にお返しとしてクッキーを渡すのが。だからこそ、ホワイトデー当日の深夜になってクッキーを女子生徒に渡すか渡さないかなんていうどうでもいいことで真剣に頭を悩ませているのだ。
もう既にクッキーを購入しているのだから渡せよって話だが……
「はあ……」
諦めたかのように溜息を吐いてクッキーを自分で食べようとする17歳の俺の前に、今の俺が窓を突き破って颯爽と現れる。
「あほか!お前は!」
17歳の俺の顔面に容赦なく右ストレートをぶっ放す現在の俺。
「ぐはああ」とぶっ飛んで何がなんだか分からないといった表情でキョトンとしている17歳の俺に向かって説教をかます。
「いいか、よく聞け! お前が勝手に感じている恥ずかしいとか周りから茶化されるかもとか、そういう心配は二の次なんだよ! 大事なのはお前にチョコをくれた女子への……」
だが大事なところを伝える前に俺の体を青白い光が包み込む。気が付くと俺は現代のボロアパートへと戻されてしまっていた。おそらく歴史を変える可能性があったのでタイムパトロールによって強制送還されたのだろう。

やはり過去は変えられないようだ。
今の俺がわけのわからないおっさんに急に殴られた記憶をもっていないのがその証明だ。
ならばどうする……
そんなのは決まっている。見据えるのは過去でなく、未来だ。
17歳の俺は自分のことしか考えていなかった。他人の気持ちなど、はっきりいってどうでもよかったのかもしれない。
今の俺は違う。人の気持ちを考えられる立派な大人になった。
だから、今から仕事に行く。『代わりに出てくれませんか?』と頼んできた後輩の気持ちに応えて!

7/8/2025, 8:38:09 AM


本日のテーマ『願い事』
仕事終わり、スーパーに寄った。ホールにある休憩スペースに笹と短冊が飾られていた。それを目にして俺はようやく気がついた。
昨日は七夕だった。
そうはいっても歴史について詳しく知っているわけではない。民俗学に明るいわけでもない。俺が知っているのはせいぜい、ヒコボシ様とオリヒメ様というなにか神様的な存在の人たちが一年に一回会える日という事実だけだ。
まぁ、おめでたい日なのであろう。だからこそ皆もその一年に一回だけ会える二人の再会にあやかってお願い事を短冊に書いて笹につるすのだろう。実際、俺がヒコボシ様だったらその日は浮かれてるだろうから少しくらいのお願いなら「いいよ、叶えてあげるよ」って感じで聞いてあげると思う。
と、くだらない余談はここまでにして……
俺は短冊に書かれた願い事を見つめながら思った。
(みんな、結構、現金だな)
書かれていた願い事の多くは具体性を帯びたものだった。それはたとえば「幸せになりたい」だとか「健康でありますように」って願い事ではなくて、「ユーチューブの登録者が1万人にいきますように」とか「今年中に目標額まで貯められますように」とか、そういう感じの願い事が目についた。
もちろん俺が意図してそういう変わったものを拾っていた可能性はあるが……
断っておくが文句を口にするつもりはない。俺がそれらを見て思ったのは、「そんな感じでもいいの?」って感想だけだ。
俺的には神様にお願いするのだから建前というか、ここは嘘でも「皆が健康にいられますように」ってな感じで欲を出さないほうが、神様側としても「あー、じゃあ、まあ、片手間だけど君らのこと注視しとくよ」って気にかけてくれるような気がしていたからだ。
すこし邪な気持ちが湧いた。
短冊が置いてあり、「ご自由にどうぞ」と書かれていて、皆が思い思いの願い事を書いているのならば俺だって好きに書いていいはずだ、と。匿名なのだから誰になにの気を遣う必要もない、と。
しかし俺は結局、何も書かずに立ち去った。立ち去り、スーパーでカットサラダとお惣菜のヤンニョムチキンとハイボールを買って帰った。
ベツに何か心を震わせる出来事があったわけではない。短冊の願い事の中に俺の心を揺さぶる純粋無垢な子供の願い事があったとか、誰かに声をかけられて諭されたとかではないのだ。
単純に、休憩ホールに飾ってある短冊を近くによって見ているだけで、皆からめっちゃ見られるのだ。もうそりゃ、あいつなにやってんだ?って感じで。
逆に聞きたい、皆はあの状況で願い事を書いて短冊を笹に飾ったのか?どんなメンタルしてるんだ。

7/4/2025, 11:20:00 AM


本日のお題「青い風」

昔、俺は曲がったことが許せなかった。
大人は全員、汚いと思っていた。お金持ちは全員、悪いことをやっていると根拠もなく信じこんでいた。
そんな俺だから当然、大人に反発した。
お世話になった先生方に「うるさい!なにもわかってないくせに!」
いつも優しかった母さんに対して「しったふうなこというなよ!」
ううん、青い。青い風が吹いているのを感じる。
そして俺は大人になった。
職場の後輩から時たま言われるのだ。「この会社は〇〇がおかしい」と。
俺もそう感じる。
俺個人の意見はこうだ。
「嫌なら辞めればいいじゃない。そういうもんだよ」
そう伝えようとした時にふと頭の中に出てくるのは、かつての恩師たちや母さんの言葉だ。
俺は頭の中に浮かんだその言葉を彼らにそのまま伝えている。
「そんなこといわないで、もう少し頑張ってみよう」
当時はなにも響かなかった言葉だ。なにいってんだこいつらとすら思っていた。だが、今ならわかる。
きっと若い彼らにも伝わらないだろう。なにいってんだコイツ?と思われるだろう。
だが、いつの日か彼らにも伝わってほしい。青い風の伝播ってやつだ

5/9/2025, 11:18:26 AM


本日のテーマ『夢を描け』

描く。夢を。ノートに。

最初の1ページ目に『ケーキ屋さんになりたい』と書いた。
母さんが毎年誕生日に買ってきてくれるイチゴの乗ったショートケーキが好きだったから。
でも皆から男のくせに変なのと馬鹿にされて恥ずかしかったので破り捨てた。
2ページ目に『宇宙飛行士になりたい』と書いた。
俺が小学生の頃に人気だった職業だから。
本当はたいしてなりたくなかったし興味もなかったのですぐに破り捨てた。
3ページ目に『漫画家になりたい』と書いた。
自分より遥かに絵を描くのが上手い同級生がいて、その人の描いた絵を見た時にページを破り捨ててノートごと踏みつけたくなったがなんとか我慢した。
4ページ目に『インテリアデザイナーになりたい』と書いた。
専門学校にまで通ったのに普通になれなかったので破り捨てた。
5ページ目に『お金持ちになりたい』と書いた。
通帳の残高を見ると悲しくなってくるので考えるのをやめた。

なんだこれは……俺にどうしろっていうんだ……!夢も希望もなにもないぞ!
夢を描くノートに残っているページの枚数も中盤くらいに差し掛かってきている。
ここらでなんとか軌道修正しないと、チラシの裏に書いた感想文のまま俺の人生は終わってしまうかもしれない。
なにか、なにかないのだろうか、俺にはもう夢がないのか……
そんなふうに考えながら、どこに持ち込むでもない、誰に見せるでもない漫画を一人で描いている。
6ページ目には加えられない。漫画でいうところの外伝ってやつだ。

4/23/2025, 12:51:55 PM


目まぐるしく過ぎた4月も終盤に入った。
もうすぐ皆が心待ちにしていたGW(ゴールデンウィーク)がやってくる。
直訳すると黄金週間。
今年のソレは最長で11連休もあるそうだ。それだけ休みがあれば何でもやり放題で、その気になれば徳川の隠された埋蔵金を求めてトレジャーハンティングに時間を費やすことも可能である。
上手く事が運べば大判小判がザックザクでウハウハの、まさしく黄金週間といった感じだ。
まぁそんな簡単に妄想が現実化するわけない。
だいたい一般の人は11連休も休みを与えて貰えない。そこまでたくさん休めるのは大手の企業に務めている人とか経営者の人くらいのものである。
実際、俺だってちょっと無理して無理やり5連休作るので精一杯だったし。
休み明けに連勤になるのを加味して考えると、黄金週間っていうより休日を前借りしてるだけの借金週間って感じだ。
それでも連休は連休である。じゅうぶんにGWの気分を味わえることだろう。
…と、いうわけで、さてGWは『どこへ行こう』
ここで大事なのは出来るだけ具体的に行き先を思考することである。
ぼんやりと、どっか行きたいなぁ、と考えている程度だと結局、何もせずに家に閉じこもって連休を無為に消化してしまう。
たとえば皆さんも今日は仕事の日だから仕事に行く、洗剤のストックが切れたから買い物に行く、余裕を持ってこう考えていると必ず仕事に行くし必ず買い物にいくはずだ。
そう、大事なのは、やれるかやれないかではなく、好きか嫌いかでもなく、目的を事前に決めているかどうかだけなのだ。
なのでせっかくだしココで目的を決めてしまおうと思う。
目的……GWにやるべきこと……草津温泉に行く。
数珠繋ぎのように直ぐに答えは出た。
というのも、知ったこっちゃないだろうが俺は無類の温泉好きである。
これまで俺は数えきれないほどの温泉地やスーパー銭湯を湯めぐりしてきている。その過程で右足の小指と薬指の間に水虫までうつされているのに、それでもやめられないくらい好きなのだ。
そんな俺が温泉マニアのメッカといっても差し支えない草津温泉に足を運んだことがない。屈辱でしかない。
草津町公式ユーチューブチャンネルをチャンネル登録しているこの俺が。
行く必要がある。現地名物の銘菓、花いんげん甘納豆も食べてみる必要がある。
GWの5連休という好条件を前にして行かない理由はどこにもなかった。

しかし草津温泉は遠い。
行くとしたら泊まりになる。
旅館を今から予約するのは難しいので、ネカフェやビジネスホテルで宿泊することになるだろうが、まぁそれはべつにいい。
それに幸い、金はある。
もちろん散財できるほどはないけど、人生経験のために使用する費用なので、ソシャゲに課金したり使いもしないクレープ製造マシーンや綺麗な丸い氷を作れる製氷機を通販サイトで買うよりかは有益なお金の使い方であるはずだ。

とにかく。
今年のGWは草津温泉に行こう。決定だ。
どうか皆、今年のGWは草津温泉「湯畑」湯滝前のライブカメラの映像から目を離さずチェックしていてくれ。
馬鹿でかいリュックを背負って帽子を被った変なヤツがカメラ目線で手を振っていたら、ソイツが俺だ。

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