記録
◯月◯日 ◯曜日 体調:良好
今日は、調子が良い日だった。いつもの身体中の痛みはあまり無かったし、何かを忘れた時の消失感も無かった。
それ以外は特に無い。非常に平和だ。
◯月◯日 ◯曜日 体調:頭痛[弱]
今日は、少しの頭痛があった。天気が良かったのもあるかも。いや、ここで書いとくが天気は関係ない。気持ちの問題だ。消失感は無かった。
それ以外は、町中で彼(望晴)の弟(双子)らしき人物を見つけた。随分小さかったので、もし本当に彼の弟なのであれば、今世は彼と歳が大きく離れているかもしれない。
◯月◯日 ◯曜日 体調:不調
今日は天気が悪く、呪い関係なく具合が悪かった。人間の体も大変なものだ、今世は特に弱い気がする。
なので大人しく寝ていたりした。
そして今日は、消失感が少しあった。最悪だ。何を忘れたのかさえ分からないのだから嫌になる。
いつもなら書かないが、今後の僕に言っておく。 自分が嫌になって本来の目的を忘れないように。以上
◯月◯日 ◯曜日 体調:良好?
はじめまして、僕の名前は叶斗。
なんか知らない場所で寝てたからもしかしたら、と思ったら、予想通りだった。机の上にこの日記が置いてあったから良かった。
どうやら前の叶斗は消えたらしい、というより全部忘れたから僕が出たのかな?
にしても予想できなかったことには変わらない。
日記をみる限り、今の僕とは性格が違いそうだし、書く内容も少し変わるかも。
取り敢えず、僕は双子に会ってみようと思う。彼関連じゃなくてもいいから話してみよう。
◯月◯日 ◯曜日 体調:良好
おいおい、前の叶斗さんよぉ。あんた、すごいぞ全く。
前の僕の勘は合っていた。まさに彼の弟だ。あ、一応書いとく。彼というのは望晴だ。大丈夫だろうけど、読み方はミハルな。
町の中でたまたま、運良く、見つけたので話しかけたら怪訝そうにこちらを見てきたが、悪くない人間だと辛抱強く話しかけるとそれなりに仲良くなれた。
兄がいるとの話もあったので、まぁ、ほぼ確定だろう。
◯月◯日 ◯曜日
この日記を双子に預けることにした。目的を思い出したからだ。
いいか、これを読んだ、今の僕じゃない叶斗。
呪いの元凶のアイツを殺せば呪いは消える。
アイツに気付かれば自殺をするだろうが、忘れるな、アイツを殺さねば呪いはそのままだ、自殺は意味がない。
最初、呪いをかけてきた時、アイツは僕が攻撃を仕掛ける前に自害した。なんでか最初はわからなかったが呪いの条件なのだろう。
アイツを殺せば、望晴は、弟達は、母は、僕は、
解放されるから。
容易じゃないし、多分下手したら自分も死ぬけど、
彼が、死んでしまうよりかは、良いかな。
じゃあ、また、来世で。
(補足、日記は僕の能力で来世にも読めるようになってる。憎き能力が役に立ってて皮肉だね☆)
「なん、だよこれ。」
仲良くなった友人に預けられた日記を、机から落としてしまい、拾おうとしたら中身が見えてしまっていた。
まさか、こんな内容が書いていたなんて
「っ、!?」
頭に、突然痛みが走る。椅子と共に倒れ込みガタンッ、と音を立てる。下の部屋に聞こえたのか下の階から「どうした!?凄い音がなったけど!!」と兄の声が聞こえる。
が、返事を出せないので無視をする。だって頭が痛いんだ、しょうがないだろう。
急いで階段を上る音が聞こえる。そんな慌てんなよ、叶斗兄さんが心配するぞ。
ん?
「叶斗、兄さん?」
俺は、どうして、
「あの人を、忘れてた…?」
いつも無表情で、いけ好かない顔した叶斗兄さん。
そんな叶斗兄さんに、好意を持っていた望晴兄さんはいつも笑わせようとしたり、外に連れたり、いつも俺達を巻き込んできた。
最初は好きじゃなかった、なんなら、嫌いだったけど、今はそんなことない。
叶斗兄さんを少しづつ知って、仲も、良くなって、記憶が消える呪いというのに苦しんでいると知ったとき助けになりたいと思った。
俺は記録する、というのが得意だった。
だから、忘れたくない思い出があったら話してくれないかって、言ったんだ。
でも、話したくないものもあるだろうし、日記に書くのはどうだろう、という提案で日記を付けることでこの習慣が出来上がったんだ。
覚えて、いなければいけなかったのに。
「明記っ!大丈夫か!?」
倒れた俺を支えてくれる望晴兄さん。
「ぅ、ん…なんか、体調悪かったみたい、目眩しちゃってさ」
「こりゃ、晴夏に心配されるぞ?下手したら監禁…」
「…あり得るから辞めて」
はは…と苦笑いをする望晴兄さんは、俺をベッドまで運んで俺を寝かせると、俺の頭に手を乗せ撫でてくる。
…どこまでも、優しい人だ。
だから、叶斗兄さんのためにも、望晴兄さんを守ろう。
日記も、大切に保管して、帰りを待とう。
「だから、」
帰ってきて、叶斗
題-誰も知らない秘密
トン トン トン ザクッ
「あっ、」
夕飯を作るためにキャベツを切っていたら、
指を間違えて切ってしまった。
しかも、結構ざっくりと。
「…取り敢えず、止血」
傷口を押さえて、なんとか処置はできた。
「………、」
今世は、一度も痛みを感じたことがない。
というより、前世も、であったが。
精神的なストレスで、とか
病気、であったりとか
病院に行っても判明はしなくて
「……っ、」
恐らく、これは、呪いだろう。
今世だけでなく、前世でも痛みを感じなかったんだ。
「大切な、一つ、なのに」
痛みは、誰だって嫌だろう。
でも、痛い、という感覚は、大事な感覚だ。
僕が、まだ、人間じゃなかった頃。
常に体中が痛みに包まれていた。
何時だって、身体は痛かったのに。
「…こんなんで、アイツを守れるのか…?」
僕よりも弱いくせに、僕を背に、
守ってくれたアイツ。
どんなに危ないと言っても、
首を縦には振らなかった。
『君が好きだからさ。格好つけさせてよ。』
前世は、そう言ってアイツは死んだ。
痛かったろうに、苦しかったろうに。
辛かった、だろうに
「………ぁ」
僕は、何故、気づかなかったのだろうか。
「っ、なんで庇った!!」
目の前の彼はそう、僕に叫ぶ。
僕が彼の言葉に返事をしようとすると、
「ゴホッ、」
「!!」
喉の奥から何かが這い出てくる。
鉄の、味がした。
「もう、いい。」
「…」
「はなさなくて、っいいから」
彼が、珍しく泣いていて。
「ケホッ…」
「…!」
こんな状況にも関わらず、愛しいな、と思ってしまった。
彼の頬に手を伸ばすと、彼は目を見開いて、
僕の手に触れる。
触れた彼の手は震えていて、弱った彼に少し微笑む。
「、み…っ、る」
「!、なぁに、かな、と」
今回は、僕が死ぬ。
だから、来世は、彼を、望晴(みはる)を忘れるだろう。
「ら、いせは……」
どうか、ぼくをみつけてね。
あいしてる
僕は、彼の温かさに包まれながら
意識を薄めていく。
来世はどうか、彼と幸せになりたい。
もし、また、殺されそうになったら
僕が死にたい。
誰よりも、何よりも
[生きる]事を望んでいた僕が
初めて、[死]を望んだ日。
もう一つの物語
僕には恋人がいる。
お互い同性同士だ。
他の人にはよく思われないかもしれない。
でも、彼は、僕は、互いを愛してやまないのだ。
今日も彼と手をつないで眠る。
彼を愛して良かった、
僕を見てもらえて良かった、
そう思いながら彼の夢を見る。
私には恋人がいた。
異性同士の恋愛だ。
彼は私を救ってくれた恩人ともいえる人だ。
互いに惹かれ合い、恋人にもなれた。
だが、彼は病気で亡くなった。
涙はでなかった、
彼のほうが辛かったから。
私は今日も思い出に浸る。
目の前の黒い海には、大きな月が映っている。
嗚呼、次はどうか、
「私よりも永く、生きてください。」
そう言って、私は黒い海に足を踏み入れた。
「行かないで」
玄関にかけていた手を掴まれる。
彼がこんなことをするなんて珍しい。
「どうしたの?」
そんな言葉をかける。
「今日は行かないで。」
彼は俯いたまま答える。
何か不安なことでもあるのだろうか。
こんなことは初めてなので、嬉しいよりも驚きが勝っている。
「理由、教えてくれない?」
彼は顔を上げた。
涙が浮かんでいた。
「嫌な予感がするんだ。もしかしたら、命に関わることかもしれない。」
彼はとうとう泣き出してしまった。
「怖い夢でも見たの?」
彼は顔を横に振る。
「本当に今日はダメなんだ。行っちゃだめ。行かないで。」
いつもの彼からは想像できないくらい必死だ。
今日は重要なことは無かったので、有給を取ることにした。
仕事を休むと言ったら、彼は安心したのかその場で寝てしまった。
仕方ない、寝室に運んであげよう。
今日は嫌な夢を見た。
俺の恋人が死ぬ夢だ。
夢を見て不安にならないわけがない。
だが、彼に心配させたくない。
だから、今日もいつものように彼を見送った。
彼は次の日になっても帰ってこなかった。
連絡もつかない。
警察に連絡し、俺も仕事場やよく彼と行った場所を周った。
それでも見つからなかった。
という夢を見た。
が、また、彼がいなくなる夢を見た。
毎回原因が異っていた。
だから今日は伝える。
彼がいなくならないように。
「行かないで」
きっと明日も
だるいな。早く寝て早く起きても。
朝ご飯は気持ち悪くなる。
でも、少しでも食べないと。
学校に行くまでの時間もめんどくさい。
電車は混むし、歩いて学校に行くのも疲れる。
二学期が始まってから約一ヶ月経つ。
一番仲良くしていた友達が一回も学校に来なかった。
友達は他にもいるけど、
やっぱり自分は浮いてると思ってしまう。
今日も自分を演じて学校を過ごす。
家に帰ればどうだったと聞かれ、
いつも通り!と答える。
友達が来なかったとも。
絵を描いて、小説を考えて、
でも楽器の練習をしなくちゃいけなくて。
自分が選んだことを後悔して。
今日もまた、推しに会うためにゲームを開く。
君だけが私の心を軽くしてくれる。
現実逃避をして、何も考えたくなくて。
朝を望まず、朝を嫌って。
今日も夜を生きていく。