ぼーっと壁を見つめていた。
気分とは裏腹に明るい、この、静寂に包まれている部屋で、何分も、何時間も、何日も、そうしていた気がする。
そうやって、およそ半日が経っていた。
一点だけを見ていた目が、『あの壁紙のシミ、北海道みたいだな』と錯覚を与えたそのとき、
🎸⚡︎ 〰︎︎ !!🎸⚡︎ 〰︎︎ !!🎸⚡︎ 〰︎︎ !!🎸⚡︎ 〰︎︎ !!
と通常なら、ひとりも漏れず驚くであろう音で設定された通知音が手元で鳴った。ブーブーいうバイブ音が大きく感じられるほど静かな部屋での爆音に海音(みね)は驚くことは無く、ようやっと『あぁ、千賀(ちが)か』と思うまでは海音の体感で三分ほどかかり、実際にはその倍の時間が過ぎていてのは言うまでもなかった。
画面を操作し電話に出た。途端に「おい!大丈夫か?今お前ん家向かってっからな!すぐ着くからな!」となんともうるさ、。静寂に包まれていた十分前とはかけ離れた大音量で早口に喋られる。こちらの話を聞こうとせず、早口に告げられた電話はすぐに切った。しかし、それは彼なりの心遣いであろうと察せられ、それがありがたかった。うるさいのは勘弁だが。
締め切っていた頭は少しばかり回復したが、心はそう簡単には変わらない。またも北海道に似た壁のシミをぼーっと見つめた。
再度海音の頭を使わせたのは、やはり千賀だった。電話から15分ほど経った頃に、ドンドンドンとドアを叩く音とピンポンピンポンとインターホンを鳴らす音が同時に部屋に鳴り響いた。『近所迷惑だろ』と心の中で突っ込むほどには回復しており、重いたいを体をなんとか持ち上げ玄関まで行く。
「聞こえてるって」と、できるだけ感情を込めうざったく言い、
『持つべきものは友だな』と千賀の存在をありがたく思いながら
開けた玄関のドアの前に立っていた親友の、まぶしい笑顔に海音は―
【静寂に包まれた部屋】
あんまり自分の想像を文章化することができなかったです…。
海音は、そして千賀はどうなったのか。
今後の展開はお任せします。
個人的にここにくっついて欲しいですね。
さよなら、バイバイ。
いつもの「またね」を言ってくれると思ったのに。“また”があると思ったのに。まだ、隣に入れると思ったのに。
君が放った別れの言葉からは、「もう会わない。」そう言われた気がした。
実際そう思われていた、と思う。
それがわかっていても、引き止めることはできない自分が悔しくて悔しくて、情けない。
「うん、さよなら。じゃあね、」
―さよならなんて言いたくないけど。
どうか元気で。可能ならば、もう一度。
【別れ際に】
カサ、カサ、カサ
枯れた落ち葉でいっぱいの、暖色のカーペットをふむ度に、
心地よい音が聞こえる。
カーペットをよく見ると、どんぐりがところどころに落ちている。
ヒュー、と吹いた風に寒さを感じて、身をすくめる。
いつもは早まる足も、少しばかり遅くなる。
“あぁ、秋だなぁ”
ビュー、と風が強まってきた。
名残惜しく思うも、寒さには耐えられない。
足早に帰路を歩いていると、ふわっといい匂いが鼻をついた。
“さつまいもだ”
焼き芋の、蜂蜜に似た甘い匂いにつられて行くと、50代くらいのおじいさんが「焼き芋いかが〜」と決して声を張っているわけではないが、しっかりと聞こえる、そんな声で呼びかけている。
ぐぅ〜とお腹が鳴り、聞こえていないかドキドキしつつ、おじいさんに焼き芋ひとつを貰い、代金を渡す。
お礼を言い、あちち、と熱さに驚きながらも、手の中の温もりに秋らしさを感じる。
えもいわれぬ愛おしさを胸に抱き、家に帰った。
【秋🍁】
あんまり納得してないです。
記憶
衰えていく、忘れる
忘れないようカタチに残す、遺す
ノコしたモノで蘇らせる、懐かしむ
残す=全体のうち消費されていない部分
遺す=価値あるものやことに対して、価値の一部でも損ねることなく、その全てを次の代に引き継ぐこと
【形の無いもの】
断片だけ。後日ちゃんと書きます。
『おぅい、無視するなってぇ』
ねちっこくて、嘲笑を明らかに含んでいる声がする。
いや、そんなもの聞こえない。なにも、聞こえないんだ。そうだ、聞こえない。聞こえない。
『なぁ〜あ、いつまで無視すんの?』
クククと喉を鳴らして笑いながら、またも嘲笑する声が。
『おいってぇ』
…うるさい。
『なぁ〜なぁ〜』
…うるさい。
『ククククっ』
うるさい、うるさい、うるさい、うるさい。
「うるさいんだよぉっ!!」ハッ、と我に返る。
しまった、と口を手で覆うももう遅い。
ニチャァという効果音と共に奴が放った。
「みぃ〜つけた」
【声が聞こえる】
久しぶりの更新です