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10/29/2024, 2:22:33 PM

もう一つの物語



僕には恋人がいる。
お互い同性同士だ。

他の人にはよく思われないかもしれない。

でも、彼は、僕は、互いを愛してやまないのだ。

今日も彼と手をつないで眠る。

彼を愛して良かった、

僕を見てもらえて良かった、

そう思いながら彼の夢を見る。





私には恋人がいた。
異性同士の恋愛だ。

彼は私を救ってくれた恩人ともいえる人だ。

互いに惹かれ合い、恋人にもなれた。

だが、彼は病気で亡くなった。

涙はでなかった、

彼のほうが辛かったから。

私は今日も思い出に浸る。

目の前の黒い海には、大きな月が映っている。

嗚呼、次はどうか、

「私よりも永く、生きてください。」

そう言って、私は黒い海に足を踏み入れた。


10/24/2024, 4:32:31 PM

「行かないで」




玄関にかけていた手を掴まれる。

彼がこんなことをするなんて珍しい。

「どうしたの?」

そんな言葉をかける。

「今日は行かないで。」

彼は俯いたまま答える。

何か不安なことでもあるのだろうか。

こんなことは初めてなので、嬉しいよりも驚きが勝っている。

「理由、教えてくれない?」

彼は顔を上げた。

涙が浮かんでいた。

「嫌な予感がするんだ。もしかしたら、命に関わることかもしれない。」

彼はとうとう泣き出してしまった。

「怖い夢でも見たの?」

彼は顔を横に振る。

「本当に今日はダメなんだ。行っちゃだめ。行かないで。」

いつもの彼からは想像できないくらい必死だ。

今日は重要なことは無かったので、有給を取ることにした。

仕事を休むと言ったら、彼は安心したのかその場で寝てしまった。

仕方ない、寝室に運んであげよう。







今日は嫌な夢を見た。

俺の恋人が死ぬ夢だ。

夢を見て不安にならないわけがない。

だが、彼に心配させたくない。

だから、今日もいつものように彼を見送った。



彼は次の日になっても帰ってこなかった。

連絡もつかない。

警察に連絡し、俺も仕事場やよく彼と行った場所を周った。

それでも見つからなかった。



という夢を見た。

が、また、彼がいなくなる夢を見た。

毎回原因が異っていた。

だから今日は伝える。

彼がいなくならないように。




「行かないで」


9/30/2024, 1:25:18 PM

きっと明日も





だるいな。早く寝て早く起きても。
朝ご飯は気持ち悪くなる。
でも、少しでも食べないと。
学校に行くまでの時間もめんどくさい。
電車は混むし、歩いて学校に行くのも疲れる。
二学期が始まってから約一ヶ月経つ。
一番仲良くしていた友達が一回も学校に来なかった。
友達は他にもいるけど、
やっぱり自分は浮いてると思ってしまう。
今日も自分を演じて学校を過ごす。
家に帰ればどうだったと聞かれ、
いつも通り!と答える。
友達が来なかったとも。
絵を描いて、小説を考えて、
でも楽器の練習をしなくちゃいけなくて。
自分が選んだことを後悔して。
今日もまた、推しに会うためにゲームを開く。



君だけが私の心を軽くしてくれる。



現実逃避をして、何も考えたくなくて。
朝を望まず、朝を嫌って。

今日も夜を生きていく。

9/13/2024, 2:18:31 PM

夜明け前




「つ、疲れたぁ…」

宿題あるの夜に気付いて急いでやったけど…

「あんらぁ。明るいわぁ。」

窓の外を見ると、少し明るくなっていた。
時計を見ると

「3時半……。」

3時半って明るくなり始めるんだなぁ(脳死)

「……今から寝るべきなんだけど…。」

恋人がベッドで寝ていると思うのだが、
起こしたくないんだよなぁ()

「こっそり行けば大丈夫かな…?」





ドアをゆっくりと開ける。

「…。」

起きてない。

「セーf」
「何がセーフだって?」

………

「…おはよう!」

「……誤魔化しても意味ないからな?」

だめだった。




ぱっと目が覚める。
隣に恋人がいない。
時計を見ると3時半を指していた。

「……はぁ。また夜更かしか。」

俺の恋人は、よく夜更かしをする。
元々隈ができやすいタイプなのか、
隈は常にある。
慣れすぎて隈が無くなった時は
びっくりするくらいだ。

「…そろそろ来るか。」

足音が聞こえる。
宿題が終わったのだろう。
次からは一緒にやらないとな…。

ドアがゆっくりと開く。

「…。」

寝てるふりをする。

「セーf」
「何がセーフだって?」

明かりがでてきてる時点で全然セーフではない。

「…おはよう!」
「……誤魔化しても意味ないからな?」

目の前の恋人は俯く。

「…ごめん。」

そう言って抱きついてくる。
………可愛いと思ってしまったことを許せ。

「…いいよ。でもさ、次は俺手伝うから言って?」

そう言って恋人を包む様にハグをする。

「うん…ありがとう。」




「……いい加減寝よっか。」

時計は4時を回っている。

「……ごめん。」

しばらくハグをしていたみたいだ。

「…俺が朝準備するからさ、ギリギリまで寝てて。」

「えっ。」

正直ありがたいが…

「…多分僕、ぶっ叩いても起きないかもだよ?」

「その時はおぶって学校行くよ。」

「…頑張って起きるね。」

「頑張れ。」

ニッコニコの笑顔でした。  by 僕




「おやすみ。」

「うん、おやすみ。」