ぼーっと壁を見つめていた。
気分とは裏腹に明るい、この、静寂に包まれている部屋で、何分も、何時間も、何日も、そうしていた気がする。
そうやって、およそ半日が経っていた。
一点だけを見ていた目が、『あの壁紙のシミ、北海道みたいだな』と錯覚を与えたそのとき、
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と通常なら、ひとりも漏れず驚くであろう音で設定された通知音が手元で鳴った。ブーブーいうバイブ音が大きく感じられるほど静かな部屋での爆音に海音(みね)は驚くことは無く、ようやっと『あぁ、千賀(ちが)か』と思うまでは海音の体感で三分ほどかかり、実際にはその倍の時間が過ぎていてのは言うまでもなかった。
画面を操作し電話に出た。途端に「おい!大丈夫か?今お前ん家向かってっからな!すぐ着くからな!」となんともうるさ、。静寂に包まれていた十分前とはかけ離れた大音量で早口に喋られる。こちらの話を聞こうとせず、早口に告げられた電話はすぐに切った。しかし、それは彼なりの心遣いであろうと察せられ、それがありがたかった。うるさいのは勘弁だが。
締め切っていた頭は少しばかり回復したが、心はそう簡単には変わらない。またも北海道に似た壁のシミをぼーっと見つめた。
再度海音の頭を使わせたのは、やはり千賀だった。電話から15分ほど経った頃に、ドンドンドンとドアを叩く音とピンポンピンポンとインターホンを鳴らす音が同時に部屋に鳴り響いた。『近所迷惑だろ』と心の中で突っ込むほどには回復しており、重いたいを体をなんとか持ち上げ玄関まで行く。
「聞こえてるって」と、できるだけ感情を込めうざったく言い、
『持つべきものは友だな』と千賀の存在をありがたく思いながら
開けた玄関のドアの前に立っていた親友の、まぶしい笑顔に海音は―
【静寂に包まれた部屋】
あんまり自分の想像を文章化することができなかったです…。
海音は、そして千賀はどうなったのか。
今後の展開はお任せします。
個人的にここにくっついて欲しいですね。
9/29/2024, 12:40:57 PM