ホシツキ@フィクション

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夕方はきらいだ。

ぼくから楽しかった今日をうばっていく。
もう楽しいのは終わりだよって言われている気がしちゃう。
もっともっと友だちとあそびたいのに…。



いつも遊ぶ公園。今日は5人でかくれんぼをすることにした。
ジャンケンでぼくが負けて、みんながいっせいに走り出す。

「いーち、にーい…」



「もーいーかい!」

その後
「もういーよー!」
と声が聞こえた。
ぼくは探すのが得意だ。
あっという間にみんなを見つけた。

何度かかくれんぼを続けてたら、夕方になる。
バイバイの時間がせまってくる。
でも友だちの様子が変だった。

いったんみんなで公園の真ん中に集まる。

「なんかあった?」とぼくはまっさきに聞いた。
「なんかさ、おかしくない?」
リーダーのユウタが言った。
「思った…」
頭のいいマサ君が答える。

ぼくは何が何だか分からないままだ。
頭の上にはてなマークを浮かべる。

他のみんなも分かってないようだった。
みんなフシギそうな、不安そうな顔をする。

「…もう今日は帰ろーぜ!」
ユウタのひと言に異議を唱えるのはいない。

「まだ遊びたいのに…」
ぼくはポツリとつぶやくが、リーダーのユウタの言葉はゼッタイだ。
みんな口々に、「もう夕方じゃん!」「かえろー!」「また明日ねー!」
それぞれが別れの言葉を口にする。

ぼくの家はみんなと反対だから、1人で帰る。


別れ際、誰もぼくの方を見ないで反対方向に歩いて行く。
その時ユウタがぼく以外の友だちにこう言った――




「1番最初、鬼だれだっけ?」

それにマサ君が答える。

「さあ?オレたち、4人で遊んでたよね?」



―――あぁ、これだから夕方はきらいなんだ。
別れ際、みんな同じこと言うんだもん。


【別れ際に】~完~




初めての微かなホラー。文章力の乏しさがうらめしい。
いつも♡︎ありがとうございますm(_ _)m

9/28/2022, 12:03:43 PM