徒然

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6/17/2025, 8:55:57 AM

およそ三十年ぶりに訪ねた町は、すっかり様相を変えていた。
かつて自分が住んでいた家は残っていたが、周辺の家屋は記憶のままなところもあれば、新たな家が建っているところもある。なかには何があったか思い出せない空き地もあった。
当時工事中だった新たな車道は開通して久しく、それどころか全く知らない新しい道もできている。
スマホで地図アプリを起動する。少し離れた場所に公園があったはずだが、朧げな記憶の中の道順と、アプリ上に示されている順路がどうにも噛み合わない。当時田畑だった場所が軒並み宅地化してしまったせいだろうか、昔何度も通ったはずなのに、知っていたはずの道ですら知らない道のようだ。
記憶の中の地図は、すっかり当てにならない代物と化してしまった。

6/14/2025, 3:13:17 PM

もしも君が、なんてそんな仮定は私にとっては無意味だ。
ここに至るまでに存在した無数の分岐の中で、無数のもしもを一切選択しなかったその果てに、今こうして私のそばにいてくれるのならば。
私にとって大切なのはそれだけだからだ。

6/14/2025, 9:42:19 AM

もしも人生が、ピアノの鍵盤上でステップを踏むようなものだとするならば。
ある時は駆けるように、ある時は歩く早さで、ある時はごくゆっくりと。
ある時は白鍵を迷いなく走り抜け、またある時には寄り道するように黒鍵にそっと足を乗せ。
その場で足踏みを続けることもあれば、それすらできないこともあるかもしれない。
その過程で夢叶っても夢破れても、望んだ道へと進めても進めなくても、栄光の階段を登っても転がり落ちて無様を晒すことがあっても、やがてそこにはその人だけの旋律が出来上がる。
生きるということをひたむきに続けてきた人の、唯一無二の音楽が。

6/13/2025, 7:04:49 AM

『I love』の後に思い浮かぶ、あの人の名前。あの方の名前。あいつの名前。あのこの名前。
そんな誰かがいる、それだけで恐らく自分はとても幸せ者なのだろう。

6/11/2025, 9:00:36 PM

ひとりになりたい時がある。
そんな時、静かな雨音は外界との繋がりを遮断してくれる。
空から落ちる銀の糸が、そのまま薄衣となって自分の身を淡く包んでくれるような心地さえする。
だから私は雨の日が決して嫌いではない。

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