徒然

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6/25/2025, 3:01:48 AM

結局、自分の心ひとつだと思う。
艱難辛苦に立ち向かおうと心が浮き立てば、荒天雷雨だろうがいっそ清々しく映り、逆に暗澹とした気持ちで途方に暮れれば、蒼天だろうが眼を刺すように無慈悲に映る。
空など自分の主観でどうとでも変わってしまう。空はどうとでも受け止めてくれる。
空はこんなにも、懐が深い。

6/23/2025, 6:13:05 AM

縋りつくなんて真似、みっともなくてできないと思っていた。
好意という感情に振り回されて自制を失うなど、愚か者のすることだとも思っていた。
違う。
自分がそんな情動に呑まれてしまうのが怖かっただけだ。
ずっと恐れを抱いていた感情は、身を任せてみれば存外甘美で心地よく、しかし同時に底無しの沼に足を取られたかのように際限がなく。
こんな気持ちをあなたに知られたら、重い奴だと忌避されないだろうか。潰しはしないだろうか。去っていかないだろうか。
そんな新たな恐れを抱きながら、それを決して悟らせまいと、あなたの手に自分の手をそっと重ねる。感情に蓋を被せるような慎重さで乗せた掌の隙間から、それでもほんの僅かにどろりと漏れた情念が、か細い掠れた音となって唇からこぼれた。
「どこにもいかないで」

6/22/2025, 12:05:43 AM

心からの敬意と、大きな憧れと、ほんの少しの羨望と。
それらを抱えながらあなたの背を追い続けている。
「師が針で、弟子は糸。針は糸を導いて先をゆくが、いずれ抜けていなくなるものだ」
その言葉どおり、とうにあなたはいなくなったが、未だに私はいなくなったあなたの背を見つめ追い続けている。何かとてつもないことをやり遂げる偉大な人間にはなれないが、せめてあなたに、自分に恥じない生き方をしたいと誓い、願う。

6/20/2025, 2:29:14 AM

紫陽花の葉に溜まった雨滴の香りを嗅ぐ。鼻の奥が沁みるようにツンとするのは、湿った植物から立ち昇る独特の匂いのせいばかりではなく。
雨はわずかながらに勢いを増して、けれど静かに降り続く。私は自分の身体を濡れるに任せたまま立ちつくす。
今日のかなしい出来事に、耐えきれずこぼれた涙の跡を、雨の香りのせいなのだと私は自分自身に言い訳する。

6/18/2025, 8:55:14 AM

どんなに途方もない願いでも、どんなに困難な望みでも、乞い続け、恋い続け、請い続ける限り手を伸ばさずにはいられない。

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