ホシツキ@フィクション

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10/1/2022, 2:59:04 AM

あぁダルい…体が思ったように動かずにフラフラする。

私は脇に体温計を挟む。

このだるさは風邪だ…。

今朝はまだ良かった。おかしくなって来たのは昼過ぎからだ。

扁桃腺が痛くなってきた。

あぁこれは高熱になるやつだ…


私は仕事中だったが、外に出てスポーツドリンクとドリンク剤を購入。

休む訳にはいかない…
それにもう、有給は使い切ってしまったのだ。

いっそコロナだったら有給じゃないのに…

不純な動機かもしれないが、私は無料検査場へ向かう。
いくつか問診をして、検査をする。

結果は陰性。


おかしいかもしれないが私はハァとため息をつく。
陽性であれと願うのは私くらいだろう。



会社に戻ると、いよいよ本格的にフラフラしてきた。
同僚が思わず声をかける。

「大丈夫?顔、真っ青だよ」
「いやぁ、扁桃腺痛くてさ、あ!コロナは陰性でした」
「医務室行っておいでよ!ここは私がしとくから」

ありがたい。同僚様様だ。

私はフラフラしながら医務室へ向かう。

熱を測ると39.6度だった。

あぁこりゃだめだ。
帰ろう。

この高熱だ、きっと明日も高熱だろう。

明日が日曜日で良かった。


【きっと明日も】

というわけでコレは私です。その後発熱外来に行き、扁桃炎とのことで抗生物質やらトローチやら葛根湯やら処方されました…。
明日は更新休むかもですm(_ _)m
がんばれのいいねお待ちしてます_:(´ω`」 ∠):_

9/29/2022, 12:46:32 PM

毎日人がごった返す新宿駅。
私は新宿駅から比較的近い場所に勤めていた。

朝から夜まで、24時間何かしらの雑音が流れている。
人々のざわめき、車のクラクション、電車の音。

20歳になって初めて田舎から出てきた私には、そのあまりにも多い人混みとざわめきに最初はドキドキしていた。

あぁ、これが東京!

おのぼりさんもいいとこだ。高いビルに沢山の店、ちょっと待てばすぐ来る電車。その全てに興奮していた。

だが東京に来て1ヶ月でその高揚感は消え去った。
飽きたし、なによりうるさい。
ただの雑音と化していた。

ブラック企業で会社から帰るのは良くて23時、酷い時には終電も無く、警備の関係上会社で寝泊まりは出来ないため、
その辺のネカフェで過ごすこともしばしば。

朝ぶわっと駅から出てくる人々を見ていると、
『私一人が居なくなっても大丈夫だな。』
と思った。
こんなに沢山の人がいるのに、物凄く孤独を感じた。


『いなくなってみようかな。』

とある月曜日の朝、私はふとそんなことを考えた。
でも仕事は山積み。そう簡単にはいかないだろう。
一瞬ちらりとその仕事のことを考えた。

『でも…』

私は限界だった。

今でてきたばかりの駅をUターンし、適当な電車に飛び乗る。
東京駅で乗り換え、田舎の方へ向かう。
電話は鳴りっぱなしだ。

『もういいや』
私は自分のと、会社用のスマホの電源をオフにする。

名前も聞いたこともあまりない場所に行こう。
そうしてたどり着いた場所は、何にもなかった。

車の音は聞こえるが、ざわめきがない。
それだけで救われた気がした。


ふと駅前のマップが載ってる看板に目をやると、この近くに美術館があるらしい。

特に芸術に興味はないが、何となく行ってみることにした。


入館料を払い、中に入る。

シン、と音が聞こえる。
静寂の音だ。

あぁ、なんと心地いいんだ。

館内は平日の午前だからか、人がいない。
聞こえるのは自分の息づかいと足音だけ。

コツン、、コツン、、、


館内に置いてあるベンチに座る。
じわっと足に血が流れている感覚が私を襲う。
『あぁ、疲れた……生きてる……』


顔を上げると、遠くから小さなお婆さんが来た。
ゆっくりゆっくり歩いてくる。

『なんだかどこかで見た事あるような…?』

いや、私はこの街に初めて来た。知ってる人なんているわけがない。

お婆さんは私の前に立ち止まると小声でこう言った。

「疲れたのかい?大丈夫?」
「…はい。」思わず私も小声で返事をした。


「初めて見る顔だね、どこから来たの?」
「東京です。」
ほぉ、と驚いた顔をしたあと、ニコリと優しい笑みを浮かべる。

「見たところ、本当に疲れているみたいだね、ここは大丈夫。安心しなさい。」

“大丈夫”と“安心”だなんて久しぶりに聞いた言葉だ。

会社でも「大丈夫?」という言葉はかけられたことがない。
気づけば私は涙していた。

静かな館内に私のすすり泣く声が響く。

お婆さんは私の横に座り、背中をさする。

「大丈夫、大丈夫、貴女はもう大丈夫よ。」

そう言った後、お婆さんは急に抱きしめてきた。
シワシワでカサカサの手が私の肩を包む。
不思議と涙はピタリと止まった。


あったかい…。


そう思った瞬間、また、シン、と聞こえた。
隣を見ると、お婆さんは居なかった。

別に怖くはなかった。むしろ心がぽかぽかしている。
「ありがとうございます」
と私は呟いた。

きっとあのお婆さんは “静寂 ”だったのだ。
疲れた人々を癒す、この部屋の静寂。

「私はもう、大丈夫。」
自分とお婆さんに言い聞かせるようにそう呟いた。

私は温かい気持ちのまま、美術館を後にした。


あのお婆さんの既視感。
自分の実家で感じていた感覚だ。

「また会えるんだ。」



私は東京の方へ向かう電車に軽い足取りで飛び乗った。


【静寂に包まれた部屋】~完~


私も静寂好きです。静寂のある部屋、それは自分の家のトイレです。
誰にも邪魔されない、狭くて静かな部屋。
お布団、コタツに次ぐ落ち着く場所です。
あ、でも最近部屋にテント張ったのでそこも落ち着きます。

9/28/2022, 12:03:43 PM

夕方はきらいだ。

ぼくから楽しかった今日をうばっていく。
もう楽しいのは終わりだよって言われている気がしちゃう。
もっともっと友だちとあそびたいのに…。



いつも遊ぶ公園。今日は5人でかくれんぼをすることにした。
ジャンケンでぼくが負けて、みんながいっせいに走り出す。

「いーち、にーい…」



「もーいーかい!」

その後
「もういーよー!」
と声が聞こえた。
ぼくは探すのが得意だ。
あっという間にみんなを見つけた。

何度かかくれんぼを続けてたら、夕方になる。
バイバイの時間がせまってくる。
でも友だちの様子が変だった。

いったんみんなで公園の真ん中に集まる。

「なんかあった?」とぼくはまっさきに聞いた。
「なんかさ、おかしくない?」
リーダーのユウタが言った。
「思った…」
頭のいいマサ君が答える。

ぼくは何が何だか分からないままだ。
頭の上にはてなマークを浮かべる。

他のみんなも分かってないようだった。
みんなフシギそうな、不安そうな顔をする。

「…もう今日は帰ろーぜ!」
ユウタのひと言に異議を唱えるのはいない。

「まだ遊びたいのに…」
ぼくはポツリとつぶやくが、リーダーのユウタの言葉はゼッタイだ。
みんな口々に、「もう夕方じゃん!」「かえろー!」「また明日ねー!」
それぞれが別れの言葉を口にする。

ぼくの家はみんなと反対だから、1人で帰る。


別れ際、誰もぼくの方を見ないで反対方向に歩いて行く。
その時ユウタがぼく以外の友だちにこう言った――




「1番最初、鬼だれだっけ?」

それにマサ君が答える。

「さあ?オレたち、4人で遊んでたよね?」



―――あぁ、これだから夕方はきらいなんだ。
別れ際、みんな同じこと言うんだもん。


【別れ際に】~完~




初めての微かなホラー。文章力の乏しさがうらめしい。
いつも♡︎ありがとうございますm(_ _)m

9/27/2022, 11:26:43 AM

「今日雨降るから、アンタ傘持っていきなさいよ〜」

俺が朝食を食べている横で、食器を洗いながら母が言う。
外はカンカン照りで朝からセミが鳴いている。

テレビの天気予報では気象予報士が
「今日は1日すっきり晴れるでしょう!」
と自信満々に言っていた。

「天気予報、今日晴れだって言ってるよ」

俺は無駄だと思いつつも母に反論する。

「そんなこと言ったって、降るの!」
まったく、と呟きエプロンで手を拭く、そして洗面所へ向かっていった。

母のこういう勘は当たる。


―――昔っからそうだった。

起きた時はどんよりと雲がかかっていて今にも雨が振りそうなのに、小学校へ行こうとすると母が
「今日晴れるよ」
と言った。けれど俺は傘を持っていった。
すると学校へ着いた時にはめちゃくちゃ晴れたのだ――。




荷物が増えるのは嫌だが、濡れるのも嫌なので俺は結局傘を持っていくことにした。
玄関に行くと「持っていけ」とばかりに分かりやすく折りたたみ傘が俺の靴の上に置いてあった。

『言われなくても持ってくよ…』
と諦めの気持ちも含め、母に「いってきます」と言った。


だが外れた。下校の時間になっても雨は降らない。
『外れるなんて初めてだな。』
結局折りたたみ傘は荷物になった。

だが最寄り駅に着いた途端、土砂降りだ。
『当たった』
帰ったら文句を言ってからかう予定だった俺は何だかガッカリした。


「うわー、雨、最悪…」

駅の喧騒の中でもはっきり聞こえた声。
幼馴染のカナだ。俺の心臓はドクンと跳ねた。

「カナ、久しぶり。今帰り?」
「久しぶり!!うん、そうなんだけど…最悪」

そう言ってカナは空を見上げる。

俺はここぞとばかりに折りたたみ傘を差し出した。
「これ使ってよ」
カナは一瞬考えたあと、クスッと笑った。
「もしかして、おばちゃん予報?」
「そう」と言って俺もつられて笑う。

「でも、そしたらあんた濡れちゃうじゃん、だから―」
「いいから!」
俺は半ば無理やり傘を持たせる。
「もう、最後まで聞いてよ、だから!一緒に帰ろうって!」

―――あぁ、母よ、いや、、母神様…!

天にも登るとはこのことか、俺は断る理由など無い。
もちろん快諾した。


駅と俺の家の中間にカナの家がある。俺はドキドキしながら他愛ない話をし、カナと別れた。
ちょうどその時、雨が止んで日が差してきた。



家に帰ると玄関に母がいた。

右肩だけ濡れてる俺を見て、ニヤッと笑ってこういった。


「私の勘、当たりそう!」


【通り雨】~完~




相合傘、、お互い相手を濡らさないように
傘の傾け合戦が始まりますよね。

私だけ?笑


いつも♡︎ありがとうございますm(_ _)m感謝感謝〜!

9/26/2022, 12:19:17 PM

「宮城県の松島では今、紅葉が見頃です!」


カーディガンより夜はコートが必要になってくる東北の秋。
私は旅先の宮城県にあるホテルでテレビを見ていた。

テレビではアナウンサーが笑顔で紅葉を紹介している。

私が宮城県に旅行に来た理由は特にない。
ただ人よりかなり遅めの夏休みだからだ。

家でぼーっと過ごすのも何か嫌だったので、友人も親戚も誰もいない場所に行ってみようと思ったのだ。

でもいざ来てみると、急にだるくなった。

15時からのチェックインを済まし、うだうだとホテルで過ごしている。

これでは旅行に来た意味がない。


『松島かぁ、日本三景、ちょっと見てみたいかも…』

「今日から夜にプロジェクションマッピングや、ライトアップがされるようです!」

アナウンサーが元気よく私を説得しにくる。

「うーん…」

本格的に悩んできたぞ。
行くべきか否か。

『人多いだろうなあ…』


「ぜひ見に来てはいかがでしょうか!以上!松島からの中継でした〜!」

『よし、行こう』

我ながら単純である。ただ旅は単純で良いのではないか?


行きたいから行く。
ただそれだけだ。


私はカーディガンをはおり、松島へと向かった。



案の定人は平日なのに多かった。
私は後から見返すことは無いのにカシャカシャと写真を撮りまくった。
ライトアップされた紅葉は色んな色に染まってとても美しかった。
だが、私はカラフルな紅葉よりも普通のライトに照らされた紅葉そのものの色の方が美しいと思った。


普通のライトならどこでもいいでは無いか、というのは愚問だ。
旅行先の紅葉だからだろうか、自分が知ってる紅葉ではない気がした。
まるで初めて見たものかのように。


今、私はとても楽しい。
寒さを忘れるくらい。

本当に、来てよかった。この気持ちを俳句にするなら、
そうだなぁ…



―――松島や、ああ松島や、松島や


なーんてね。
私は紅葉が沢山詰まったスマホを握りしめ、ホテルへ帰った。


【秋🍁】~完~


数年前に行ったことを思い出して書きました。
牡蠣がとても美味しくて、海鮮丼も美味しくて、日本三景で飲むお酒は何だかいつもより美味しかった(気がしますw)

花より団子、紅葉より牡蠣ですね…笑
東北美味しいもの多くていい場所です(*´ω`*)

皆様いつも♡︎ありがとうございます✨
気づいたら200突破!めちゃくちゃ嬉しいです!泣

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