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 「隣の席の子とは席が変わったら話さなくなるみたいに、運命とか巡り合わせみたいなものがあって、逆らうのは無粋なような気がするよ。」
 なんてことを言いながらお気に入りの靴ばかり履いているから、すぐに履き潰してしまう。何年を一緒に過ごすことはなくて通り過ぎていくものばかりだ。その中で積もっていくものがある。流れていく川の中で、底に溜まっていく砂みたいに微かに。
「一人になったらどうするの」
 たぶん、毎日に寂しさが足りない。このくらいが好き、は言わなくたって持っているし。世界に呑み込まれていく感じで、お腹の中で揉まれているのは息苦しくていけない。手と手を取りあうのは近すぎていて好きじゃないから、愛しさのつもりで足を引いた。

2/18/2024, 3:42:46 AM