たった一掴み残った希望に縋っている。足の先が僅かに処刑台を掠っている。朝目が覚めるよりは辛うじてマシな程度の『痛み』…致死量だけ分けてくれる?
あなたの泣き声が耳に残っている。酸いばかり噛み締めた舌が腐っているんだね。優しい沈黙を押し流してしまった優しさはまるで踏切みたいだった。渡れないな。永遠って言葉の意味を知らないで使っていた子供の頃に戻れないな。戻りたいの?あの許しがたい過ちの日々に。
『絶望』って呼びたいのを迷って口に出した『希望』の音読が苦々しいばっかりだったのをよく覚えている。嘘つきになって、裏切りになって、みんなが笑っていたのが救いだったとしたってたぶん誰かは泣いていたんでしょう。
「【問】しあわせな人間は存在していいんだろうか?」
誰かを抱きしめるためにあるんだって言っていた…それは、あなたが悲しい人だから言えるんじゃないのかな、って思いながら、「生きているだけで傷つけてごめんなさい」の立場のまんま誰が安らげるんだろう?
だけど、それはせめて、少しでも(明日なんて来なければいいんだ!)って、子どもたちが泣かない世界であるように。
一日一枚書いたんです。実はね。「なんのため」って、
聞かれたら困るけど、だけど大体タイトルは『愛』なのです。そんな世界つまんないよ。
見えるものが変わっても地図はね、赤いピンを取らないもんなのです。「信じたい」って気持ちが解なら悩む必要はわかんないよ。
右左して渡る交差点、規律遵守が即ち『愛』なのです。「正しく在りたい!」って、「理性!」って、叫ぶ獣欲と生きる道。
昔あったものが今もあるとは限らないけれど…、あったほうがいいのかもわからない、よね?
「言い訳みたいに聞こえるよ。」って嫌がってたのをなんか覚えてるな。顔向けできる人ばかりと会ってきていないし。世界の楽しいもの全部を楽しみつくせるわけじゃないから寂しいね。
連絡返してよって文字を通知で読んだけど、返すのには気合がいるからあんまりそういうふうにはできなかった。会っていないから合いたくないし。そんなに後悔だって、 たぶん、しない。
君は今何をしてるのか、まさか知りたいわけじゃない。今になったらもうわからないね。って、言う日を待ってるような気がする。
「隣の席の子とは席が変わったら話さなくなるみたいに、運命とか巡り合わせみたいなものがあって、逆らうのは無粋なような気がするよ。」
なんてことを言いながらお気に入りの靴ばかり履いているから、すぐに履き潰してしまう。何年を一緒に過ごすことはなくて通り過ぎていくものばかりだ。その中で積もっていくものがある。流れていく川の中で、底に溜まっていく砂みたいに微かに。
「一人になったらどうするの」
たぶん、毎日に寂しさが足りない。このくらいが好き、は言わなくたって持っているし。世界に呑み込まれていく感じで、お腹の中で揉まれているのは息苦しくていけない。手と手を取りあうのは近すぎていて好きじゃないから、愛しさのつもりで足を引いた。
ショッピングモールの中は穏やかな音楽が流れていて、映画館みたいだね、映画館、苦手だから、覚えていないくせに考えてみる。刺々しい気持ちにはあんまりなりたくないし、凪いだまんまでたまに喜びの波を乗り越えるようなふうにやりたいな。
子どもたちが歩いているのはもう放課後だからかな。小さい頃好きだったものをいくつ覚えてる?ね、なかなかうまくいかないね。どうして生きてやろうかな。自意識に溺れてあとから恥じらいたくはないと思っていたけど、あれが本当だとしたらさ。
今更とは言うけれど、身長があと二十センチ伸びたらいいんだけど。それか、小さいときの気持ちをそのまんま思い出せたらいいのかもしれない。無謀なことばかり考えたって埒が明かないね。あんまり苦しくなりたくないし、あんまり醜くなりたくないし、なんにも変わらなくたって受け取り方次第だと思っている、つもりでは、ある。
物語は溢れる気持ちを描くけれど、とにかく手に入れたくないな。認めたくないから足元を見て歩いているの?見たことのあるものばかりでさみしいね。瓶から中身をこぼさないように、よく気を配ってやらなくちゃ。